雁回(イエンフイ)は記憶を失った天耀(ティエンヤオ)と共に銅鑼村へ戻り、記憶を取り戻す手助けをしようとしました。村に著くと、村人たちの奇異な視線を感じます。特に、蕭奶奶(ショウおばあちゃん)の家を貸そうとしていた隣のおばさんは、慌てて看板を下ろし、二人に媚びへつらいました。雁回(イエンフイ)は気に留めず、天耀(ティエンヤオ)に以前住んでいた場所を案内し、少しずつ天耀(ティエンヤオ)の記憶は蘇り始めます。
その時、雁回(イエンフイ)は隣の村に黒い気が立ち込めているのに気づき、危険を感じて天耀(ティエンヤオ)を家に残し、一人で調査に向かいます。道中、何かを探している栖雲真人(セイウンシンジン)に出会い、蛇妖の阿茶(アーチャー)が言っていた「阿雲(アウン)」ではないかと尋ねますが、栖雲真人(セイウンシンジン)は阿茶(アーチャー)のことも、その言葉の意味も全く知りません。雁回(イエンフイ)は仕方なく、栖雲真人(セイウンシンジン)を銅鑼村へ連れて帰ります。
天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)がなかなか戻らないので探しに出かけ、ちょうど雁回(イエンフイ)を探しに来た凌霄(リン・シアオ)と出会います。天耀(ティエンヤオ)の記憶の中では、凌霄(リン・シアオ)は雁回(イエンフイ)を殞星台(いんせいたい)で鞭打った人物。雁回(イエンフイ)のために仕返しをしようとしますが、凌霄(リン・シアオ)の霊力には遠く及びません。凌霄(リン・シアオ)はこの機会に天耀(ティエンヤオ)に静明心法を教え、雁回(イエンフイ)が教えた方法の間違いを正します。戻ってきた雁回(イエンフイ)はこれを見て、最初は止めようとしますが、凌霄(リン・シアオ)の指導が天耀(ティエンヤオ)のためになると気づき、静観することにします。
雁回(イエンフイ)が栖雲真人(セイウンシンジン)を連れて戻ると、凌霄(リン・シアオ)は栖雲真人(セイウンシンジン)が清広(セイコウ)真人の霜華術にかかっていることに気づきます。この術は龍火でしか解けませんが、天耀(ティエンヤオ)の今の霊力ではまだ足りません。天耀(ティエンヤオ)の霊力を高めるため、凌霄(リン・シアオ)は川辺で特訓を行います。天耀(ティエンヤオ)は驚異的な悟性を見せ、わずか一日で高いレベルに達します。稽古の中で、天耀(ティエンヤオ)は凌霄(リン・シアオ)を傷つけそうになり、雁回(イエンフイ)は謝罪の気持ちで薬を凌霄(リン・シアオ)に渡します。凌霄(リン・シアオ)はこの機会に、雁回(イエンフイ)が辰星山へ連れて行かれた理由、そして殞星台(いんせいたい)で彼女を鞭打った理由を説明します。全ては伏陰(フクイン)の陰謀だったのです。真相を知った雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)への敵意を和らげますが、完全に許すことはできないと言います。
その頃、伏陰(フクイン)が再び動き出し、黒い気に影響された村人たちが妖怪化し、他の村人たちを襲い始めます。凌霄(リン・シアオ)、雁回(イエンフイ)、天耀(ティエンヤオ)は協力して立ち向かいます。凌霄(リン・シアオ)は霜華術で、天耀(ティエンヤオ)は龍火で黒い気を払いのけ、雁回(イエンフイ)は自分が黒い気を吸収できることに気づき、体内に吸い込みます。こうして、災難は収束します。しかし、雁回(イエンフイ)の体から黒い気を見た村人たちは彼女を妖怪だと勘違いし、凌霄(リン・シアオ)に処置を求めます。凌霄(リン・シアオ)は雁回(イエンフイ)を庇い、雁回(イエンフイ)を妖怪とみなすなら自分も妖怪の師、辰星山の弟子たちも皆妖怪であり、辰星山はもはや村を守らないと警告します。凌霄(リン・シアオ)の断固とした態度に、村人たちは何も言えなくなります。
この事件を通して、雁回(イエンフイ)と凌霄(リン・シアオ)の理解は深まり、天耀(ティエンヤオ)の霊力も大きく向上しました。
第35話の感想
第35話は、記憶喪失の天耀(ティエンヤオ)が雁回(イエンフイ)と共に故郷の銅鑼村に戻り、少しずつ記憶を取り戻していく様子が描かれていました。隣のおばさんの過剰な仮応には少し笑ってしまいましたが、村人たちの視線に戸惑う天耀(ティエンヤオ)の姿は、記憶を失った彼の不安を表していて切なくなりました。
そして、再び登場した栖雲真人(セイウンシンジン)。阿茶(アーチャー)との関係や「阿雲(アウン)」の意味など、謎が深まるばかりです。彼女が今後物語にどう関わってくるのか、非常に気になります。
一方、凌霄(リン・シアオ)との関係にも変化がありました。誤解が解け、雁回(イエンフイ)は凌霄(リン・シアオ)への憎しみを和らげますが、完全に許すことはできないと告げます。二人の間に流れる微妙な空気、そして天耀(ティエンヤオ)の存在が、今後の三角関係を闇示しているようで目が離せません。
特訓を通して天耀(ティエンヤオ)の霊力が急成長するシーンは、見ていて爽快でした。彼の才能と努力、そして凌霄(リン・シアオ)の指導力の高さを感じさせます。しかし、その強大な力は時に危険も伴います。凌霄(リン・シアオ)を傷つけそうになった場面は、今後の展開への不安も感じさせました。
つづく