雁回(イエンフイ)、白曉生(バイ・シャオション)、そして燭離(ショクリ)の三人は近道を使ったにも関わらず、天耀(ティエンヤオ)に追跡されてしまう。雁回(イエンフイ)の疲れ切った様子を見た天耀(ティエンヤオ)は、雲で日差しを遮り、幻小煙(ゲン・シャオエン)に水筒を届けさせる。天耀(ティエンヤオ)の優しさに雁回(イエンフイ)の心は揺らぐが、白曉生(バイ・シャオション)は彼女が情に揺れるのを恐れ、水筒を地面に叩きつけて、燭離(ショクリ)を「青丘(チンチウ)の世子なのに妖にも劣る」と嘲笑する。遠くに見える天耀(ティエンヤオ)の姿を見つめる雁回(イエンフイ)の脳裏に、天耀(ティエンヤオ)を殺して護心鱗(ごしんりん)を取り戻せと唆す声が響き渡る。その悪意は彼女の心に広がり、彼女は天耀(ティエンヤオ)の方へと歩き出す。

白曉生(バイ・シャオション)は雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)の間に生まれた亀裂に気づき、二人の和解を阻止しようと雁回(イエンフイ)の前に立ちはだかり、彼女が未練を持っていると非難する。雁回(イエンフイ)はすぐに正気に戻るが、あの声は依然として耳元で囁いている。彼女は白曉生(バイ・シャオション)に自分の苦悩を打ち明け、白曉生(バイ・シャオション)は黒気の主、伏陰(フクイン)の仕業ではないかと推測し、雁回(イエンフイ)の識海に入って調査することを提案する。二人の会話を聞いた天耀(ティエンヤオ)は、雁回(イエンフイ)の様子がおかしいと疑い始め、なぜ彼女が自分に対してこれほど冷淡なのか理解できない。

白曉生(バイ・シャオション)と雁回(イエンフイ)は識海に入り、そこには大量の彼岸花が急速に成長しているのを発見する。このままでは三ヶ月以内に彼女の識海は彼岸花に完全に占拠されてしまう。白曉生(バイ・シャオション)は雁回(イエンフイ)を操る鍵、彼岸花の根を発見する。雁回(イエンフイ)は伏陰(フクイン)との三ヶ月の約束、護心鱗(ごしんりん)を得られなければ命を落とすことを明かす。白曉生(バイ・シャオション)は彼女がそれを隠していたことを責め、雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を傷つけたくない、巻き込みたくない一心で、青丘(チンチウ)の秘宝で黒気を抑えられると考え、秘宝を探せば無事だと考えていたと答える。

幻小煙(ゲン・シャオエン)と燭離(ショクリ)は口論の最中、偶然「凛」の字が刻まれた羅盤を発見する。燭離(ショクリ)はそれが母、雪凛(セツリン)の遺物だと気づき、なぜここにそれが在るのか困惑する。雁回(イエンフイ)が天耀(ティエンヤオ)に手を出そうとしないため、白曉生(バイ・シャオション)は彼女が眠っている間に眉間に黒気を注入する。同時に、幻小煙(ゲン・シャオエン)と燭離(ショクリ)が羅盤の仕掛けを起動させ、白曉生(バイ・シャオション)は羅盤の中に吸い込まれる。黒気の影響で強い殺意に駆られた雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に迫る。天耀(ティエンヤオ)は彼女を止めようとするが、雁回(イエンフイ)は凶暴な目つきでまるで鬼と化したように、最終的に天耀(ティエンヤオ)と共に羅盤の中に吸い込まれてしまう。

羅盤の中で三人は離れ離れになり、再び出会う。雁回(イエンフイ)は殺意の影響を受けないように近づかないよう警告する。白曉生(バイ・シャオション)は素早く雁回(イエンフイ)の体内の黒気を浄化し、彼女を落ち著かせる。天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)に許しを乞うが、彼女は仮応を示さない。天耀(ティエンヤオ)は彼女の安全が確認されるまで守ると約束し、雁回(イエンフイ)は回復したら二度と会わないという約束を書面にするよう要求する。天耀(ティエンヤオ)は仕方なく字拠を書き、二度と関わらないと約束する。

天耀(ティエンヤオ)は羅盤の結界が地支と月で構成されていると分析し、木表を調整することで白曉生(バイ・シャオション)を出現させることに成功する。その後、三人は羅盤から脱出する。白曉生は羅盤を手に入れ、解読を試み、破壊しようとする場面も。雁回(イエンフイ)は羅盤の中で雪凛(セツリン)と伏陰(フクイン)の会話を聞いたことを思い出し、二人の間に何らかの関係があると推測する。燭離(ショクリ)は羅盤と母、雪凛(セツリン)の関係を説明し、秘宝「幽冥賦」の伝説について語るが、その所在は不明で、青丘(チンチウ)の国主ですら知らないという。

青丘(チンチウ)の監国、長嵐(チョウ・ラン)は霊龍・天耀(ティエンヤオ)が青丘(チンチウ)に現れたという報告を受け、玄門の弟子たちが三重山に集結し、天耀(ティエンヤオ)を引き渡さなければ戦争になると青丘(チンチウ)に要求していることを知る。長嵐(チョウ・ラン)はこれを無視するが、天耀(ティエンヤオ)が謁見を求めてきたと知り、大将を遣わして迎える。白曉生と雁回(イエンフイ)の前で青丘(チンチウ)での自分の地位を自慢していた燭離(ショクリ)だったが、すぐに現実を突きつけられる。大将は天耀(ティエンヤオ)にのみ敬意を表し、雁回(イエンフイ)の入室を阻止する。天耀(ティエンヤオ)のとりなしで雁回(イエンフイ)はようやく入室を許されるが、燭離(ショクリ)は大変恥をかいた。

第19話の感想

第19話は、雁回と天耀(ティエンヤオ)の関係に大きな変化が生じた重要な回でした。天耀(ティエンヤオ)の優しさに触れながらも、伏陰(フクイン)の策略によって雁回は天耀(ティエンヤオ)を殺そうとする衝動に駆られ、二人の間には深い溝ができてしまいます。天耀(ティエンヤオ)は雁回を守りたい一心で尽くしますが、雁回は冷たく突き放し、二度と会わないという約束までさせてしまいます。この切ない展開に胸が締め付けられました。

特に印象的だったのは、羅盤の中のシーンです。天耀(ティエンヤオ)の必死の説得にも関わらず、雁回は心を閉ざしたまま。天耀(ティエンヤオ)が雁回の安全を願い、字拠を書く場面は、彼の深い愛情と苦悩が伝わってきて、涙を誘います。二人の未来はどうなるのか、非常に気になるところです。

また、白曉生は相変わらず雁回への執著を見せています。雁回と天耀(ティエンヤオ)を別れさせようと画策し、黒気を利用するなど、手段を選ばない彼の行動には恐怖を感じます。しかし、羅盤の中で雁回を救う姿を見ると、彼の複雑な心情も垣間見えます。

つづく