卓瀾江(タク・ランジャン)は組織内にまだ内通者がいると確信し、密かに調査を命じた。霜霜(ソウソウ)の騒動を聞きつけた楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と潘樾(パン・ユエ)が駆けつける。周囲は霜霜(ソウソウ)を犯人の妹と決めつけ、三姑娘(サン・クーニャン)の遺体と共に追い出そうとしていた。しかし潘樾(パン・ユエ)は三姑娘(サン・クーニャン)に線香をあげ、店を県衙御用達の氷菓店とし、今後騒ぎを起こす者は厳正に対処すると宣言した。人々が去った後、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は三姑娘(サン・クーニャン)の遺体を見て悲しみに暮れる。潘樾(パン・ユエ)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に霜霜(ソウソウ)の面倒を見るよう頼み、先に帰った。泣き止まない霜霜(ソウソウ)に楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が童謡を教えると、通りすがりの乞食たちも一緒に歌い始めた。
潘樾(パン・ユエ)は獄中の顧雍(グー・ヨン)を訪ねた。彼はこれまで捜査を妨害していた。潘樾(パン・ユエ)は三姑娘(サン・クーニャン)への情はないのかと問うが、顧雍(グー・ヨン)は仮省の色を見せない。10年前の楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の両親の死について追及すると、顧雍(グー・ヨン)は犯行を認めたが、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)殺害については否定した。顧雍(グー・ヨン)の令牌には「四」の文字があり、さらに上に3人いることが判明するが、黒幕の名前は明かさなかった。潘樾(パン・ユエ)に守れないと考えたからだ。
水波紋組織は顧雍(グー・ヨン)の殺害を命じた。顧雍(グー・ヨン)は禾陽から安全な場所への逃亡を条件に、潘樾(パン・ユエ)に全てを話すと申し出た。潘樾(パン・ユエ)は顧雍(グー・ヨン)を京城へ護送し、郡主に警護を依頼することにした。偽物と入れ替えた顧雍(グー・ヨン)を連れ出そうとした瞬間、顧雍(グー・ヨン)は毒に侵され、「楊」と一言残して息絶えた。
卓瀾江(タク・ランジャン)は父親に結婚を急かされ、好きな女性ができたら連れて来ると約束した。顧雍(グー・ヨン)を毒殺したのは指紋を押す印泥だった。潘樾(パン・ユエ)は県衙内に潜入者がいると睨んだ。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は自分を助けたのが潘樾(パン・ユエ)だと気づき、問いただすと潘樾(パン・ユエ)はあっさりと認めたが、公務だと素っ気ない。潘樾(パン・ユエ)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に京城へ行くよう促した。禾陽にいては危険だからだ。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は自分が追い出されたと感じ、傷ついた。そこに卓瀾江(タク・ランジャン)が現れ、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)を連れ去ろうとする。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は怒って県衙を飛び出した。玲児(レイアル)に果物を届けに来た阿澤(アーザー)を見て、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は潘樾からの贈り物ではないかと期待したが、違ったことに落胆した。
楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は卓瀾江(タク・ランジャン)の家ではなく、以前住んでいた場所に戻り、卓瀾江(タク・ランジャン)と酒を飲んだ。潘樾には郡主がいること、自分の名前も身分も偽物であることを知りながら、彼を恨むことすらできない。ましてや、他人の体に入り込んだだけの泥棒だと告白することなどできない。阿澤(アーザー)から楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の様子を聞いた潘樾は、なぜか不機嫌になり、阿澤(アーザー)を追い返した。新しく来た料理人が作った料理にも食欲がわかず、沈んだ様子だった。
三姑娘(サン・クーニャン)の葬儀の日、潘樾は墓地で卓瀾江(タク・ランジャン)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に会った。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は潘樾を無視して墓前に祈りを捧げた。霜霜(ソウソウ)は三姑娘(サン・クーニャン)の墓の前で泣き崩れ、これで家族がいなくなってしまったと嘆いた。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と潘樾は互いに目を合わせることなく、すれ違った。
第16話の感想
第16話は、様々な感情が交錯する重苦しいエピソードでした。顧雍(グー・ヨン)の死、そして彼が最後に残した「楊」の一言。これは何を意味するのか、今後の展開に大きな影を落とすことは間違いありません。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の両親の死に関わっていたこと、そしてさらに上層部が存在することが明らかになり、物語は核心へと近づきつつあるように感じます。しかし、黒幕の正体は依然として謎に包まれており、水波紋組織の目的も不明瞭なままです。
一方、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と潘樾の関係は、ますます複雑になっています。潘樾は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の安全を案じ、京城へ行くよう促しますが、それは彼女を遠ざけたいという気持ちの裏返しでもあるように見えます。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)もまた、潘樾への想いを抑えきれずに苦悩しています。二人のすれ違いは、見ているこちらも胸が締め付けられるようです。
三姑娘(サン・クーニャン)の葬儀のシーンは、霜霜(ソウソウ)の悲しみと、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と潘樾の冷え切った関係を象徴するようで、非常に印象的でした。互いに目を合わせることなくすれ違う二人の姿は、今後の展開を闇示しているかのようです。
つづく