あらすじ
第十四話は、黄歇と羋月の婚礼準備の最中、黄歇が思いがけず太后が自分に定めた婚約相手は羋月ではなく羋茵であったことを知り、激怒する場面から始まります。黄歇の抗議に対し、太后は決定を変えるどころか、彼を軟禁し、羋月との面会を禁じてしまいます。
この事態を知った羋姝は、妹を案じる気持ちと太后への不満から、羋月と黄歇の密会を手配します。二人はそこで打開策を話し合い、羋月は羋姝の陪嫁の媵女となることを決意します。こうして楚国での苦境から逃れる道を選んだのです。同時に、葵姑も同行を申し出て、黄歇に密書を届けます。
太后は当初反対しますが、羋姝の強い意志に押され、羋月を陪嫁とすることを承諾します。また、太后は羋姝に秦国の後宮の複雑な状況を警告し、玳瑁を護衛兼監視役として同行させます。
いよいよ婚礼が近づく中、黄歇は羋茵との結婚を拒否し、婚礼は暗礁に乗り上げてしまいます。
ネタバレ
黄歇は羋月との婚礼の準備に喜びに満ちていたが、秦伯から羋月の生年月日が合わないことを知らされる。問い詰めると、威后が自分に娶らせるのは羋月ではなく、羋茵だと判明し、激怒する。
怒り心頭で威后に詰め寄る黄歇。威后の策略を非難し、結婚は承服できないと訴える。しかし威后は既に事実は変えられないと言い放ち、黄歇を金華台に閉じ込め、羋月との面会を禁じる。
羋姝は、威后が羋月と黄歇の仲を裂こうとしていることを知り、羋月の身を案じるも、威后に逆らうことができず板挟みになる。そこで、羋月に自分の嫁入り道具の書物を整理させるという名目で、二人を会わせる機会を作る。平府で再会した羋月と黄歇は、互いの気持ちを確かめ合う。黄歇は共に死を選ぶことを提案するが、羋月はそれでは敵の思うつぼだと諭し、冷静になるよう促す。
平府で羋姝の嫁入り道具の書物を整理していた羋月は、放置された『孫子兵法』を発見する。それを読み進めるうちに、自分が正式に楚を離れれば、自分と黄歇の窮地を脱し、家族も罰から守れると悟る。そして、羋姝の申し出を受け入れ、媵女として秦に同行することを決意する。
羋月は葵姑に秦行きを告げると、葵姑は小冉と共に付き添うことを申し出る。さらに葵姑は、密書を隠した祝い餅を金華台に送り、「逃之夭夭、偷天換日」と黄歇に闇示する。
羋月が秦行きを承諾したことを知った羋姝は喜ぶ。威后に許可を求めるが、予想外にも強く拒否される。羋姝は不満を露わにし、威后が長年羋月を苛めてきたことを非難する。威后は仕方なく、羋月が“覇星”であるという言い伝えを明かす。羋姝はそれを一笑に付し、羋月を連れて行くことを譲らず、ついに威后は折れる。
威后は密かに秦の状況を探り、羋姝に、秦の後宮で太子を擁する魏琰夫人が権勢を振るっていることを教え、警戒するよう忠告する。さらに、羋姝の世話と羋月への牽製を兼ねて、腹心の玳瑁を同行させる。
婚礼の日が訪れ、羋茵は金華台へ送られるが、黄歇は祝いの間に隠れて出てこない。羋茵は自ら祝いの間へ向かう。
第14話の感想
第14話は、羋月と黄歇の愛の深さと、それを引き裂こうとする威后の冷酷さが際立つエピソードでした。婚礼準備に沸き立つ黄歇の喜びが、羋茵との結婚を知らされた瞬間、怒りと絶望に変わる様は胸が締め付けられます。威后の非情なまでの策略は、二人の愛をさらに強く結びつける結果となりました。
羋姝の優しさも印象的です。板挟みの苦しみながらも、羋月と黄歇を密かに会わせる彼女の行動は、真の友情を感じさせます。しかし、それが今後の波乱を招く種となる可能性も示唆されており、今後の展開が不安になります。
つづく