天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)の識海に絡みつく黒気を払拭するも、力を使い果たし倒れてしまう。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を介抱する中、大師兄が帰還。白曉生(バイ・シャオション)の行方不明を告げる。雁回(イエンフイ)は下山後の出来事、特に素影(スーイン)との戦いを語り、大師兄は広寒門(こうかんもん)が天耀(ティエンヤオ)に罪を著せようとしているのではと疑念を抱く。

雁回(イエンフイ)の識海の黒気は天耀(ティエンヤオ)のおかげで完全に消滅したと聞き、大師兄は天耀(ティエンヤオ)の実力に感嘆。そして、武林で頻発する走火入魔の原因調査のため下山したことも明かす。調査の結果、黒気が関係している可能性が高く、黒霧の森の幻妖の凶暴化も黒気が原因だと判明。雁回(イエンフイ)は黒気を操る白曉生(バイ・シャオション)が黒幕ではないかと疑うが、悪人とは思えないとも感じる。

雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)の約束を尊重し、大師兄は忠告を残して去る。目を覚ました天耀(ティエンヤオ)に雁回(イエンフイ)は付き添い、黒霧の森での出来事を話す。幻小煙(ゲン・シャオエン)を召喚しようとするも失敗、白曉生(バイ・シャオション)も依然行方不明。天耀(ティエンヤオ)は故郷の龍穀へ雁回(イエンフイ)を連れて行くことを提案。雁回(イエンフイ)は喜び、天耀(ティエンヤオ)にとって自分が大切な存在だと実感する。

龍穀は絶情穀と化していた。雁回(イエンフイ)は幼い頃、師匠に凶妖から助けられたこと、そして偶然使った炎が天耀(ティエンヤオ)の縛魂木の束縛を解いた過去を語る。天耀(ティエンヤオ)は感謝し、雁回(イエンフイ)がいなければ今の自分はいないと伝える。

龍穀で二人は龍精霊の子供達に出会う。新世代の赤焰龍牙の守護者である子供達は、天耀(ティエンヤオ)を受け入れようとしない。雁回(イエンフイ)は自分の指輪を担保に天耀(ティエンヤオ)の身分を証明し、かつての天耀(ティエンヤオ)の住居に滞在することを許される。月圓の夜、天耀(ティエンヤオ)は龍精霊の墓地を訪れ、子供達が両親を弔う姿を目撃。20年前、素影(スーイン)に龍精霊が殺された事実を知り、悲しみに暮れる。夜、天耀(ティエンヤオ)は病の発作に苦しむが、雁回(イエンフイ)は寄り添い支える。

翌朝、一晩中看病してくれた雁回(イエンフイ)に感謝した天耀(ティエンヤオ)は、一人で赤焰龍牙を取りに行く決意をする。雁回(イエンフイ)は同行を申し出る。天耀(ティエンヤオ)は苦労して剣を抜くが、剣は元の場所に戻り、天耀(ティエンヤオ)は再び仮噬を受ける。事態は単純ではないと悟る。

雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)のために薬草を採りに行き、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)へのお礼として髪を梳かそうとする。玄門では夫婦間でしか髪を梳かないと聞き、天耀(ティエンヤオ)は躊躇し梳子を置く。二人の関係に悩む天耀(ティエンヤオ)の姿に、雁回(イエンフイ)は少し落胆する。

子供達は二人の親密な様子を見て、絶情穀の掟に仮すると雁回(イエンフイ)に立ち退きを要求。雁回(イエンフイ)は仕方なく承諾する。

雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)への深い愛情を自覚し、自分の気持ちを伝えようと決意。天耀(ティエンヤオ)の好きなものを記録し、将来のサプライズを計画。天耀(ティエンヤオ)の重荷を少しでも軽くし、温かく支えたいと願う。

第14話の感想

第14話は、天耀(ティエンヤオ)と雁回(イエンフイ)の関係性が大きく進展する一方で、龍穀の悲劇的な過去が明らかになり、今後の展開が気になる重要な回でした。特に、天耀(ティエンヤオ)が故郷である龍穀へ雁回(イエンフイ)を連れて行くシーンは印象的です。絶情穀へと変貌した故郷、そしてそこで明らかになる龍精霊の悲劇。天耀(ティエンヤオ)の故郷での出来事は、彼の人物像をより深く理解する上で重要な鍵となります。

雁回(イエンフイ)は、天耀(ティエンヤオ)の痛みを分かち合おうとする優しさと、彼を支えようとする強い意誌を見せてくれます。天耀(ティエンヤオ)もまた、雁回への感謝と愛情を深めていく様子が描かれており、二人の絆がより一層強固なものになっていくのを感じました。しかし、赤焰龍牙を手にした際の仮噬や、子供達からの立ち退き要求など、二人の前にはまだ多くの試練が待ち受けているようです。

特に、天耀(ティエンヤオ)が雁回の髪を梳かそうとするシーンは、二人の微妙な距離感を表現しており、胸が締め付けられるようでした。玄門の風習によって梳子を置く天耀(ティエンヤオ)の心情を考えると、彼が雁回への想いを自覚しつつも、現状の複雑さに葛藤している様子が伝わってきます。

つづく