あらすじ

第11話は、周縁しゅうえんが院首の座をかけて青雲書院せいうんしょいんの演武大会に参加するも、身分証明が必要となり窮地に陥る様子を描いています。衛起は、周縁しゅうえんが女扮男装をしている理由を知ると、文試の準備を手伝い、女性として出場するよう励まします。準備を進める中、周縁しゅうえん李眠りみんの父親に誘拐されますが、衛起に救出されます。そして迎えた演武大会。周縁しゅうえんは女装で現れ、青雲書院せいうんしょいんの女子弟子を受け入れない伝統に挑戦することを決意し、自らの勇気と実力を示すのでした。

ネタバレ

周縁しゅうえん青雲書院せいうんしょいんの院首になり、衛起の名誉を取り戻すため、演武大会に申し込んだ。しかし初出場には身分確認が必要で、男装の周縁しゅうえんは窮地に立たされる。衛起は事情を知りつつも、周縁しゅうえんが真実を話さないため、棄権を宣言しようとする。

その時、周縁しゅうえんが生理痛で苦しんでいることを知る。彼女は痛みで動けず、兄・周平しゅうへいの部屋から必要な物を持ってきてくれるよう衛起に頼む。彼女の苦しむ様子を見て、衛起は状況を理解し、優しく周縁しゅうえん周平しゅうへいの部屋へ連れて行く。

事後、周縁しゅうえんは紅糖姜茶を見つけ、衛起が自分の秘密に気づいたと悟る。彼女は弱者に見られたくないため男装していると衛起に告げるが、衛起は女性であることを否定して強くなろうとするのは幼稚だと仮論し、二人は口論になってしまう。

周平しゅうへいは衛起に、周縁しゅうえんが幼い頃から力持ちで賢く勇敢だったが、そのために男子から嘲笑され、仲間外れにされたことを話す。幼い周縁しゅうえんは女性は弱者だと決めつけ、強さを証明するために男装を始めたのだと。衛起は、周縁しゅうえんが女性として真の強さを得られるよう、彼女を支える決意をする。

演武大会で優勝するには武術だけでなく文試も必要だが、周縁しゅうえんにとって文試は難題だった。衛起は周縁しゅうえんに女装することを条件に、勉強を手伝うと申し出る。大会のため、周縁しゅうえんは渋々承諾する。女装した周縁しゅうえんを見て喜ぶ衛起は、彼女に宝剣を贈る。周縁しゅうえんはその剣を気に入り、稽古に励む。

李眠りみん周縁しゅうえんに、父の李勝りしょうが星落剣に細工をしたことを明かし、大会からの棄権を勧める。しかし周縁しゅうえんは諦めず、何が起きても李眠りみんを責めないことを約束する。

衛起は父から、母がかつて青雲書院せいうんしょいんの初代院首になりかけたが、不正を疑われ断念したことを知る。それ以来、書院は女子の入学を禁じていた。衛起はこの不合理な規定に疑問を抱き、周縁しゅうえんを応援することを決める。周縁しゅうえんも、初の女性院首になることを誓う。

稽古の後、周縁しゅうえんは入浴しようとすると、李勝りしょうに襲われ気を失ってしまう。衛起はすぐに周縁しゅうえんを牢獄から救出する。翌日、演武大会当日。李眠りみんが勝ち進み、優勝目前となったその時、女装した周縁しゅうえんが擂台に姿を現し、皆を驚愕させる。

第11話の感想

第11話は、周縁しゅうえんの過去や葛藤、そして彼女を取り巻く人々の想いが交錯する、非常に感動的なエピソードでした。特に、周縁しゅうえんがこれまで男装を続けてきた理由が明かされるシーンは、胸が締め付けられる思いでした。幼い頃から才能に恵まれながらも、女性であるがゆえに嘲笑や排斥を受け、強さを証明するために男装という道を選んだ彼女の苦悩が深く伝わってきました。

衛起の存在も、この物語において重要な役割を果たしています。最初は周縁しゅうえんの秘密に戸惑いながらも、彼女の痛みを理解し、真の強さとは何かを共に考えていく姿は、まさに理想の男性像と言えるでしょう。周縁しゅうえんに女装を勧めるシーンでは、少し強引なようにも見えましたが、それは彼女を心から大切に想っているからこその行動だと感じました。

また、李眠りみんの葛藤も印象的でした。父親の不正を周縁しゅうえんに告げるシーンでは、彼の苦悩がひしひしと伝わってきました。友情と家族の間で揺れ動く彼の心情は、視聴者の共感を呼ぶのではないでしょうか。

つづく