あらすじ
第18話は、羋月が義渠の地で虐待されていた狼の子を救い出し、自分の陣営に連れ帰って小狼と名付け、世話を焼く様子を描いています。小狼は気性が荒かったものの、羋月とは深い絆で結ばれていきました。しかし、翟驪が羋月の秦国への帰還を許した際、小狼は義渠に残されることになります。
秦国に戻った羋月は家族との再会を果たしますが、黄歇が遭難したという知らせを聞き、深い悲しみに暮れます。黄歇の行方を捜索するも手がかりは見つからず、彼女は黄歇の遺誌を継ぐため、秦国を去ろうと決意します。
しかし張儀の説得により、黄歇の死の真相を究明するため、羋月は羋姝と共に咸陽へ戻ることに同意します。その際、彼女は三つの条件を提示しました。一つは小冉を同行させること、二つ目は大王に仕えないこと、そして三つ目は、もし自分に何かあった場合は、小冉と葵姑の面倒を見てほしいということでした。
ネタバレ
羋月はゲルを出て、義渠の人々が汚れた服を著た狼のような子供をいじめているのを見かけました。羋月は、その子が弟の小冉と同じくらいの年頃であることに心を痛め、近づいて助けてあげようとしました。そして、かんざしを羊の持ち主に渡し、子供を買い取りました。
羋月は子供をゲルに連れ帰り、「小狼」と名付け、大切に育てました。小狼は荒っぽい性格で言葉を理解できませんでしたが、羋月にはとても懐いていました。二人は深い絆で結ばれました。翟驪は熟慮の末、大局を鑑みて張儀との交渉に応じ、羋月を秦に帰すことに同意しましたが、小狼は義渠に残されました。
羋月は小冉と葵姑に再会し、喜びのあまり涙を流しました。羋姝に会い、黄歇が崖から落ちたことを伝え、捜索を依頼しました。しかし、羋姝は既に捜索隊を送ったものの、崖下で見つかったのは黄歇の破れた衣服だけだったと告げます。付近には狼が出没し、死体を食べるという噂もあり、羋姝は最悪の事態を覚悟していました。羋月は動揺し、自ら現場を確認したいと申し出ました。羋姝はそれを許可し、護衛を付けました。
羋月は崖下で黄歇の姿を探しましたが、見つかりませんでした。焦燥感に駆られる中、偶然にもかつて黄歇に贈った香囊を見つけました。香囊を開けると、中に入れた自分の髪があり、悲しみに打ちひしがれ、涙が止まりませんでした。
羋月は香囊を埋葬し、黄歇の死を悟りました。そして、葵姑と小冉と共に、黄歇の代わりに諸国を旅する夢を葉えるため、すぐに旅立つことを決意しました。荷造りを終え、馬車が用意された時、張儀が羋月を訪ね、羋姝と共に咸陽へ行くよう説得しました。羋月は宮廷での生活に未練はなく、張儀の提案を聞き入れませんでした。
諦めない張儀は、老いた葵姑と幼い小冉を連れての旅の困難さを指摘し、さらに黄歇を殺害した真犯人は別にいると告げ、復讐を促しました。羋月は義渠の人々が犯人だと考えていたので、張儀の言葉に疑問を抱きました。張儀は、羋姝と黄歇を襲ったのは義渠の人々だが、事前に情報を漏らした者がいるはずだと続け、その人物は秦の後宮にいる可能性が高いと推測しました。羋月はハッと気づき、真犯人を突き止めるため、羋姝と共に咸陽へ行くことを承諾しました。
羋月は羋姝に咸陽へ行く意思を伝えました。羋姝は大喜びしましたが、羋月は三つの条件を提示しました。一つは小冉を連れて行くこと、二つは王に仕えないこと、三つ目は自分に何かあった場合は小冉と葵姑の面倒を見てくれること。羋姝は全ての条件を受け入れました。
第18話の感想
第18話は、羋月にとって大きな転換点となるエピソードでした。愛する人の死、再会、そして新たな決意。目まぐるしく変化する状況の中で、彼女の揺れ動く心情が丁寧に描かれており、深く共感させられました。
特に印象的なのは、黄歇の死を悟ったシーンです。崖下で見つけた香囊、そして中から出てきた自身の髪。愛する人の死を確信した瞬間の彼女の絶望は、見ているこちらまで胸が締め付けられるようでした。黄歇の死を受け入れ、彼の夢であった諸国漫遊を代わりに葉えようとする彼女の決意は、悲しみの中にも力強さを感じさせます。
しかし、張儀の登場により、物語は再び大きく動き出します。黄歇の死の真相、そして黒幕の存在。張儀の言葉によって、羋月は復讐という新たな目的を胸に、咸陽へと向かう決意を固めます。宮廷での生活に未練はないと言いながらも、真実を突き止め、愛する人の仇を討つため、再び権力闘争の渦中に身を投じる彼女の覚悟に、今後の展開への期待が高まります。
つづく