あらすじ
第22話は、裴因と星垣の過去、そして周縁と衛起の間に起こった出来事を描いています。
裴因は周縁に、星垣との出会い、恋に落ちたこと、そして別れに至るまでの経緯を語り、星垣を連れ出すことができなかった深い後悔を吐露しました。そして、周縁には同じ過ちを繰り返さないよう励ましました。
一方、衛起は怪我を負ってしまいます。周縁はそれに気づき心配しますが、衛起は周縁を安心させようと、痛みを隠そうと努めます。
また、甯嵐の助けにより、林煙は記憶の一部を取り戻しますが、その影響で一時的に精神が不安定な状態に陥ります。林蓬は林煙を道具として利用し、霧隠族を傷つけ、甯嵐から月隕笛を奪い返します。
そして最後に、周縁と衛起は無顔と共に、星落剣の剣塚へと向かいます。迫り来る危機に立ち向かうためです。
ネタバレ
周縁は将来に迷いを抱いていた。そんな時、裴因が現れ、二人は酒を酌み交わしながら語り合った。裴因は星垣との物語を周縁に打ち明けた。それは十数年前、仇に追われた裴因が霧隠桃源に逃げ込み、星垣に助けられたことに始まる。星垣は自らの異能を裴因に分け与え、彼を救った。時が経つにつれ、二人は深く愛し合うようになった。星垣は裴因に異術を教え、寿命を延ばす術も授けた。しかし、ある日裴因は霧隠桃源を去ることを決意し、必ず戻ると約束した。星垣は裴因を信じ、記憶を消すことなく彼を見送った。だが、裴因が戻った時には、霧隠桃源は変わり果てていた。
裴因は星垣を一緒に連れて行かなかったことを後悔していると周縁に語った。星垣は一族のために大きな犠牲を払い、霧隠桃源で永遠の眠りについたという。裴因は自身の後悔を語りつつ、周縁には同じ轍を踏まないよう、もっと自分のことを大切にするようにと諭した。裴因の話を聞いた周縁は深く考え込み、深夜に部屋に戻った。衛起は既に眠っていた。周縁はそっと衛起を抱きしめたが、血の付いた包帯を見つけ、心配になる。衛起は血を見られたくない一心で周縁を止めようとするが、痛みで動けず、周縁に看病される。
二人が抱き合って眠りについた時、外から不思議な笛の音が響き渡り、多くの異人が引き寄せられた。薛燈が間一髪で現れ、惨事を防いだ。薛燈によると、笛の音は月隕笛によるもので、星落剣と共に霧隠桃源の重要な神器であり、今は林蓬の手に渡っているという。林蓬は神器を使って異人たちを操り、破滅へと導こうとしていた。一方、甯嵐は言霊で林煙の記憶の一部を回復させ、霧隠桃源の悲劇の真相を明らかにした。ショックを受けた林煙を甯嵐は一晩中見守っていたが、林煙は突然暴走し、甯嵐を襲おうとした。甯嵐はとっさに身をかわし、周縁を呼んだ。周縁は林煙の異能を吸収し、事態を収拾した。
畢醒月は最近、記憶力の低下と眠気を訴えていたが、異能は健在だった。ある日、彼女は多くの異人が星落剣への生贄にされる夢を見て、目を覚ますとすぐに李眠と共に結縁司へ行き、周縁に相談した。話し合いの結果、李眠の持つ星落剣は偽物である可能性が浮上した。同時に、甯嵐は林煙の兄二人を見つけ、月隕笛のありかを突き止めた。林煙は自分が父に利用され、霧隠桃源を滅ぼした道具にされていたことを知った。林煙に問いただされた林蓬は、霧隠族を憎んでいたのではなく、目的達成のための道具としか見ていなかったと白状し、林煙を押しのけ、甯嵐から月隕笛を奪った。
その夜、再び月隕笛の音が響き渡り、無顔たちが操られる。周縁と衛起は事前に待ち伏せし、無顔の後をつけて星落剣が隠されている剣塚へと向かった。そこで、神器を巡る争いが始まろうとしていた。
第22話の感想
第22話は、様々な伏線が回収され始め、物語が大きく動き出した、非常に重要な回だったと言えるでしょう。特に、裴因と星垣の悲恋は、周縁と衛起の関係に重なり、今後の展開を闇示しているように感じられました。裴因の「もっと自分のことを大切にするように」という忠告は、周縁だけでなく、視聴者にも向けられたメッセージかもしれません。自分にとって本当に大切なものは何か、何を優先すべきなのか、改めて考えさせられるエピソードでした。
また、林煙の過去が明らかになり、彼女が抱えてきた苦悩が浮き彫りになりました。父親に利用され、故郷を滅ぼしたという事実は、あまりにも残酷です。林煙の悲痛な叫びは、視聴者の心に深く突き刺さるものがありました。今後、林煙がどのように立ち直っていくのか、彼女と周縁の関係がどう変化していくのか、注目したいところです。
神器を巡る争いも、いよいよ本格化してきました。月隕笛と星落剣、二つの神器が物語にどう関わってくるのか、そして林蓬の真の目的は何なのか、非常に気になります。周縁と衛起、そして他の異人たちは、林蓬の陰謀を阻止することができるのでしょうか?次回の展開から目が離せません。
つづく