雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)の龍の卵を青丘(チンチウ)に持ち帰り、塵意(ジンイ)は検査の後、天耀(ティエンヤオ)の散らばった龍識がほぼ全て集まっていることに喜びました。塵意(ジンイ)によると、天耀(ティエンヤオ)には時間が必要だが、復活は可能とのこと。しかし、具体的な時間は不明です。雁回(イエンフイ)はこの知らせに興奮し、天耀(ティエンヤオ)の復活のためにはどんな犠牲も払う覚悟を決めます。

幻小煙(ゲン・シャオエン)と燭離(ショクリ)も青丘(チンチウ)を訪れ、雁回(イエンフイ)と会いました。姉が玄門に迫害されて亡くなったこと、そして今回の天耀(ティエンヤオ)の事件もあり、燭離(ショクリ)は父である塵意(ジンイ)に玄門への報復を強く促します。しかし、塵意(ジンイ)は両界の民の安全を危惧し、軽挙妄動は避けたいと考えています。玄門への憎しみを募らせる雁回(イエンフイ)は、自分はもはや玄妖両界に属さず、天耀(ティエンヤオ)が復活したら、彼らを傷つけた者たちに一人ずつ復讐すると宣言します。

一方、凌霄(リン・シアオ)は伏陰(フクイン)を再び封印することに成功しますが、その代償として自身の体に黒気が影響を及ぼします。異変を感じた凌霄(リン・シアオ)は、殒星台殺陣のもう一つの鍵を子辰(ズチェン)に託し、自分に何かあった場合は直ちに殺陣を起動するように指示します。子辰(ズチェン)は辛いながらも師の命令に従います。凌霄(リン・シアオ)は修行によって体内の黒気を抑え込み、子辰(ズチェン)や他の弟子たちは少し安堵します。

伏陰(フクイン)の封印が解けるのも時間の問題だと悟った凌霄(リン・シアオ)は、一人で青丘(チンチウ)を訪れ助けを求めます。塵意(ジンイ)と一人を救うか蒼生を救うかの選択について議論し、自身の過ちを認めます。そして、青丘(チンチウ)と辰星山が協力して伏陰(フクイン)に対抗することを提案します。塵意(ジンイ)は協力に同意し、雁回(イエンフイ)が幽冥賦を習得し黒気の主人となり、黒気に支配されることはなく、伏陰(フクイン)に対抗する力になり得ると告げます。

凌霄(リン・シアオ)は、伏陰(フクイン)が清広(セイコウ)の体を乗っ取り強力な兵力を手に入れ、封印を破った場合の壊滅的な結果を懸念します。天耀(ティエンヤオ)を目覚めさせることができるか塵意(ジンイ)に尋ねると、雁回(イエンフイ)が既に天耀(ティエンヤオ)の龍識を集めたこと、そして目覚めの時期は天意次第だと聞かされます。雁回(イエンフイ)は龍の卵を大切に守り、片時も離れません。その後、弦歌(ゲンカ)と鳳千朔(オオトリ・チサト)が見舞いに訪れ、鳳千朔(オオトリ・チサト)は雁回(イエンフイ)に龍の卵を優しく叩いて語りかけることを勧めます。すると龍の卵に異変が起こり、雁回(イエンフイ)は思わず龍の卵を殺そうとしてしまいますが、天耀(ティエンヤオ)の龍の角が殻を突き破ったことで思い留まります。

雁回(イエンフイ)は龍の卵を抱いて一夜を過ごし、翌朝、卵が天耀(ティエンヤオ)の姿に戻っているのを発見します。しかし、天耀(ティエンヤオ)は生まれたばかりの赤ん坊のように記憶がなく、雁回(イエンフイ)の黒気を見て火を噴き攻撃してきたため、雁回(イエンフイ)は避けざるを得ませんでした。知らせを聞いた皆が駆けつけ、塵意(ジンイ)が天耀(ティエンヤオ)に定神呪を貼って落ち著かせます。塵意(ジンイ)は、龍火と黒気が相克するため天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)を敵と見なしていると説明し、人間界で様々な経験を積ませることで関係が改善するかもしれないとアドバイスします。そして、雁回(イエンフイ)の世話がしやすいようにと定神呪を渡します。

凌霄(リン・シアオ)は見舞いに訪れ謝罪しますが、雁回(イエンフイ)は依然として彼を許そうとはしません。その後、定神呪が解けた天耀(ティエンヤオ)が突然姿を消し、雁回(イエンフイ)はひどく動揺しますが、凌霄(リン・シアオ)は天耀(ティエンヤオ)の霊力は限られているため遠くへは行っていないだろうと慰めます。皆で天耀(ティエンヤオ)を探し始め、幻小煙(ゲン・シャオエン)と燭離(ショクリ)は天耀(ティエンヤオ)と雁回(イエンフイ)の縁の不思議さに感慨深く、燭離(ショクリ)はこの機会に幻小煙(ゲン・シャオエン)に愛を告白します。一方、弦歌(ゲンカ)は妊娠していることが分かり、鳳千朔(オオトリ・チサト)は喜びのあまり、天耀(ティエンヤオ)を探すことを一時忘れてしまいます。

森の中で陸慕生(リク・ムーシェン)と出会った雁回(イエンフイ)は、彼と愛について語り合います。陸慕生(リク・ムーシェン)は天耀(ティエンヤオ)が安心できる場所で探すようにアドバイスし、雁回(イエンフイ)は青丘(チンチウ)王宮の氷泉を思い出し、そこで震えている天耀(ティエンヤオ)を見つけます。

第33話の感想

第33話は、まさに怒涛の展開でした。天耀(ティエンヤオ)の復活、そして記憶喪失。喜びと不安が入り混じる雁回(イエンフイ)の心情が痛いほど伝わってきました。特に、復活した天耀(ティエンヤオ)が雁回(イエンフイ)の黒気を見て攻撃してしまうシーンは、二人の今後の関係性を闇示しているようで、切なくなりました。記憶のない天耀(ティエンヤオ)はまるで赤ん坊のようで、守ってあげたいという母性本能をくすぐられます。

一方、凌霄(リン・シアオ)は自らの過ちを認め、青丘(チンチウ)との協力を求めます。しかし、雁回(イエンフイ)からの許しは得られず、二人の間の溝は深いままだと感じました。凌霄(リン・シアオ)の苦悩も理解できますが、雁回(イエンフイ)の立場からすれば、簡単に許せるはずがありません。二人の関係修復への道のりは、まだまだ険しいようです。

また、燭離(ショクリ)の幻小煙(ゲン・シャオエン)への告白、弦歌(ゲンカ)の妊娠など、他のキャラクターたちの展開も盛りだくさんでした。特に、弦歌(ゲンカ)の妊娠は、物語に新たな希望をもたらす明るいニュースです。シリアスな展開が続く中で、ホッと一息つけることができました。

つづく