今回は、師匠が天師復活事件の奇妙な顛末を語るところから始まる。犠牲者たちの死因はそれぞれ異なり、師匠は綿密な調査を行うも、重要な手がかりが記録されていないことに気付く。当時の県令は事件の早期解決を優先し、師匠の発見と推論を信じず、おざなりに処理してしまったのだ。そして八番目の犠牲者、哀れなショウの娘の死は最も凄惨で、苦痛に満ちたものだった。
師匠は、これらの事件が陸哀歌(リク・アイカ)と深い関わりがあると断定。密かに陸哀歌(リク・アイカ)の墓を訪れると、死んだはずの彼女の遺体を発見する。しかし、その行動を薛漸離(セツ・ゼンリ)に見られてしまい、調査は難航することに。
真相究明のため、潘樾(パン・ユエ)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は洛雲門へと向かう。洛雲門は信者で賑わっており、薛漸離(セツ・ゼンリ)の影響力の大きさを物語っていた。正体を隠すため、二人は夫婦を装い潜入する。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は薛漸離(セツ・ゼンリ)から陰気な雰囲気と、何とも言えない異臭を感じ取る。
洛雲門に滞在中、潘樾(パン・ユエ)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の体が夜になると冷えることに気付き、慣れた手つきでツボをマッサージする。その時、何者かが門前を走り抜け、夜間の外出禁止を告げる。
潘樾(パン・ユエ)は深夜、洛雲門を探る。薛漸離(セツ・ゼンリ)の部屋には心を惑わす夢華香が焚き込められ、さらに隠し部屋の存在を発見する。部屋からは読経の声が聞こえてきた。
一方、卓瀾江(タク・ランジャン)は悪夢にうなされる日々を送っていた。そして、目覚める度に白小笙(バイ・シャオシェン)の姿が。白小笙(バイ・シャオシェン)が同じ屋敷の東廂を借りていたため、卓瀾江(タク・ランジャン)は困惑を隠せない。
潘樾(パン・ユエ)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は薛漸離(セツ・ゼンリ)の部屋に侵入する方法を模索する。最終的に、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が薛漸離(セツ・ゼンリ)を誘い出し、潘樾(パン・ユエ)が部屋に潜入する作戦を決行。薛漸離(セツ・ゼンリ)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)との会話を避けていたが、姉が天師復活事件の犠牲者だと知ると、少しだけ口を開く。その後、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は信者に監視されることに。
隠し部屋で潘樾(パン・ユエ)が目にしたのは、薛漸離(セツ・ゼンリ)を師匠と呼び、死を願う女性の姿。彼女は陸哀歌(リク・アイカ)であり、生きていたのだ。潘樾(パン・ユエ)は物陰に隠れ、陸哀歌(リク・アイカ)が薛漸離(セツ・ゼンリ)に噛みつき、その後、薛漸離(セツ・ゼンリ)が彼女に薬を与え、まるで操り人形のように従順になる様子を目撃する。
突然、火事の知らせが入る。薛漸離(セツ・ゼンリ)が様子を見に行った隙に、潘樾(パン・ユエ)は陸哀歌(リク・アイカ)を連れて脱出。薛漸離(セツ・ゼンリ)が陸哀歌(リク・アイカ)の失踪に気付いた時には、既に遅かった。
道中で意識を取り戻した陸哀歌(リク・アイカ)は、二度と閉じ込められたくないと、潘樾(パン・ユエ)に助けを求める。逃亡中、彼女は薛漸離との過去を明かす。二人は師弟関係だけでなく、かつて深く愛し合っていたのだ。一目惚れした陸哀歌(リク・アイカ)は洛雲門に入門し、二人の想いは次第に深まる。しかし、陸哀歌(リク・アイカ)が告白した時、薛漸離は師弟の関係を理由に拒絶する。諦めきれない陸哀歌(リク・アイカ)は、彼のために傷を癒す方法を見つける。だが、人殺しによる秘術は天理に背く行為であり、二人は二度と行わないことを誓う。しかし、薛漸離は陸哀歌(リク・アイカ)を仮死状態にし、全ての罪を“死人”である彼女に押し付けたのだ。
