燭離(しょくり)は雁回(がんかい)と白曉生(はくぎょうせい)を連れて自分の領地である青丘(チンチウ)の王宮へ。そこで叔父の長嵐(ちょうらん)に、雲曦(ウンギ)公主(うんきこうしゅ)の仇討ちとして広寒門(こうかんもん)の山を三つも爆破した顛末を報告する。長嵐(チョウ・ラン)は少し不満げながらも、燭離(ショクリ)を強く咎めはしなかった。その後、雁回(イエンフイ)と白曉生(バイ・シャオション)を紹介。白曉生(バイ・シャオション)は長嵐(チョウ・ラン)が目の見えないことに気づき、思わず手を目の前で振ってしまうが、雁回(イエンフイ)が謝ると、長嵐(チョウ・ラン)は気にせず二人を休ませ、既に到著している天耀(ティエンヤオ)(てんよう)と夕食を共にするよう伝える。
長嵐(チョウ・ラン)は天耀(ティエンヤオ)と長年の友人であると話し、普段冷たい天耀(ティエンヤオ)が友人を持つことに白曉生(バイ・シャオション)は驚く。燭離(ショクリ)は幻小煙(げんしょうえん)がいないことに気づき、最初は静かで良いと思っていたが、すぐに物足りなさを感じる。すると、幻小煙(ゲン・シャオエン)は燭離(ショクリ)の腰からひょっこり現れ、儀礼が面倒で身体検査を避けるために隠れていたと説明する。青丘(チンチウ)に著くなり瞳術師を探そうとする幻小煙(ゲン・シャオエン)に、燭離(ショクリ)は青丘(チンチウ)ではその言葉が禁忌であると釘を刺す。燭離(ショクリ)の母・雪凛(せつりん)が黒気に立ち向かい命を落としたため、青丘(チンチウ)では黒気にまつわることは禁じられているのだ。しかし、復讐に燃える幻小煙(ゲン・シャオエン)は気に留めず、燭離(ショクリ)は彼女のために瞳術師を探すことを決意。二人の関係は少しだけ改善する。
長嵐(チョウ・ラン)と天耀(ティエンヤオ)は再会し、積もる話を交わす。天耀(ティエンヤオ)は素影(そえい)を封印し、復讐を果たしたことを報告。長嵐(チョウ・ラン)は喜ぶが、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)を傷つけてしまった心の葛藤を吐露する。長嵐(チョウ・ラン)は過去の過ちを繰り返さぬよう、今の気持ちを大切にするよう忠告する。雁回(イエンフイ)の奇病を治すため青丘(チンチウ)を訪れた天耀(ティエンヤオ)は、治療法が記されているという「幽冥賦(ゆうめいふ)」について尋ねる。長嵐(チョウ・ラン)は幽冥賦の存在は認めるものの、十数年前に行方不明になった屏風の中に隠されていたため、今はどこにあるか分からないと答える。
一方、白曉生(バイ・シャオション)は雁回(イエンフイ)をある隠れ家の樹洞へ案内する。そこには長嵐(チョウ・ラン)の言っていた屏風、つまり幽冥賦が隠されていた。白曉生(バイ・シャオション)曰く、幽冥賦を得るには玄妖(げんよう)のカップルが三つの障術を突破する必要があるが、自身は何年も挑戦し続け、最初の関門すら突破できていないという。雁回(イエンフイ)はズルをすることを提案。白曉生(バイ・シャオション)に解答を闇記させ、偽のカップルとして挑戦することに。白曉生(バイ・シャオション)は同意し、二人は猛勉強を開始、ほとんど外出もしなくなる。雁回(イエンフイ)を心配する天耀(ティエンヤオ)は、幻小煙(ゲン・シャオエン)と燭離(ショクリ)から彼女の居場所を聞きつけ、会いに行く。
準備を整えた雁回(イエンフイ)と白曉生(バイ・シャオション)は樹洞に入り挑戦を開始。試験官の言不惑(げんふわく)に会う。言不惑(ゲンフワク)は白曉生(バイ・シャオション)には手を焼いていたものの、雁回(イエンフイ)の素性を知るとチャンスを与える。しかし、二人は二問正解したものの、三問目で間違えて言不惑(ゲンフワク)に追い出されてしまう。それを見た天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)を助けるため、白曉生(バイ・シャオション)に雁回(イエンフイ)の好きなことをして親密度を上げるようアドバイスする。雁回(イエンフイ)もまた、試練を突破するには本当の恋人同士になる必要があると気づき、それは時間をかけて育むしかないことを悟る。
第20話の感想
第20話は、青丘(チンチウ)編の本格的なスタートを感じさせる展開でした。特に印象的だったのは、それぞれのキャラクターの想いが交錯し、新たな局面へと物語が動き出した点です。
まず、天耀(ティエンヤオ)は復讐を果たしたものの、雁回(イエンフイ)を傷つけたことに苦悩しています。長嵐(チョウ・ラン)との会話を通して、過去の過ちを繰り返さないよう諭されるシーンは、彼の今後の行動に大きな影響を与えそうです。雁回(イエンフイ)への深い愛情と、自身の過去の行いに対する後悔が複雑に絡み合い、見ている側も胸が締め付けられました。
一方、雁回(イエンフイ)と白曉生(バイ・シャオション)は幽冥賦獲得のため、偽のカップルとして試練に挑戦しますが、あっさり失敗。コミカルなやり取りの中に、本当の愛情の難しさ、そして二人の関係性の変化が垣間見える重要なシーンでした。天耀(ティエンヤオ)のアドバイスによって、二人の距離が縮まるのか、今後の展開が楽しみです。
また、燭離(ショクリ)と幻小煙(ゲン・シャオエン)の関係性にも変化が見られました。幻小煙(ゲン・シャオエン)の復讐への強い意誌と、それを支えようとする燭離(ショクリ)の姿は、二人の間に新たな絆が生まれていることを示唆しています。青丘(チンチウ)という新たな舞台で、それぞれのキャラクターがどのように成長していくのか、期待が高まります。
つづく