以前、屋台の件で三姑娘(サン・クーニャン)に迷惑をかけた卓瀾江(タク・ランジャン)は、改めて謝罪に行きました。売れ残った氷飲を全部買い占め、県衙に持ち帰り皆に振る舞います。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)にも蜂蜜を多めに入れた特製を用意しました。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が潘樾(パン・ユエ)に氷飲を届けると、卓瀾江(タク・ランジャン)は露骨に不機嫌になり、潘樾(パン・ユエ)と言い争いを始めます。灯会事件の再捜査に協力したいと申し出る卓瀾江(タク・ランジャン)に対し、潘樾(パン・ユエ)は断りますが、卓瀾江(タク・ランジャン)は聞く耳を持たず、勝手に捜査を進めると宣言。卓瀾江(タク・ランジャン)が帰るとき、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は見送りに出て行きました。
潘樾(パン・ユエ)は三姑娘(サン・クーニャン)に近況を尋ね、灯会事件以来、商売がうまくいっていないことを知ります。三姑娘(サン・クーニャン)と父親の関係を再び問うと、普通の親子関係だと答えますが、屋台の看板から強叔(強おじさん)の名前が消されていることに気づき、潘樾(パン・ユエ)は疑問を抱きます。蘇姑娘は、三姑娘(サン・クーニャン)が他郷から流れ著き、強叔(強おじさん)に拾われたものの、実際は労働力として扱われていたことを告白します。妹の霜霜(ソウソウ)は、酒に酔った強叔(強おじさん)に暴力を振るわれていたため、父親よりも姉を慕っていました。
三姑娘(サン・クーニャン)たちが帰った後、潘樾(パン・ユエ)は事件の共通点に気づきます。被害者たちは皆、生前に暴力を振るう者から虐げられていたのです。そして、浮浪児に物乞いをさせていた八爺(ハチジー)の事件も同様でした。潘樾(パン・ユエ)は浮浪児たちを探すよう命じ、卓瀾江(タク・ランジャン)も銀雨楼に灯会事件の徹底捜査を指示します。潘樾(パン・ユエ)は八爺(ハチジー)の手下の浮浪児たちを見つけ、遺体の場所を突き止めます。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)も同行しますが、乱葬崗の光景に妙な慣れを見せ、潘樾(パン・ユエ)は再び彼女に疑念を抱きます。最近の楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の変化に、潘樾(パン・ユエ)は違和感を覚えます。雨上がり、道端で馬車を修理している間、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と潘樾(パン・ユエ)は散歩に出かけ、先苦後甜の実を食べながら虹を眺め、束の間の穏やかな時間を過ごします。
夜更け、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は八爺(ハチジー)の遺体を調べに行きます。悪人とはいえ、無念を晴らしたいと思ったのです。陳三(チェン・サン)を脅し、遺体の情報を聞き出そうとします。翌日、陳三(チェン・サン)は潘樾(パン・ユエ)に、凶器が異形の刃物だったと報告します。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に凶器を描かせた潘樾は、彼女を牢獄に連れて行きます。江湖の者が多い牢獄で、凶器を知る者がいるかもしれないと考えたのです。その凶器は血剣と呼ばれ、潘樾は使用者を济善堂の堂主、顧雍(グー・ヨン)だと確信します。顧雍(グー・ヨン)の購入記録も入手し、直接対決することを決意します。卓瀾江(タク・ランジャン)もまた、济善堂にたどり著いていました。
潘樾と卓瀾江(タク・ランジャン)は、それぞれ変装して济善堂の市に向かいます。一方、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)はかつての孫捕頭を訪ね、過去に令牌を盗もうとした者がいたことを聞き出します。
第11話の感想
第11話は、事件の核心に迫る重要な局面を迎え、サスペンス要素が一段と高まりました。潘樾と卓瀾江(タク・ランジャン)がそれぞれ独自に捜査を進め、济善堂という共通のターゲットにたどり著く展開は、今後の二人の関係性にも大きな影響を与えそうです。特に、二人が変装して济善堂の市へ向かうラストシーンは、緊張感に満ちており、次回への期待を大いに高めてくれます。
また、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の謎めいた行動も、物語の不穏な空気をさらに濃くしています。乱葬崗での慣れた様子や、夜中に遺体を調べに行く大胆な行動は、彼女の過去に何らかの秘密が隠されていることを示唆しているかのようです。潘樾も彼女の変化に気づき始めており、二人の関係にどのような変化が生じるのか、今後の展開が気になります。
一方で、三姑娘(サン・クーニャン)とその妹、霜霜(ソウソウ)のエピソードは、事件の背景にある社会の闇を浮き彫りにしています。虐待や搾取といった厳しい現実の中で、それでも懸命に生きる姉妹の姿は、胸を締め付けられるものがありました。このエピソードは、単なる事件捜査だけでなく、人間ドラマとしての深みも作品に与えていると言えるでしょう。
つづく