凌霄(リン・シアオ)は謎の力に呼び覚まされ、異空間に飛ばされた。そこは兵馬俑のような人形がひしめき合い、中には見知った武林の者たちの姿も。導かれるように進むと師・清広(セイコウ)真人が現れ、長年伏陰(フクイン)を封印し続けていたことを明かす。伏陰(フクイン)は人形を操り力を蓄え、復活の機会を窺っているという。清広(セイコウ)真人は自らの命と引き換えに伏陰(フクイン)を完全に封印し、凌霄(リン・シアオ)に脱出路を開く。そして、脱出後は護心鱗(ごしんりん)を破壊し、伏陰(フクイン)の力の源を断つよう命じる。凌霄(リン・シアオ)は師の願いを受け入れるものの、雁回(イエンフイ)の命を危険に晒すことになるため、苦悩する。

一方、陸慕生(リク・ムーシェン)は苦労の末、雲曦(ウンギ)の髪と衣を携え青丘(チンチウ)に到著。天耀(ティエンヤオ)は塵意(ジンイ)に謁見し、体の各部分を探し出し、青丘(チンチウ)を守る責任を果たすと宣言。三重山の龍筋へ向かう天耀(ティエンヤオ)に、塵意(ジンイ)は黒河を密かに渡るための青丘(チンチウ)国主印を授ける。続いて鳳千朔(オオトリ・チサト)と陸慕生(リク・ムーシェン)も到著。陸慕生(リク・ムーシェン)は雲曦(ウンギ)への愛と素影(スーイン)に殺された経緯を語り、自らの死を請う。塵意(ジンイ)はその深い愛情を汲み、雲曦(ウンギ)の住まいでの生活を許可。陸慕生(リク・ムーシェン)は雲曦(ウンギ)の衣冠塚を守ることを決意し、命を縮めることを承知で素影(スーイン)から受け取った龍鱗の鎧を天耀(ティエンヤオ)に返還する。

鳳千朔(オオトリ・チサト)は雲曦(ウンギ)を守れなかったことを謝罪し、永州(えいしゅう)の民への罰を免除してもらい、鳳家の末裔として青丘(チンチウ)の民を守ると誓う。燭離(ショクリ)は幻小煙(ゲン・シャオエン)から離れられないことに気づき、鳳千朔(オオトリ・チサト)に恋のアドバイスを求めるが、相手にされない。それでも諦めない燭離(ショクリ)は、幻小煙(ゲン・シャオエン)に素直な想いを伝える。鈍感な幻小煙(ゲン・シャオエン)も、その気持ちを感じ取るのだった。

雁回(イエンフイ)と蒲芳(プーファン)は雁回(イエンフイ)の髪の再生を試みていると、幻小煙(ゲン・シャオエン)が結婚の相談に訪れる。雁回(イエンフイ)は二度も望まぬ結婚を経験しているのだ。青丘(チンチウ)の結婚の複雑さに戸惑う幻小煙(ゲン・シャオエン)に、蒲芳(プーファン)は六礼について説明する。雁回(イエンフイ)が婚書について触れると、浦芒(プーマン)は六礼には婚書は含まれていないと指摘。雁回(イエンフイ)はそれが天耀(ティエンヤオ)の特別な計らいだと気づき、破れた婚書を繋ぎ合わせ、そこに込められた想いに感動する。

雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に会い、宝物が詰まった乾坤袋を受け取る。天耀(ティエンヤオ)が体の各部分を探しに出かけると聞き、雁回(イエンフイ)はすぐに荷造りを始め、同行を決める。乾坤袋は一緒に帰ってきてから使うと天耀(ティエンヤオ)に返し、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)の助けに喜びを感じる。

雁回(イエンフイ)に同行を決めた蒲芳(プーファン)は、辰星山の弟子・兮風(シーフォン)への想いを募らせ、共に旅立つことを決意。雁回(イエンフイ)は蒲芳(プーファン)の身を案じるが、天耀(ティエンヤオ)が国主印を使い密かに川を渡ろうとした時、蒲芳(プーファン)も同行。蒲芳(プーファン)は兮風(シーフォン)を探しに行くが、妖族との交際を禁じる玄門の掟のため、兮風(シーフォン)は蒲芳(プーファン)を追い払おうとするも、傷つけることはできない。そこに凌霏(リン・フェイ)が現れ、蒲芳(プーファン)を攻撃するのだった。

第29話の感想

第29話は、それぞれの想いが交錯し、今後の展開がますます気になるエピソードでした。凌霄(リン・シアオ)と清広(セイコウ)真人の再会は、伏陰(フクイン)をめぐる物語に新たな局面をもたらしました。師の犠牲を伴う決断を前に、凌霄(リン・シアオ)の苦悩は深く、護心鱗(ごしんりん)の破壊が雁回(イエンフイ)にどう影響するのか、非常に気がかりです。

一方、青丘(チンチウ)では、陸慕生(リク・ムーシェン)と雲曦(ウンギ)の悲恋が胸を締め付けました。塵意(ジンイ)の慈悲深い対応は救いでしたが、陸慕生(リク・ムーシェン)の余生は、深い悲しみを背負ったものとなるでしょう。そして、天耀(ティエンヤオ)の体の探索、鳳千朔(オオトリ・チサト)の青丘(チンチウ)への忠誠、燭離(ショクリ)の不器用ながらも一途な恋心など、それぞれの物語が動き出しています。特に、燭離(ショクリ)の告白シーンは、彼の真剣さが伝わってきて、応援したくなりました。

雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)の関係も、大きな進展がありました。婚書に込められた天耀(ティエンヤオ)の想いを知り、雁回(イエンフイ)もまた、彼への想いを確かなものにしたようです。共に旅に出る決意をした二人の姿は、微笑ましく、今後の冒険が楽しみです。しかし、蒲芳(プーファン)の兮風(シーフォン)への想いは、一筋縄ではいかない様子。凌霏(リン・フェイ)の登場により、波乱の予感が漂います。

つづく