あらすじ
第10話は、林之校と顧魏が部屋探しをきっかけに巻き起こる様々な出来事を描いています。林之校は朝早くからバイオリンの練習をする予定でしたが、顧魏からの突然の電話で邪魔されてしまい、一緒に部屋を見に行くことになってしまいます。あまり乗り気ではなかった林之校ですが、顧魏に付き合って何軒もの物件を見学します。しかし、顧魏はどれも気に入らず、林之校はすっかり機嫌を損ねてしまいます。実は、顧魏はわざと難癖をつけていたのです。林之校に少しでも休んでほしい、バイオリンの練習時間を減らして体を労ってほしいという思いからでした。
結局、林之校の説得により、二人は予算オーバーの物件を借りることに。林之校は不動産屋に嘘をついて家賃を値切ることにも成功します。その後、林之校の友人、蕭珊は二人の関係に興味津々。林之校には内緒で、顧魏からの誘いを断ってしまう場面も。林之校と顧魏の間には、少しずつ微妙な変化が生まれていきます。
せっかく決めた部屋が他の人に借りられてしまった時は、林之校はひどく落胆しますが、そんな彼女を慰めるように、顧魏は火鍋に誘います。二人の距離は、この出来事をきっかけにさらに縮まっていくのでした。
ネタバレ
林之校は朝練の予定だったが、顧魏からの電話で起こされる。彼は急用で先に部屋を見に行きたいと言い、寝起きで不機嫌な彼女も仕方なく準備をして出かける。顧魏は之校の好物の朝食を用意し、一緒に十数件もの物件を回るが、どれも気に入らない様子。之校は苛立ちを募らせる。彼女は不動産屋顔負けの物件知識で、次第に我慢の限界に。ついに怒って帰ってしまった。顧魏は追いかけて、わざと難癖をつけていたことを白状する。之校に過度な練習を控え、しっかり休んでほしいというのが彼の真意だった。之校はコンクールに向けて遅れを取り戻したい一心で、練習に全てを捧げたいと訴える。しかし顧魏は、医者の指示に従わなければ、将来二度とチェロが弾けなくなるかもしれないと忠告する。
顧魏に部屋を借りてもらおうと、之校は最後の物件に彼を連れて行き、懸命に説得する。彼女の熱意に押され、顧魏は承諾するが、家賃は之校の予算オーバー。之校は顧魏を待たせ、不動産屋と二人きりになると、彼を婚約者だと偽り値引き交渉に成功する。喜ぶ之校は、顧魏のメールアドレスに契約書を送ってもらうよう手配する。
一件落著し、之校は友人蕭珊と会う。顧魏が之校を送ってきたのを見て、蕭珊は二人の関係を詮索し始める。顧魏に好意があると睨んだ蕭珊は、翌日契約のために会おうという彼のメールに、之校の携帯から断りの返信と絵文字を送ってしまう。メッセージを見た顧魏は驚き、之校が不動産屋に言った言葉を思い出し戸惑うが、改めて之校に電話すると、彼女は快諾。蕭珊は不満げだ。
その夜、杜医師は一人でニヤニヤしている顧魏を見て、いつもと違う様子に気づく。之校も顧魏との関係に思いを巡らせ、恥ずかしさと共に考えすぎではないかと不安になり、眠れない夜を過ごす。バーで会った蕭珊と顧肖は、顧魏の恋愛経験について話す。蕭珊の質問攻勢で、顧魏が恋愛初心者でずっと独身だと知る顧肖は、蕭珊が兄に気があるのではと勘違いし牽製するが、蕭珊はただの友達の頼みだと説明する。
翌朝、之校は顧魏からのメッセージに動揺し、父親の林建國は娘に好きな人ができたのではないかと感づく。之校は返信しながら、顧魏との間に漂う微妙な雰囲気を感じる。一方、出かけようとしていた顧魏は母親に呼び止められる。実は高浠 が賃貸契約書を見つけ、家族に話してしまったのだ。顧魏は仕方なく家に戻り、之校に遅れると連絡し、気を付けるように伝える。しかし、之校が長時間待っても顧魏は現れず、部屋は他の人に借りられてしまう。之校はひどく後悔する。
父親から軽率な行動を戒められるも、顧魏は一人暮らしの必要性を主張する。父親の仮対を押し切り、不動産屋へ急ぐと、そこには不安そうに待つ之校の姿があった。顧魏は部屋がなくなってもまた探せばいいと慰め、火鍋屋に連れて行く。食事中、顧魏は食材について健康面から講釈を垂れ、之校の食欲を減退させる。之校は顧魏に目をつぶらさせて“動物の内臓”を食べさせ、彼女の機嫌も少し直る。
第10話の感想
第10話は、林之校と顧魏の関係が進展していく中で、二人の性格や価値観の違いが浮き彫りになるエピソードでした。林之校はコンクールを控え、練習に集中したい焦燥感から、顧魏の優しさや配慮を素直に受け取ることができず、つい感情的になってしまいます。一方、顧魏は医師として、そして之校を大切に思う気持ちから、彼女の健康を第一に考えて行動しますが、それが之校の仮発を招いてしまう場面も。
特に印象的だったのは、部屋探しをめぐる一連の出来事です。顧魏の優しさの裏にある真意を理解できない之校は、彼に苛立ちをぶつけてしまいます。しかし、顧魏が自分のために動いてくれていたことを知った時、之校の表情は安堵と感謝に変わりました。このシーンは、二人の間の誤解やズレが、少しずつ解消されていく過程を繊細に描いていると感じました。
また、蕭珊の存在も二人の関係を大きく揺さぶります。彼女の軽はずみな行動が、之校と顧魏の間に新たな波紋を呼び起こす一方で、二人の関係を深めるきっかけにもなっている点が興味深かったです。顧魏の不器用ながらも誠実な対応や、之校の戸惑いながらも顧魏への想いを自覚していく様子が丁寧に描かれており、今後の展開がますます楽しみになりました。
つづく