天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)の献身的な世話を受け入れ始めました。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)との触れ合いで体内の黒気が龍気と仮発し傷を負いますが、天耀(ティエンヤオ)の記憶を取り戻すため、その苦痛に耐え続けました。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)の意識に入り、広大な世界に感嘆し、かつての天耀(ティエンヤオ)の強さを称えました。天耀(ティエンヤオ)は「指日可待」と呟き、雁回(イエンフイ)を喜ばせました。
意識から戻った雁回(イエンフイ)は、簡単な言葉で天耀(ティエンヤオ)とコミュニケーションを取り始めました。最初は雁回(イエンフイ)の言葉を真価るだけでしたが、徐々に自分と雁回(イエンフイ)の違いを認識し始めます。雁回(イエンフイ)は喜び勇んで塵意(ジンイ)に報告に行きますが、塵意(ジンイ)は天耀(ティエンヤオ)がまだ模倣しているだけだと冷静に判断しました。そこへ祝離(シュクリ)と鳳千朔(オオトリ・チサト)も到著。祝離(シュクリ)は幻族の女王との結婚を、鳳千朔(オオトリ・チサト)は父になることを報告し、天耀(ティエンヤオ)の回復と合わせてお祝いムードに包まれました。鳳千朔(オオトリ・チサト)の提案で、一行は青丘(チンチウ)の忘語楼(ぼうごろう)へ向かいます。
忘語楼(ぼうごろう)で、幻小煙(ゲン・シャオエン)は装飾品に興味を持ち、鳳千朔(オオトリ・チサト)はそれが故郷の永州(えいしゅう)から持ち込んだものだと説明しました。故郷について尋ねる天耀(ティエンヤオ)に、雁回(イエンフイ)は「どこにいても想う場所」だと教え、天耀(ティエンヤオ)の故郷は龍穀と銅鑼村だと伝え、いつか連れて行くことを約束しました。天耀(ティエンヤオ)は少し寂しげでしたが、雁回(イエンフイ)は優しく慰め、翌日出発することを約束します。祝いの席で弦歌(ゲンカ)が振る舞った秘蔵の酒を、天耀(ティエンヤオ)は美味しそうに飲み始めます。皆で杯を交わし、祝離(シュクリ)は愛する人と生涯を共に、鳳千朔(オオトリ・チサト)は母子ともに健康で、雁回(イエンフイ)は毎年こんな風に過ごせるようにと願いました。天耀(ティエンヤオ)は酒を飲み続け、雁回(イエンフイ)が心配しますが、弦歌(ゲンカ)は酔わない酒だと説明しました。
一方、塵意(ジンイ)と凌霄(リン・シアオ)は碁を打ち、引き分けに終わりました。塵意(ジンイ)は妻の死後、久しぶりに良い勝負ができたと喜び、玄妖両族の協力について話し合います。誠意の証として、塵意(ジンイ)は修理した羅針盤を凌霄(リン・シアオ)に返しました。それはかつて雪凛(セツリン)が黒気を抑えるために使った辰星山の宝でした。言不惑(ゲンフワク)はこの光景を記録しようと躍起になり、凌霄(リン・シアオ)は呆れますが、塵意(ジンイ)は記録を許可しました。
夜、弦歌(ゲンカ)は幻小煙(ゲン・シャオエン)と雁回(イエンフイ)に子育て体験をさせ、その隙に祝離(シュクリ)と鳳千朔(オオトリ・チサト)は天耀(ティエンヤオ)に過去の行いを仮省させました。天耀(ティエンヤオ)は深く仮省し、雁回(イエンフイ)に謝罪します。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)の記憶が戻るのは時間の問題だと信じていました。翌朝、雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)は銅鑼村へ出発。凌霄(リン・シアオ)は見送りに来て果物を渡そうとしますが、雁回(イエンフイ)は受け取りません。凌霄(リン・シアオ)は気にせず二人を密かに護衛しますが、雁回(イエンフイ)はそれを快く思いません。
その頃、素影(スーイン)は素娥(ソガ)を捕らえました。素娥(ソガ)は仮省の色を見せず、自分の行いを正当化し、広寒門(こうかんもん)の弟子は妖怪と同じだと主張します。さらに、素影(スーイン)を助けるために識海を失ったことを盾に許しを請いますが、素影(スーイン)は天耀(ティエンヤオ)と雁回(イエンフイ)に対抗できるのは自分だけだと考え、素娥(ソガ)を黒気の主の道具にすることを拒否。苦渋の末、素娥(ソガ)を手にかけました。
雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に辰星山の静明心法を教えようとしますが、無意識に幽冥賦の功法へと移行してしまいます。凌霄(リン・シアオ)はそれを見抜きながらも黙っていました。天耀(ティエンヤオ)は凌霄(リン・シアオ)が雁回(イエンフイ)の師匠だったことを知り、殒星台で雁回(イエンフイ)が鞭打たれる記憶が蘇り、怒りに駆られて凌霄(リン・シアオ)を問い詰めようとしますが、雁回(イエンフイ)が止め、事なきを得ました。
第34話の感想
第34話は、天耀(ティエンヤオ)の記憶が徐々に回復していく兆しが見られ、希望に満ちた展開でした。雁回(イエンフイ)の献身的な介護と、天耀(ティエンヤオ)自身の努力が実を結びつつある様子に胸が熱くなります。特に、簡単な言葉ではあるものの、天耀(ティエンヤオ)が自分の意思でコミュニケーションを取ろうとする姿は大きな進歩と言えるでしょう。しかし、完全な回復にはまだ時間がかかりそうで、今後の展開が気になります。
一方、祝離(シュクリ)と幻小煙(ゲン・シャオエン)の結婚、鳳千朔(オオトリ・チサト)の父親になるという朗報も重なり、喜びに満ちた雰囲気も印象的でした。忘語楼(ぼうごろう)での祝いの席は、登場人物たちの温かい絆を感じさせ、見ているこちらも幸せな気持ちになりました。特に、故郷の話で少し寂しそうな表情を見せた天耀(ティエンヤオ)を、雁回が優しく慰めるシーンは感動的でした。
しかし、明るい出来事ばかりではなく、素影(スーイン)が素娥(ソガ)を殺害する場面は衝撃的でした。素娥(ソガ)の歪んだ愛情と、素影(スーイン)の苦悩が複雑に絡み合い、悲しい結末を迎えてしまいました。今後の素影(スーイン)の動向にも注目していく必要がありそうです。
つづく