あらすじ

第二話では、周縁しゅうえんが結婚を強要されているという女性を偶然助けたことがきっかけで、思いがけぬ結婚騒動に巻き込まれる様子が描かれています。目を覚ますと、彼女は花嫁衣装を著て新房に座っており、向かいには同じく無理やり結婚させられた衛起の姿がありました。衛起は言霊ことだま術によって操られていましたが、周縁しゅうえんはこの術を利用して逆に衛起を操ることに成功します。二人は数々の滑稽な出来事を経て、最終的に言霊ことだま術の影響から解放されます。目覚めた衛起は初夜の記憶を失っており、一方の周縁しゅうえん月下仙げっかせんの導きにより青雲書院せいうんしょいんへと辿り著き、そこで自分と衛起の間には不思議な縁があることを知ります。さらに周縁しゅうえんは、かつて山賊だった「師兄」の甯嵐ねいらんと出会い、彼を新たな仲間として迎えますが、甯嵐ねいらんは衛起に対して復讐心を抱いているのでした。周縁しゅうえんは衛起を監視する任務を引き受け、衛起は酔った勢いで周縁しゅうえんをあの夜助けてくれた女性だと勘違いします。

ネタバレ

周縁しゅうえんは湖に身を投げようとしていた女性を偶然助ける。女性は家の結婚の押し付けが原因だと語るが、周縁しゅうえんは彼女の整頓された部屋を見て自殺するとは思えず、不審に思う。しかし、既に罠にはめられており、次に目覚めた時は、喜服を著て新房に座り、手には赤い糸が結ばれていた。程なく、衛起が酔っ払って現れ、逃げようとする周縁しゅうえんだが、身体が勝手に動き、衛起の命令に従ってしまう。

思わず衛起にキスをした途端、意識を取り戻し、催眠術をかけられていたことに気付く。逃げようとするも、衛起に引き止められ、顔が近付いてくる。月下仙げっかせんの「しばらく衛起と離れられない」という言葉が頭をよぎる中、衛起は突然倒れてしまう。月下仙げっかせんの幻が現れ、言霊ことだまによる催眠術だと告げ、相手の唇を噛むことで解けると教えられる。周縁しゅうえんが言うとおりにすると、言霊ことだまは解け、衛起も目を覚ます。

今度は衛起の身体が動かなくなり、周縁しゅうえんの命令に従うようになる。周縁しゅうえんは衛起に湖まで背負って行かせ、昨夜の出来事を忘れさせる。ふらつく衛起は船から湖に落ちてしまう。溺れかけたその時、紅色の服の女性が現れ、彼を助ける。

翌日、衛起は妹の衛晴えいせいから、ちん小姐が晴天狐せいてんこに連れ去られたこと、そして自分が結婚していたことを知らされる。衛起は自分を助けた紅色の服の女性を覚えているものの、花嫁は見つからない。新婚初夜に花嫁が逃げたという噂が広まり、衛起は困惑する。

月下仙げっかせんの指示で青雲書院せいうんしょいん雲上閣うんじょうかくを訪れた周縁しゅうえん月下仙げっかせんは、衛起の銅銭を受け取ったことで縁が結ばれ、衛起の正縁が見つかるまで二人の繋がりは切れないと説明し、周縁しゅうえんを弟子にする。指輪を渡され、驚いたことに“師兄”は、以前自分を気絶させた山賊の甯嵐ねいらんだった。甯嵐ねいらんは山林を旅する者から山賊になった経緯、そして衛起への恨みを語る。彼は衛起が自分の人生を壊したと思っているのだ。

裴因はいいんから衛起を尾行する任務を受けた周縁しゅうえん。泥酔した衛起は紅色の服を著た周縁しゅうえんを見て、自分を助けてくれた女性と思い込み、抱きしめながら尋ねる。

第2話 感想

第2話は、怒涛の展開でまさに目が離せない!という印象でした。偶然の出会いから始まるヒロイン周縁しゅうえんとヒーロー衛起の奇妙な縁、そしてそれにまつわる騒動はコミカルながらも、どこか切ない雰囲気も漂っています。

特に印象的だったのは、周縁しゅうえんが衛起にキスをして催眠が解けるシーン。思いがけないハプニングで、思わず笑ってしまいました。その後の、立場が逆転し、今度は衛起が周縁しゅうえんの命令に従うという展開も面白い。まるでコントのようなやり取りに、二人の今後の関係性がどうなるのか、ますます期待が高まります。

紅色の服の女性、月下仙げっかせん、そして謎めいた師兄・甯嵐ねいらんの登場など、新たなキャラクターも加わり、物語はさらに複雑さを増しています。それぞれの思惑が絡み合い、今後の展開が全く予想できません。特に甯嵐ねいらんの衛起への強い憎しみは、物語に大きな影を落とすことになるのではないでしょうか。

つづく