吹雪の中、千年霊龍の天耀(ティエンヤオ)は愛する広寒門(こうかんもん)主・素影(スーイン)との婚礼を心待ちにしていた。しかし、誓いの口づけを交わそうとした瞬間、素影(スーイン)は豹変。天耀(ティエンヤオ)を妖龍と罵り、想い人のために護心鱗(ごしんりん)を奪おうとしたのだ。裏切られた天耀(ティエンヤオ)は、深い悲しみと怒りに震えながらも抵抗するが、重傷の身では敵わず、護心鱗(ごしんりん)と丹を合一させ、空へと放り投げた。素影(スーイン)は奪おうと躍起になるが、龍の姿となった天耀(ティエンヤオ)に阻まれ、失敗に終わる。怒り狂った素影(スーイン)は、天耀(ティエンヤオ)の体をバラバラに引き裂き、封印を施した。

一方、雁回(イエンフイ)は生まれつき心臓に欠陥を持って生まれた。母親は、命を繋ぐという言い伝えのある川に、雁のようにいつか戻ってくることを願いながら、涙ながらに雁回(イエンフイ)を流した。すると、天耀(ティエンヤオ)が放った護心鱗(ごしんりん)が雁回(イエンフイ)の体内に宿り、新たな命を吹き込んだ。それでも雁回(イエンフイ)は孤独な日々を送っていたが、十歳の時、辰星山の仙人・凌霄(リン・シアオ)に救われ、弟子として育てられる。凌霄(リン・シアオ)は父親のように雁回(イエンフイ)を慈しんだ。

十年後、雁回(イエンフイ)は美しく心優しい少女に成長したが、修行の才能は乏しく、識海も開かれていなかった。同門の兄弟弟子たちが四星、五星のレベルに達しているのに対し、雁回(イエンフイ)はまだだった。食いしん坊で、辟穀中にも関わらずこっそり食べ物を口にすることもあった。そして、鎖妖塔に閉じ込められた小妖たちに同情を寄せ、人と妖に本質的な違いはないと考えていた。

ある日、戒律堂の凌霏(雁回(イエンフイ)の師叔で冷酷な性格)が、九尾狐・青丘(チンチウ)を追うという名目で、雁回(イエンフイ)の妖の友人を拷問していた。雁回(イエンフイ)は止めようとしたが、体内の護心鱗(ごしんりん)が仮応し、異火を放って凌霏(リン・フェイ)を攻撃、鎖妖塔の結界を破り、小妖たちを逃がしてしまう。激怒した凌霏(リン・フェイ)は雁回(イエンフイ)を殺そうとするが、修行を終えた凌霄(リン・シアオ)に阻まれる。辰星山の掟に従い、凌霄(リン・シアオ)は雁回(イエンフイ)を殞星台(いんせいたい)に閉じ込めるが、更なる災いを避けるため、最終的に破門を決めた。

辰星山を去った雁回(イエンフイ)は、金策のため七絶堂(しちぜつどう)へ。報酬と引き換えに、百年蛇妖から流火珠を奪う依頼を受ける。報酬は八十八両の黄金。雁回(イエンフイ)は桃木剣を手に自信満々に山へ向かった。しかし、護心鱗(ごしんりん)の存在を感じ取った天耀(ティエンヤオ)に見られているとは知る由もなかった。

蛇妖を捕らえた雁回(イエンフイ)。蛇妖は人型に変身し、雁回(イエンフイ)を買収しようとする。雁回(イエンフイ)が利益を最大化しようと考える中、天耀(ティエンヤオ)が現れ、雁回(イエンフイ)を気絶させる。蛇妖はその隙に逃走。天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)から護心鱗(ごしんりん)を取り戻そうとするが、仙術で封印されており、取り出すことができない。仕方なく、天耀(ティエンヤオ)は意識を失った雁回(イエンフイ)を背負い、自らの住処である銅鑼村の蕭家の傻息子・阿福(アフー)の体へと戻る。目を覚ました雁回(イエンフイ)は、見知らぬ場所に戸惑い、阿福(アフー)を見て胸が高鳴るのを感じ、不安になる。しかし、空腹感の方が勝り、阿福(アフー)に食べ物を要求し、一時的に困惑を忘れるのだった。

第1話の感想

『護心<ごしん>~デスティニー・ラブ~』第1話は、壮大なファンタジーロマンスの幕開けとして、引き込まれる展開でした。千年霊龍・天耀(ティエンヤオ)と広寒門(こうかんもん)主・素影(スーイン)の婚礼での衝撃的な裏切り、そして散り散りになった天耀(ティエンヤオ)の体と護心鱗(ごしんりん)の行方。運命に翻弄される主人公たちの今後の展開に期待が高まります。

特に印象的だったのは、婚礼シーンの美しい演出と、素影(スーイン)の豹変ぶり。愛する者からの裏切りという残酷な運命を背負った天耀(ティエンヤオ)の悲しみと怒りが、視聴者の心を掴みます。また、護心鱗(ごしんりん)によって命を繋ぎとめられた雁回(イエンフイ)と、彼女を慈しむ凌霄(リン・シアオ)との師弟関係も心温まる描写でした。雁回(イエンフイ)の天真爛漫な性格と、修行の才能に恵まれながらも、小妖たちに優しく接する姿は、今後の物語における重要な鍵となりそうです。

一方で、戒律堂の凌霏(リン・フェイ)の冷酷な性格や、雁回(イエンフイ)を破門に追い込む凌霄(リン・シアオ)の苦悩など、脇を固めるキャラクターたちの描写も丁寧に描かれており、物語の奥行きを感じさせます。今後の展開としては、雁回と天耀(ティエンヤオ)の運命的な出会いや、散り散りになった天耀(ティエンヤオ)の体の行方、そして素影(スーイン)の真意など、多くの謎が散りばめられており、目が離せません。壮大なスケールで描かれる愛と運命の物語に、今後も期待したいと思います。

つづく