あらすじ
第10話では、異人世界の複雑さと登場人物たちの複雑な関係性が描かれています。崔螢に説得され、甯嵐は結縁司に加入します。一方、衛起は父親から異人の特殊な能力について聞かされます。異人と親しくしないようにと約束しますが、心の中では疑問を抱えたままです。
周縁は行方不明だった裴因を見つけ、自分が他人の能力を吸収できるという秘密を知ります。これが衛起の嫉妬を引き起こします。周縁は伝説の出雲心法を修練しようとしますが、逆に窮地に陥ってしまいます。その時、衛起が駆けつけ、彼女を危険から救い出します。
しかし、周縁を守るため、衛起は院首の地位を捨てる決意をします。この行動に、周縁は感動すると同時に罪悪感を抱きます。
最後に、甯嵐がうっかり言霊を使ってしまい、周縁が転倒してしまいます。衛起は周縁を心配するあまり、その気持ちが隠しきれません。衛起の問いかけに、周縁は照れくさそうに、そして不安げに答えるのでした。
ネタバレ
甯嵐は崔神医から、異人は能力に選ばれた器に過ぎず、心身が消耗しきるまで利用されると聞かされ、恐怖を抱く。崔螢は契約書を甯嵐に渡し、契約しなければ林府には行かないと告げる。甯嵐は結縁司に入る契約を結ぶ決意をする。
衛起は異人に関する資料を探すが成果がなく、父親に教えを乞う。父親は戸部が結縁司を設立したのは異人を守るためだと明かす一方、異人と深く関わるべきではないと忠告する。衛起は承諾するが、父親が異人を忌み嫌う理由に疑問を抱く。その時、周縁が衛起を訪ねてくる。
周縁は裴因を追って紅線廟へ行き、姿を消した理由を問い詰める。裴因は薛燈の情報を明かしつつ、周縁が薛燈の能力を吸収できたことに疑問を持つ。裴因は周縁と同じ能力を持つ故人を思い出し、嫉妬に駆られた衛起は二人を引き離す。
周平は崔神医を旅に誘い、崔神医は「出雲心法」という古の治療法を紹介する。この心法は人を蘇生させると言われ、青雲書院の蔵書閣に保管され、院首が管理している。しかし、周縁がこの心法を学ぶには、ある障害を乗り越えなければならない。
夜、周縁は密かに蔵書閣に忍び込み、出雲心法を探すが、心魔に囚われてしまう。駆けつけた衛起に、心魔の影響で周縁は倒れかかり、キスをしてしまう。衛起は周縁の情熱を感じつつも、見つかることを恐れる。間もなく捜索が始まり、衛起は周縁を連れて隠れる。
蔵書閣の盗難事件は騒ぎとなり、周平は途方に暮れ、衛起に対策を尋ねる。衛起は直接答えず、全ての権限を放棄し、院首の職を辞すると宣言する。目を覚ました周縁は、このことを知り、衛起を探すが、見つからず、代わりに彼女を嘲笑う李眠と遭遇し、怒って李眠を殴ってしまう。
周縁はついに屋根裏部屋で衛起を見つける。彼女は戸外で衛起と甯嵐の会話を盗み聞きし、衛起が自分のために院首の座を捨てたことを知り、深く感動する。周縁は衛起に自分のために犠牲になってほしくないと考え、督学門に衛起の復職を願い出ようと決意する。焦った甯嵐は言霊を使い、周縁は転倒してしまう。衛起は周縁の怪我を心配し、すぐに駆け寄る。事態の深刻さを悟った甯嵐は急いで立ち去る。
衛起と周縁は顔を合わせ、気まずい雰囲気になる。衛起が昨夜の出来事を持ち出すと、周縁は顔を赤らめ、何か用事があると言い残し、急いでその場を去る。
第10話の感想
第10話は、周縁と衛起の関係性が大きく進展する一方、それぞれの抱える問題がより複雑に絡み合い、今後の展開がますます気になるエピソードでした。
周縁の心魔に囚われたシーンは、彼女の抱える不安や葛藤が視覚的に表現されており、印象的でした。衛起への想いが溢れ出てしまうキスシーンは、二人の関係の転換点となる重要な場面と言えるでしょう。しかし、その後の蔵書閣盗難事件によって、二人の関係は再び試練を迎えます。衛起は周縁を守るため、院首の座を捨てるという大きな決断を下しますが、それが周縁にとって更なる重荷となるという皮肉な結果を生んでしまいます。
一方、甯嵐は異人の真実を知り、恐怖を抱きながらも結縁司との契約を決意します。彼の今後の動向、そして周縁と衛起の関係にどう影響していくのか、注目すべきポイントです。
また、裴因と周縁の過去に何らかの繋がりがあることが示唆され、物語の謎が深まりました。崔神医の登場により、「出雲心法」という新たな要素も加わり、今後の展開への期待が高まります。
つづく