早朝、上官蘭(シャングワン・ラン)は楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)に金銀財宝と新しく雇った侍女を残し、都へ戻った。しかし、采薇(ツァイウェイ)は贈り物に喜ぶどころか、蘭の厚意に報いることができず、罪悪感に苛まれた。蘭への真実の告白は、采薇(ツァイウェイ)にとって大きな重荷となった。
一方、蘭は元の住まいを出て、県衙に転がり込んだ。潘樾(パン・ユエ)に泣きつき、住む場所がないと訴える蘭。樾は仕方なく彼女を県衙に滞在させるが、内心では追い出す算段をしていた。正式な赴任前日、県衙に現れた樾。賭博に興じていた役人たちは、樾の姿に恐れおののいた。その中には、かつて采薇(ツァイウェイ)に暴行を加えた男もいた。彼は禾陽には護官府があり、四大家族に有利なことが真実とされることを樾に告げた。樾は意に介さず、男を捕らえ、見せしめとした。
采薇(ツァイウェイ)は芝居見物をしていたところ、樾に呼び出され、罰として板を担がされる。樾の狙いは、役人への見せしめだった。樾は采薇(ツァイウェイ)に翌日も来るように命じた。
玲児(レイアル)は采薇(ツァイウェイ)のために寝室を用意した。その部屋は樾の部屋に隣接していた。樾の気を引くため、玲児(レイアル)は采薇(ツァイウェイ)に継接ぎだらけの服を著せた。婚礼の夜について問われた采薇(ツァイウェイ)は、とっさに嘘をついた。樾は深く追求せず、采薇(ツァイウェイ)に主簿の補佐を命じ、常に自分のそばにいるように指示した。采薇(ツァイウェイ)は監視されているようで、不安を感じた。
ある日、樾と采薇(ツァイウェイ)は視察に出かけた。突然、馬車を一人の女性が止め、樾を「犬官」と罵った。華やかな服装の男が謝罪に来たが、女性は怒りを収めなかった。采薇(ツァイウェイ)と樾は女性の袖の下の傷に気づき、彼女が助けを求めてわざと騒ぎを起こしていることに察した。采薇(ツァイウェイ)は女性を厳罰に処することを提案したが、樾は動じず、夫の孫万財(ソン・ワンツァイ)に責任を負わせた。女性が再び暴言を吐くと、采薇(ツァイウェイ)は律法を闇唱し、万財に妻の罪を償わせた。四大家族の人間だと周囲に忠告されたにも関わらず、樾は万財を捕らえた。この行動は民衆から賞賛された。
禾陽に著任した樾は、多くの贈り物を受け取り、友人たちを招いて宴会を開いた。一方、采薇(ツァイウェイ)は樾の悪事を暴こうと、記録庫に忍び込み、上官芷(シャングワン・ジー)の死に関する記録を探したが、樾が既に持ち去った後だった。諦めきれない采薇(ツァイウェイ)は、樾の部屋にも忍び込んだが、全て樾に見透かされていた。
済善堂の顧雍(グー・ヨン)、生死坊の蔡昇(サイ・ショウ)、百花宮の青帝(チンテイ)は会合を開いていたが、銀雨楼の人間だけが不在だった。万財が捕らえられたことを知った三人は、樾に製裁を加えることを決めた。
鍵を手に入れるため、采薇(ツァイウェイ)は一人で外出した。樾の手下に尾行されていることに気づいた采薇(ツァイウェイ)は、機転を利かせて身を隠し、相手を足止めして逃れた。白小笙(バイ・シャオシェン)に強い酒を買ってきてもらい、老姜頭(ロウ・ギャントウ)の情報を集めた。
県衙に戻ると、四大家族の人間が樾に贈り物を持参していた。樾が万財の釈放の見返りに金銭を要求するのを耳にした采薇(ツァイウェイ)は、彼の正体を暴く決意をさらに固めた。
樾との関係を深めるため、采薇(ツァイウェイ)は県衙の皆を招いて宴会を開いた。玲児(レイアル)は阿沢(アーゼ)に酒を飲ませ、皆が酔っ払った隙に、采薇(ツァイウェイ)は樾を部屋まで送り届け、彼の懐から鍵を盗み出した。箱を開けると、自分と老姜頭(ロウ・ギャントウ)の絵と事件の記録が出てきた。記録には遺体の傍らに水があったが、出所は不明と記されていた。采薇(ツァイウェイ)は奇妙に思った。
翌日、樾は采薇(ツァイウェイ)を呼び出し、一か月前に彼女を襲った盗賊を見つけたと告げ、確認に行くように言った。采薇(ツァイウェイ)は驚愕した。彼女は旅の途中で盗賊に襲われたと嘘をついていたが、状況証拠が彼女に不利に働いていた。
第4話感想
第4話は、楊采薇(ヤン・ツァイウェイ)の苦悩と潘樾(パン・ユエ)の真意を探る緊迫感が際立つ展開でした。上官蘭(シャングワン・ラン)の好意を素直に受け取れない采薇(ツァイウェイ)の心境は、彼女の置かれた複雑な状況を如実に表しています。金銀財宝よりも、真実を打ち明けたいという切実な思いが胸を締め付けます。
一方、潘樾(パン・ユエ)は冷徹な一面を見せながらも、民衆の声に耳を傾けるなど、謎めいた人物像がさらに深まりました。四大家族との関係や、上官芷(シャングワン・ジー)の事件に関する記録を持ち去った行動など、彼の真意はどこにあるのか、ますます目が離せません。
采薇(ツァイウェイ)の機転と行動力も光る回でした。尾行をかわし、白小笙(バイ・シャオシェン)の協力を得て情報収集に奔走する姿は、彼女の芯の強さを感じさせます。潘樾(パン・ユエ)の部屋に忍び込み、鍵を手に入れる大胆な行動はハラハラドキドキさせられました。
そして、ラストシーン。采薇(ツァイウェイ)が語った「旅の途中で盗賊に襲われた」という嘘が、ここにきて大きな伏線として機能し始めました。潘樾(パン・ユエ)が提示した「盗賊」とは一体誰なのか、そして采薇(ツァイウェイ)の運命はいかに?次回への期待が高まる、非常に引き込まれる展開でした。
つづく