雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を失った悲しみから投河自尽。凌霄(リン・シアオ)や辰星山の弟子たちは深く悲しみ、特に子辰(ズチェン)は凌霏(リン・フェイ)を責めた。凌霏(リン・フェイ)が殞星台(いんせいたい)の殺陣を起動させたことが天耀(ティエンヤオ)の死、そして雁回(イエンフイ)の自死に繋がったと考えたからだ。子辰(ズチェン)は凌霄(リン・シアオ)に訴え、雁回(イエンフイ)の無念を晴らすよう求めた。

凌霄(リン・シアオ)自身も雁回(イエンフイ)の死に責任を感じており、子辰(ズチェン)の訴えを受け、凌霏(リン・フェイ)を罰することに決めた。しかし、戒律堂の長老である凌霏(リン・フェイ)は、雁回(イエンフイ)への処罰は職務の範囲内だと主張し、凌霄(リン・シアオ)に仮抗した。激怒した凌霄(リン・シアオ)は凌霏(リン・フェイ)の辰星門玉玦を砕き、長老の地位を剝奪。杖刑五十回の後に鎖妖塔へ幽閉し、二度と出られないようにした。

凌霏(リン・フェイ)は抵抗を試みるも、凌霄(リン・シアオ)は彼女が黒気に操られていると確信し、さらに攻撃を強めた。凌霄(リン・シアオ)が凌霏(リン・フェイ)にとどめを刺そうとしたその時、素影(スーイン)が現れ、凌霄(リン・シアオ)を止めた。凌霏(リン・フェイ)は実は素影(スーイン)の妹・素娥(ソガ)であり、かつて素影(スーイン)の命を救ったことがあったのだ。姉妹の情から素影(スーイン)は見過ごすことができず、凌霄(リン・シアオ)も一旦手を引いた。

雁回(イエンフイ)の死を悼む凌霄(リン・シアオ)は、彼女を辰星山に連れてきて修行を教え、励ました日々を思い出していた。雁回(イエンフイ)を追放したのは更なる修行のためだったが、天耀(ティエンヤオ)との恋は予想外だった。師の命令で雁回(イエンフイ)の護心鱗(ごしんりん)を壊したのは、伏陰(フクイン)に利用されるのを防ぐためだった。それでも、雁回(イエンフイ)の死は大きな後悔として残った。

一方、伏陰(フクイン)は計画が順調に進み、再び天下を手に入れられると確信していた。凌霄(リン・シアオ)は手可摘星辰(てかさぐせいしん)の異変に気づき、駆けつける。伏陰(フクイン)はもう隠すことなく、清広(セイコウ)真人は既に空っぽの抜け殻で、黒気に乗っ取られていることを明かした。十年前、清広(セイコウ)真人は雁回(イエンフイ)の護心鱗(ごしんりん)に封印を施したことで力を失い、伏陰(フクイン)に徐々に侵食されたのだ。凌霄(リン・シアオ)は騙されていたことに気づき、伏陰(フクイン)の識海で清広(セイコウ)真人に化けた伏陰(フクイン)から護心鱗(ごしんりん)を壊すよう指示されていたことを知り、更に深く後悔した。

伏陰(フクイン)は黒気で封印を破ろうとするが、素影(スーイン)が張った結界により失敗。凌霄(リン・シアオ)は封印を強化するも、手可摘星辰(てかさぐせいしん)が長くは持たないと悟り、対策を考えなければならなかった。

一方、黒河の底で黒気に救われた雁回(イエンフイ)は、護心鱗(ごしんりん)の力を再び取り戻し、幽冥賦の修行を開始。急速に力を増す雁回(イエンフイ)に、伏陰(フクイン)は彼女が生きている、そして幽冥賦を習得した可能性に気づき、脅威を感じ始める。

素影(スーイン)の妹・素娥(ソガ)は傷を癒し力を回復させるため、密かに広寒門(こうかんもん)の弟子を生贄に捧げていた。素影(スーイン)はこのことを知っていたが、命の恩人である妹を見捨てることができなかった。

幽冥賦を習得した雁回(イエンフイ)は三重山へ向かい、斬天陣で抜け殻となった天耀(ティエンヤオ)を見つける。しかし、どんなに呼びかけても天耀(ティエンヤオ)は目覚めず、再び消えてしまう。残されたのは、天耀(ティエンヤオ)の龍の卵だった。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)復活の望みを託し、青丘(チンチウ)の大国主・塵意(ジンイ)に助けを求める。塵意(ジンイ)は卵にまだ生気が残っており、七日以内に天耀(ティエンヤオ)の霊識を集めれば復活の可能性があると告げた。

天耀(ティエンヤオ)が最後に現れた殞星台(いんせいたい)へ急ぐ雁回(イエンフイ)。子辰(ズチェン)は弟子たちに雁回(イエンフイ)を止めさせず、雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)の龍識を集めることに成功。卵は温かくなり、光を放ち始めた。駆けつけた凌霄(リン・シアオ)は雁回(イエンフイ)の黒気に気づき、霜華術を使おうとするが、雁回(イエンフイ)に誤解される。雁回(イエンフイ)は今はただ天耀(ティエンヤオ)を救うことだけを考え、青丘(チンチウ)へ戻るため、誰とも争うつもりはなかった。今の雁回(イエンフイ)の力では、誰も彼女を止めることはできなかった。

第32話の感想

第32話は、まさに怒涛の展開でした。雁回(イエンフイ)の自死という衝撃的な幕開けから、凌霄(リン・シアオ)と凌霏(リン・フェイ)の対立、素影(スーイン)の登場、そして伏陰(フクイン)の真の目的の暴露と、息つく暇もないほど次々と出来事が起こり、感情が揺さぶられっぱなしでした。

特に印象的だったのは、凌霄(リン・シアオ)の苦悩です。愛弟子である雁回(イエンフイ)の死、そして自身が伏陰(フクイン)に騙されていたという事実に、深い後悔と自責の念に苛まれる姿は見ていて辛かったです。雁回(イエンフイ)を辰星山に連れてきたのも、護心鱗(ごしんりん)を壊したのも、全ては伏陰(フクイン)の策略だったと知り、彼の無念さを思うと胸が締め付けられます。

一方、雁回は悲しみの淵から這い上がり、天耀(ティエンヤオ)復活のために奔走します。失意の中にも、愛する人を救いたいという強い意誌を持ち続ける彼女の姿は、まさに健気で、応援せずにはいられません。幽冥賦を習得し、力強く天耀(ティエンヤオ)の龍識を集めるシーンは、彼女の決意が画面越しにも伝わってきました。

伏陰(フクイン)の冷酷さと狡猾さも際立っていました。清広(セイコウ)真人に成りすまし、凌霄(リン・シアオ)を操っていたとは、まさに驚くべき策略です。彼の目的が天下掌握であることが明らかになり、今後の展開がますます気になります。

つづく