楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の正体を知った潘樾(パン・ユエ)は、いてもたってもいられず彼女の屋敷へ駆けつけた。肩を掴み、胸に込み上げる様々な感情が言葉にならない。しかし、今の彼女は上官芷(シャングワン・ジー)。正体がバレれば大変なことになる。潘樾(パン・ユエ)は、名乗り出たい衝動を抑え、二歩下がって心を落ち著かせた。そこへ卓瀾江(タク・ランジャン)が現れ、潘樾(パン・ユエ)を追い払おうとする。潘樾(パン・ユエ)は水波紋組織に関わる事件を捜査中だと告げ、進展があればすぐに楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に知らせると約束した。
夜、潘樾(パン・ユエ)はベッドで寝返りを打ちながら、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が上官芷(シャングワン・ジー)の姿に変わっていく様子を何度も思い浮かべた。氷棺に眠っているのが本当の上官芷(シャングワン・ジー)で、彼女を殺したのは水波紋組織だと確信する。潘樾(パン・ユエ)は水波紋組織を必ず捕まえ、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と上官芷(シャングワン・ジー)の無念を晴らすことを心に誓った。
翌日、潘樾(パン・ユエ)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が以前住んでいた部屋を訪れ、彼女が剪定した木の枝を見て、言いようのない感情がこみ上げてきた。「早く大きくなれよ、采薇(ツァイウェイ)はすぐ戻ってくる」と呟いた。一方、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は県衙に戻るべきか悩んでいた。戻れば面子を失うのではないかと心配していたのだ。
潘樾(パン・ユエ)は朝から身支度を整え、期待と不安が入り混じる気持ちで楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の帰りを待っていた。捜査のため、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は県衙に戻ることを決意した。皆が彼女の帰還を喜ぶ中、潘樾(パン・ユエ)は平静を装いながらも内心は動揺していた。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は潘樾(パン・ユエ)を「大人」と呼んだ。そのよそよそしい呼び方に、潘樾(パン・ユエ)は少し落ち込んだ。
書類を確認している時、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の髪が垂れ下がった。潘樾(パン・ユエ)はその様子に心を奪われた。しかし、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は事件に集中しており、潘樾の気持ちには全く気づかない。むしろ、彼を冷やかしていると思い込んでいる。潘樾が時折漏らす笑い声を、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は気味悪く感じていた。
事件解決のため、潘樾は新鄭書院へ行くことにした。それを聞いた楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)も同行を申し出た。馬車の中で、潘樾の態度に楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は居心地の悪さを感じていた。書院に到著すると、院長が既に準備を整えて待っていた。潘樾は院長を引き留め、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に目配せをして沈慈(シェン・ツー)の情報を聞き出すように促した。しかし、沈慈(シェン・ツー)の名前を出すと、人々は慌てて逃げ出してしまった。
書院には黒い布で覆われた部屋があった。それは陳賦(チェン・フー)の部屋だった。院長は、息子が失明して以来、行動が不便になったため布で覆っていると説明した。潘樾と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は中を見たいと申し出ると、院長はそれを止めなかった。部屋を出て、二人は何かがおかしいと感じ、裏山へ向かうことにした。
一方、卓瀾江(タク・ランジャン)は牢から脱走した男を見つけ出すが、既に殺されていた。犯人は右肩に異常があるようだ。卓瀾江(タク・ランジャン)は孫震(スン・ジェン)の様子を思い出し、彼を犯人だと確信し、探りを入れる。そして、部下に孫震(スン・ジェン)を監視するように命じた。
潘樾と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は薄気味悪い裏山へ入った。いつもは上官蘭(シャングワン・ラン)を口実に危険な場所には行かない潘樾だが、今日は様子が違った。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は道に迷わないよう、刀で木に印をつけた。潘樾がその刀を楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の検死刀に価ていると言うと、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は慌てて刀を隠し、「違います」と答えた。
森の中を一周すると元の場所に戻ってしまったが、潘樾は落ち著いていた。誰かがわざと怪奇現象を演出しているに違いないと考えた。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は潘樾の後ろを恐る恐るついていくと、水音が聞こえた。突然、どこからともなく現れた蔓に捕まってしまう。潘樾は急いで駆け寄り、彼女を助け出した。そして、安堵した様子で彼女を抱きしめた。
すぐに潘樾は仕掛けを見つけた。いわゆる鬼の森とは、誰かが作った罠だったのだ。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は土壌が異常に肥沃な場所を見つけ、何かが埋まっているのではないかと考えた。二人がそこを掘り返すと、白骨が出てきた。その傍らには、新鄭書院の院章が置かれていた。
第18話の感想
第18話は、正体を知られた楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)と、それを知りながら何も言えない潘樾の切ない想いが交錯する回でした。再会を果たした喜びと、真実を告げられない苦悩が、潘樾の行動や表情の一つ一つに滲み出ており、見ているこちらも胸が締め付けられました。特に、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が潘樾を「大人」と呼ぶシーンは、二人の間に生まれた距離感を痛感させ、今後の展開への不安をかき立てます。
一方、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は事件解決に集中しており、潘樾の複雑な心情には全く気づいていません。まるで別の人になってしまったかのような楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に対し、潘樾はもどかしさを感じているようでした。二人のすれ違いが、今後どのように変化していくのか、非常に気になるところです。
また、新鄭書院の裏山でのシーンは、ハラハラドキドキの展開でした。突如現れる蔓や、不気味な雰囲気は恐怖感を煽り、見ているこちらも息を呑むほど。しかし、潘樾が楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)を助け出すシーンは、二人の絆を改めて感じさせ、温かい気持ちになりました。ただの怪奇現象ではなく、人為的な罠だったという点も、今後の謎解きへの期待を高めます。
つづく