雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)の体探しに付き合うのをやめた。天耀(ティエンヤオ)は昨晩の約束は酔った勢いだったと諦めるしかなかった。それでも体の復活には雁回(イエンフイ)の助け、特に彼女の心頭血が必要だったため、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)に付きまとい、彼女の心を動かそうと試みる。
雁回(イエンフイ)はどこへ行っても天耀(ティエンヤオ)が現れるので苛立ちを隠せない。夜、雁回(イエンフイ)が焼いた魚を天耀(ティエンヤオ)が現れた途端、怒って捨ててしまう。天耀(ティエンヤオ)は気にせず傍らに座る。満月の夜、天耀(ティエンヤオ)は激しい痛みを覚え、雁回(イエンフイ)は逃げるチャンスと考えたが、千年霊龍である天耀(ティエンヤオ)がそう簡単に死ぬとは思えなかった。
天耀(ティエンヤオ)は護心鱗(ごしんりん)の気で雁回(イエンフイ)の位置を感知できたが、痛みのせいで感知できなくなり、彷徨ううちに木妖・烏錦(ウジン)に目をつけられる。人間の姿でも龍骨を持つ天耀(ティエンヤオ)は妖怪にとってご馳走だった。烏錦(ウジン)は手下・奢比尸(シャヒシ)に天耀(ティエンヤオ)を捕らえるよう命じる。天耀(ティエンヤオ)は激痛に耐えながら戦うも、奢比尸(シャヒシ)の猛攻に押され、絶体絶命の瞬間、雁回(イエンフイ)が現れ天耀(ティエンヤオ)を救う。雁回(イエンフイ)は奢比尸(シャヒシ)を退けるも、負傷した天耀(ティエンヤオ)を連れてその場から逃走する。
川辺に隠れた天耀(ティエンヤオ)は、なぜ戻ってきたのかと雁回(イエンフイ)に問う。雁回(イエンフイ)は「良心」だと答えたが、本当は護心鱗(ごしんりん)を通して天耀(ティエンヤオ)の危機を感じ取っていたのだ。すぐに烏錦(ウジン)と奢比尸(シャヒシ)が追いつき、天耀(ティエンヤオ)は雁回(イエンフイ)に息を止めるよう言うが、間に合わず、そのまま水中に引きずり込まれる。水中で天耀(ティエンヤオ)は気を失い、雁回(イエンフイ)は自分の血で天耀(ティエンヤオ)を蘇生させる。天耀(ティエンヤオ)は息を吹き返し、酸欠で倒れた雁回(イエンフイ)に口移しで呼吸をさせる。雁回(イエンフイ)が目を覚ますと、天耀(ティエンヤオ)は慌てて誤解を解き、早く逃げるよう促す。二人は烏錦(ウジン)と奢比尸(シャヒシ)がいなくなってから水面に上がる。
道中、雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)に何かされたのかと尋ねるが、天耀(ティエンヤオ)は話を逸らし、安全な場所へ急ぐよう促す。再び烏錦(ウジン)と奢比尸(シャヒシ)に遭遇し、激しい戦いの末、二人は協力して奢比尸(シャヒシ)を倒し、烏錦(ウジン)の正体が無息木(むそくぼく)だと知る。
宿屋で休む雁回(イエンフイ)は術が使えないことに悩む。天耀(ティエンヤオ)はそれが護心鱗(ごしんりん)のせいだと説明する。雁回(イエンフイ)は辰星山で凌霜(リョウソウ)と戦った時の力も護心鱗(ごしんりん)によるものだと気づく。自衛のため、雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)と主従契約を結ぶことを提案するが、天耀(ティエンヤオ)は拒否する。しかし、広寒門(こうかんもん)の捜索を逃れるには妖精と主従契約を結ぶ必要があり、天耀(ティエンヤオ)は渋々承諾する。雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を「福を呼ぶ錦鯉の妖」と偽って門番をごまかす。
一方、素影(スーイン)は陸慕生(リク・ムーシェン)の記憶を取り戻させようと、かつて共に暮らした場所へ連れて行くが、陸慕生(リク・ムーシェン)には記憶がない。素影(スーイン)は二人の出会いと恋物語を語るが、陸慕生(リク・ムーシェン)は作り話だと決めつけ、妻と共に解放してくれるよう懇願する。素影(スーイン)は一時的に要求を受け入れる。
天耀(ティエンヤオ)をおびき寄せ、護心鱗(ごしんりん)を手に入れるため、素影(スーイン)は天耀(ティエンヤオ)の龍角を永州(えいしゅう)城門に掲げる。永州(えいしゅう)に著いた雁回(イエンフイ)は天耀(ティエンヤオ)を落ち著かせ、ある提案をする。護心鱗(ごしんりん)を天耀(ティエンヤオ)に返せば彼の力は増し、自分の負担も減る。しかし、護心鱗(ごしんりん)を失えば雁回(イエンフイ)は死ぬ。解決策は七絶堂(しちぜつどう)にあるかもしれないが、十万金が必要で、雁回(イエンフイ)の手持ちでは到底足りない。
第4話感想
第4話は、雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)の関係性が大きく変化する重要な回でした。当初は天耀(ティエンヤオ)に付きまとわれることを嫌がっていた雁回ですが、危険な状況で天耀(ティエンヤオ)を助け、ついには口移しで呼吸をさせるまでに至ります。このシーンは、二人の距離が一気に縮まったことを象徴する名場面と言えるでしょう。また、水中で気を失った天耀(ティエンヤオ)を自分の血で蘇生させる雁回の行動からも、彼女の中に芽生え始めた天耀(ティエンヤオ)への想いが感じられます。
天耀(ティエンヤオ)の方も、雁回の優しさに触れ、徐々に心を開いていく様子が描かれています。特に、雁回が提案した主従契約を最初は拒否しながらも、最終的には受け入れるシーンは、天耀(ティエンヤオ)の雁回への信頼の表れと言えるでしょう。福を呼ぶ錦鯉の妖という設定も面白く、二人のコミカルなやり取りに思わず笑みがこぼれました。
一方で、物語の緊張感を高める要素として、木妖・烏錦(ウジン)と奢比尸(シャヒシ)の登場、そして素影(スーイン)の闇躍があります。烏錦(ウジン)と奢比尸(シャヒシ)との戦闘シーンは迫力満点で、雁回と天耀(ティエンヤオ)の共闘も見応えがありました。素影(スーイン)は陸慕生(リク・ムーシェン)の記憶を操作しようと試みますが、失敗に終わります。彼女の執念深さが今後の展開にどう影響していくのか、非常に気になるところです。
つづく