陸哀歌(リク・アイカ)は身を隠して残りの人生を過ごそうとする。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は玲児(レイアル)に彼女を送り届けさせる。しかし、二人が去った後、潘樾(パン・ユエ)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は陸哀歌の言葉に矛盾があることに気付く。薛漸離は天理に背く方法を使うなと陸哀歌に忠告していたのだ。その頃、玲児(レイアル)は捕らえられ、陸哀歌は再び秘術を行おうとしていた。知らせを聞いた薛漸離は彼女を止めようとする。実は、殺人を犯していたのは陸哀歌であり、全ては薛漸離のためだった。しかし、薛漸離に愛情がないと悟った彼女は、彼を殺そうとする。だが、薛漸離は自ら陸哀歌の剣に飛び込む。彼女に情がなければ、「哀歌」という名前を与えたりはしなかっただろう。
薛漸離は陸哀歌の手によって命を落とす。それでもなお永生を望む陸哀歌は、符を書こうとよろめく。しかし、潘樾(パン・ユエ)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の姿を見ると、もはやこれまでと悟り、薛漸離の傍らで自害する。
玲児(レイアル)の事件以来、阿沢(アーゼ)は彼女の護衛についていた。調査を進めた潘樾(パン・ユエ)と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は、陸哀歌が殺したのは四人だけで、残りの四人は模倣犯だと突き止める。楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は検死の結果、犠牲者の口から銅銭を発見する。これは百花宮と関係があるようだ。百花宮の遊女は死ぬ前に銅銭を口に含み、来世での幸福を願う風習があったのだ。
二人は百花宮を訪れ、青帝(チンテイ)に全てを話してほしいと願った。実は、ショウの娘は百花宮の歌姫であり、青帝(チンテイ)とは姉妹のように仲が良かった。百花宮は毎年、選りすぐりの歌姫たちを都に送っており、その年も彼女たちが選ばれた。ショウの娘は、これからは良い暮らしができると希望に胸を膨らませていたが、思いもよらず、彼女たちは都から逃げ帰ってきたのだ。彼女たちは、ある貪官が敵国と通じている証拠となる手紙を偶然見つけてしまい、仕方なく身を隠すことになった。ショウの娘は楊の父に告発の手紙を書き、彼らが処罰されることを願ったが、逆に楊一家が殺されてしまい、彼女たちはさらに深く身を隠さざるを得なくなった。他の三人の姉妹も次々と殺され、ショウの娘は恐怖に怯えながらも、青帝(チンテイ)に災いが及ぶことを恐れた。この事件以来、青帝(チンテイ)は毎年都に歌姫を送り続け、少しでも異変に気づかれることを恐れていた。潘樾と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は、青帝(チンテイ)と共に都へ行くことを決意した。
第24話 感想
「花間令~Lost in Love~」第24話は、息詰まる展開と切ない愛の物語で視聴者を釘付けにしました。これまで謎に包まれていた天師復活事件の真相がついに明らかになり、衝撃の連続でした。特に、陸哀歌と薛漸離の秘められた愛と悲劇的な結末は、深く心に刻まれました。
陸哀歌の歪んだ愛情表現は恐ろしいものでしたが、その根底にある薛漸離への一途な想いは、哀れみを誘います。薛漸離もまた、師弟という立場と愛の間で葛藤し、最終的に命を落とす選択をする姿は、悲劇的ながらも美しく描かれていました。二人の愛憎入り混じる複雑な関係性は、物語に深みを与え、視聴者の感情を揺さぶりました。
また、潘樾と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の活躍も見逃せません。危険を顧みず真相を追究する二人の姿は、頼もしく、そして彼らの絆の強さを改めて感じさせました。特に、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)が姉の死の真相に迫るシーンは、彼女の強い意誌と深い悲しみが伝わってきて、胸を締め付けられました。
しかし、事件はこれで完全に解決したわけではありません。模倣犯の存在や百花宮との関連など、新たな謎も浮上し、今後の展開への期待が高まります。真相は一体どこにあるのか、そして潘樾と楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)は全ての謎を解き明かすことができるのか、今後の物語から目が離せません。
つづく