あらすじ

第九話では、石姫(せっき)の残忍な行いと、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)たちが石姫に立ち向かう物語が描かれています。

妖奴が石姫に子母符の解除を懇願するも、逆に殺されてしまい、その罪は塗山紅紅(こうこう)に着せられてしまいます。塗山紅紅(とざんこうこう)と東方月初(とうほうしょげつ)たちは、事件の調査を進める中で、石姫と金人鳳(きんじんぽう)の待ち伏せに遭います。塗山紅紅は半春雪を使って妖力を高め、敵に立ち向かいます。東方月初(しょげつ)は塗山紅紅を救うため、金人鳳と取引をし、母符の半分を取り戻すことに成功します。

石寛(せきかん)は布泰(ふたい)に迫られ、その場を去りますが、古今(ここん)が石姫が布泰を害そうとしているという知らせを持って戻ってきます。

最終的に、塗山紅紅と東方月初は宮殿に戻り、石姫の陰謀を暴きます。布泰は二人に御妖国の平和維持への協力を要請します。かつて徐長老(ちょうろう)の妖奴だった過過(かか)は、御妖国に対して強い恐怖心を抱いています。

ネタバレ

妖奴たちは石姫(せっき)に子母符の解除を懇願するも、無残にも殺されてしまう。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は布泰(ふたい)の依頼で国王毒殺事件の真相を探る中、最強の妖力を持つ石寛(せきかん)に協力を求める。石姫(せっき)は妖奴たちの死を塗山(とざん)のせいにし、仮塗山(とざん)の機運を高める。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)と過過(かか)は御妖国に到著するが、そこは妖にとって決して友好的な場所ではなく、過過(かか)の表情はどこかぎこちない。

石荊(せきけい)は妖奴たちの元に帰るが、石姫(せっき)が徐長老(ちょうろう)に自身の始末を命じたことを知り、騙されていたと悟る。逃亡を図るも石姫(せっき)に殺害される。同時に石姫(せっき)は、誰かが自分を追ってきたことに気づく。追跡してきた東方月初(とうほうしょげつ)は金人鳳(きんじんぽう)と石姫(せっき)に遭遇し、苦戦を強いられる。塗山(とざん)雅雅(とざん やや)は傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)との任務を拒否する。南国毒童子に多くの妖が殺された過去があり、塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は「人の心をよく見るように」と諭す。傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)は塗山(とざん)雅雅(とざん やや)を訪ねるが、彼女は毒童子である彼を軽蔑し、百丈離れるよう命じる。

天地異変を察知した塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は、半春雪で無理やり妖力を高め、東方月初(とうほうしょげつ)を救出に向かう。石姫(せっき)と金人鳳(きんじんぽう)は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の自投羅網を待ち構えており、特に石姫(せっき)は復讐の機会を長年待ち望んでいた。塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)は陣に閉じ込められ、彼らは時間稼ぎをしているようだ。東方月初(とうほうしょげつ)は塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)の到著に気づき、彼女の衰えた妖力に危機感を抱く。金人鳳(きんじんぽう)は石姫(せっき)が塗山(とざん)紅紅(とざんこうこう)に緻命傷を与えられないことを危惧し、東方月初(とうほうしょげつ)に襲いかかり霊血を奪う。東方一族は滅亡の危機に瀕する。

塗山紅紅(とざんこうこう)は石姫(せっき)と遠隔で対峙する。石姫(せっき)は霊骨を失ってもなお強力な塗山紅紅(とざんこうこう)に驚き、手を焼く。東方月初(とうほうしょげつ)は金人鳳(きんじんぽう)に毒を盛り、母符との交換を要求する。牢獄では付澄(ふせい)が彼を助けており、過去の恩返しだという。解毒薬のない金人鳳(きんじんぽう)は逆上し、東方月初(とうほうしょげつ)に止めを刺そうとするが、塗山紅紅(とざんこうこう)が駆けつけ再び彼を救う。

母符の半分が奪われ、石姫(せっき)は金人鳳(きんじんぽう)を殺そうとする。九死に一生を得た東方月初(とうほうしょげつ)と塗山紅紅(とざんこうこう)は御妖国の外へ。街の人々を不安にさせないよう、二人は城外で休息する。この戦いにより塗山紅紅(とざんこうこう)の妖力は著しく損傷し、東方月初(とうほうしょげつ)は自身の妖力で彼女を癒す。「俺も、紅紅(こうこう)にとって大切な存在なんだよな…?」布泰(ふたい)は石寛(せきかん)の妖衛の職を解き、彼との約束に縛られることを望まない。彼女は石寛(せきかん)を冷たく突き放すものの、一人になるとひっそりと涙を流す。母符は悪人の手に渡り、石寛(せきかん)は留まれば命がない。

古荊(こけい)は死んでおらず、最後の力を振り絞って御妖国に戻り、石寛(せきかん)に騙されていた事実を伝える。石姫は徐長老(ちょうろう)に憑依し布泰(ふたい)を襲うが、塗山雅雅(とざん やや)が駆けつける。しかし、彼女は石姫に敵わず、危機一髪で石寛(せきかん)と傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)が到著する。塗山紅紅(こうこう)は東方月初(とうほうしょげつ)に寄り添い一晩を過ごし、目覚めた時はまだ状況を把握しきれていない様子。東方月初(とうほうしょげつ)は母符の半分を取り戻し、塗山紅紅(こうこう)に怒りを解いてほしいと願う。金人鳳(きんじんぽう)は体に傷を負い、付澄(ふせい)に薬を練らせる時間が増える。

塗山雅雅(とざん やや)はあの夜の傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)の強さに驚き、彼を見直す。塗山紅紅(こうこう)と東方月初(とうほうしょげつ)は宮殿に戻り、黒幕が石姫であることを伝える。石寛(せきかん)は布泰(ふたい)に古荊(こけい)の伝言を伝えるため、宮殿の外で一晩中待っていた。布泰(ふたい)は再び石寛(せきかん)を追い払う。東方月初(とうほうしょげつ)は母符の半分を取り戻したが、石寛(せきかん)のものは含まれていないと告げる。布泰(ふたい)は塗山紅紅(こうこう)と東方月初(しょげつ)に人間と妖の調和、そして御妖国の平和を託す。

過過(かか)はかつて徐長老(ちょうろう)の妖奴であり、御妖国は彼にとって悪夢の場所だった。

第9話の感想

第9話は、様々な感情が交錯する展開に息を呑みました。特に印象的だったのは、塗山紅紅(こうこう)と東方月初(しょげつ)の関係性の変化です。これまで、どこかぎこちなかった二人の距離が、今回の危機を通して確実に縮まっているように感じられました。紅紅(こうこう)を救うため、自らの身を挺する月初(しょげつ)。そして、弱った紅紅(こうこう)を優しく介抱する姿は、二人の間に芽生えつつある愛情を強く印象付けました。紅紅(こうこう)もまた、そんな月初(しょげつ)に心を開き始めているのではないでしょうか。

一方、石姫の復讐心はさらに激化し、物語はますます緊迫感を増しています。狡猾な策略で紅紅(こうこう)たちを追い詰める姿は、まさに冷酷非情。彼女が抱える憎しみの深さ、そして、その憎しみが今後どのような悲劇を生むのか、不安が募ります。

また、傲来(ごうらい)国三少(さんしょう)に対する塗山雅雅(とざん やや)の態度の変化も興味深い点でした。当初は毒童子である彼を嫌悪していた雅雅ですが、共に戦う中で彼の意外な一面に気づき、少しずつ心を開いていく様子が描かれていました。二人の今後の関係性の変化にも注目したいところです。

つづく