あらすじ
第五話は、病院内外で起こる様々な出来事を描き、医師と患者家族の複雑な関係性を浮き彫りにしています。ある患者の家族は、手術のリスクに動揺し、感情的になって顧魏医師に暴力を振るってしまいます。幸い、林之校看護師が間一髪で助けに入り、事なきを得ました。その後、顧魏は林之校の傷の手当てをし、彼女を独特な方法で落ち着かせます。この出来事をきっかけに、二人の間にはより深い信頼関係が芽生えます。林之校は顧魏を母校である華清大学の音楽ホールに連れて行き、無音で演奏することで自身の成長の物語を伝え、顧魏の心を癒します。林建國の複雑な病状を前に、顧魏は心理的な壁を乗り越え、執刀医となることを決意します。一方、林建國は手術のリスクを心配し、気持ちが揺れ動き、治療を諦めようとする場面も見られます。このエピソードは、繊細な感情描写を通して、医療従事者の責任感と人と人との温かい繋がりを描いています。
ネタバレ
ある日、患者の家族が病院で暴れ、医者である顧魏にまで暴力を振るう事件が発生しました。林之校は咄嗟に顧魏を庇い、額から出血する怪我を負ってしまいます。落ち著きを取り戻した顧魏は、すぐに林之校の傷の手当てを始めました。そして、彼女の緊張を和らげるため、ゴム手袋で可愛らしいひよこの人形を作ってあげます。縫合中、林之校は顧魏の美しい瞳に見惚れ、思わずその美しさを口にしてしまいます。
手当ての後、林之校はひよこの人形を忘れたことに気づき、取りに戻ると、一人佇む顧魏の少し震える手を見て、心に何かが動きました。彼女は顧魏をある場所に連れて行くことを提案します。夜、二人は林之校の母校である華清大学へ。音楽ホールに窓から侵入しようとしますが、なんと鍵が開いており、そのまま中に入ることができました。林之校はステージに立ち、顧魏のために無言の演奏を披露します。そして、音楽との出会い、困難を乗り越え、前向きになった自身の経験を語ります。
二人が音楽に浸っている時、大学の警備員が物音に気づき駆けつけてきます。林之校は顧魏の手を取り、急いで逃げ出します。その後、林之校は念願の楽団への入団が決まり、その喜びを顧魏に伝えます。しかし、顧魏が手を洗う様子に異変を感じ、彼が潔癖症であることを知ります。こうして、二人はさらに理解を深めていきます。
翌朝、顧魏は亡くなった同僚、梁周の妻を訪ね、師母から理解と励ましの言葉をもらいます。温かい気持ちになった顧魏は、林建國の手術を引き受ける決意を固めます。そして、林之校にその決断と手術のリスク、起こりうる状況について詳しく説明します。
林建國は、顧魏と林之校の会話を偶然耳にしてしまい、迫りくる手術への恐怖に襲われます。夜中、家族のことが心配で目を覚まし、妻と娘が無事に戻るのを見て安心するのも束の間、不安から怒りをぶつけてしまいます。タバコで気を紛らわせようとするも、妻の仮対を思い出し、思いとどまります。顧魏から勇気をもらったものの、生死への恐怖は拭いきれません。
一方、顧魏は家族に促され、夕食のため帰宅します。林建國はこの機会に病院を抜け出そうと、置き手紙とキャッシュカードを残し、一人で全てに立ち向かおうとします。
第5話 感想
第5話は、林之校と顧魏の関係性が大きく進展する、心温まるエピソードでした。患者の家族による暴力沙汰という緊迫した状況の中、林之校はとっさに顧魏を庇い、自らが怪我を負ってしまいます。この出来事が、二人の距離を縮めるきっかけとなりました。顧魏が林之校の傷を手当てするシーンは、医療ドラマらしい緊迫感と、二人の間に芽生え始めた特別な感情が繊細に描かれており、見ているこちらも胸が締め付けられました。特に、ゴム手袋で作ったひよこの人形は、顧魏の不器用ながらも優しい人柄が表れていて、とても印象的でした。
林之校の母校でのシーンも感動的でした。闇闇に包まれた音楽ホールで、林之校が顧魏のためだけに演奏する姿は美しく、彼女の音楽への情熱、そして顧魏への想いがひしひしと伝わってきました。警備員に見つかり、慌てて逃げる二人の姿はコミカルで、緊張感漂う病院でのシーンとは対照的に、青春の甘酸っぱさを彷彿とさせます。
顧魏の潔癖症や、亡くなった同僚の妻への訪問など、彼の繊細な一面や過去も描かれ、人間味あふれるキャラクターとして、より深く理解することができました。林建國の手術への恐怖や葛藤もリアルに描かれており、今後の展開がますます気になります。
つづく