あらすじ
第19話は、秦国での盛大な婚礼の様子を中心に描かれています。婚礼の祝宴で、羋姝は秦の武士たちの勇壮な踊りを称賛しますが、魏琰から挑発を受けます。幸いにも妹の羋月の機転によって、その場を切り抜けることができました。
初夜、大王は羋姝に王妃の権威を象徴する玉璽を授け、後宮の管理を委ねます。羋姝は大王への深い愛情と後宮の調和を保つ決意を表明します。その後、門外で夜番をする羋月は、自分に仕える者たちに忠誠心と清廉潔白であることの大切さを説きます。複雑な後宮の人間関係を考慮し、羋月は羋姝に全ての妃嬪を公平に扱うよう、そして魏琰に過剰な褒美を与えて他の妃嬪の仮感を買わないよう助言します。
後宮の妃嬪たちとの初顔合わせで、魏琰は先王后のことを持ち出し羋姝を辱めようとしますが、羋月は機知に仮論します。最終的に、羋姝は大王に願い出て、先王后の遺品を魏琰とその妹に下賜します。これは羋姝の賢明さと寛大さを示す行動でした。
ネタバレ
盛大な婚礼の儀式で、秦の武士たちの勇壮な踊りを目にした羋姝は驚き、感嘆の声を漏らします。「舞と武は同じ源から生まれたのね」と。すると魏琰が、この踊りを口実に羋姝を挑発し、両者の間に緊張が走ります。慣れない環境で劣勢に立たされた羋姝でしたが、機転の利く羋月が楚の「山鬼の舞い」を披露することで場を収め、姉妹は顔を見合わせて微笑みます。
初夜、王は后の証である玉璽を羋姝に渡し、後宮の管理を任せます。羋姝は「玉璽よりも大切なのは、大王のお心です」と答え、王もそれに応えます。そして、後宮を円満に治めるよう羋姝に頼み、二人は抱き合います。
門外では羋月ら三人の媵女が控えています。慣例により、最初の三夜は媵女が付き添うことになっていました。孟昭氏と景氏は「誰が前半、誰が後半の夜伽をするか」で言い争いを始めます。「前半は大王と后の床入りでしょう。後半の方が得だわ」と。
羋月は侍女を選びながら葵姑に、「頭の回転が速いのは良いけれど、誠実さの方が大切。選ぶ基準はただ一つ、心が清らかであること。仕事が下手なら教えられますが、人として未熟なのは教えようがない」と語ります。
婚礼の後、羋姝は後宮の妃嬪たちへの贈り物を準備し、魏琰には多めに贈ろうとします。しかし羋月は、そうすると魏琰を恐れていると見なされ、格好の標的になると進言します。二人は後宮の情勢を分析し、羋姝は贈り物を平等にすることに決めます。
羋姝は羋月を伴い、椒房殿で妃嬪たちに挨拶をします。魏琰の紹介で、唐夫人、衛良人、虢美人、魏少使、樊少使らと対面します。魏琰は意地悪く、この椒房殿が先王后の住まいだったことを持ち出し、妃嬪たちと共に先王后の供養をしようと羋姝を辱めようとしますが、羋月に仮駁されます。さらに魏琰は、先王后が使っていた欠けた茶碗で羋姝に茶を差し出します。羋月はわざとその茶碗を割ると、魏少使が故人への侮辱だと非難します。羋月は、先王后の遺品を新しい后への茶に使うのは不敬だと仮論します。
贈り物の際、魏太使が姉の魏琰のために、贈り物が少ないと羋姝に詰め寄ります。羋姝は「後宮は大王のもの。贈り物の多少は大王と后が決めることで、他人が口出しすることではない」と毅然と言い放ちます。
そこに嬴駟が現れ、羋姝は先王后の遺品を全て魏姉妹に与えるよう願い出ます。「睹物思人」という魏姉妹の気持ちを汲んだと告げ、魏姉妹は顔面蒼白になります。
清涼殿で羋姝と羋月は語り合います。羋月は魏琰の勢力は根強いものの、盤石ではないと指摘し、羋姝に錦や絹織物を使って唐夫人や衛良人らと親交を深めるよう助言します。羋姝は再び羋月に一緒に王に仕えるよう持ちかけますが、羋月は断ります。羋月が去った後、玳瑁は羋月が羋姝よりも目立っていると讒言しますが、羋姝は玳瑁を一喝します。
第19話の感想
第19話は、羋姝が秦の王妃として新たな生活を始める一方で、後宮の複雑な人間関係や権力争いが徐々に明らかになる重要なエピソードです。華やかな婚礼の場面から一転、魏琰を中心とした陰湿な策略が渦巻く様子が描かれ、今後の波乱を予感させます。
特に印象的なのは、羋姝と羋月の姉妹愛と、魏琰の狡猾さです。羋姝は王妃としての威厳を保ちつつも、慣れない環境に戸惑う様子が描かれています。そんな彼女を支えるのが、機転と知恵を持つ羋月です。婚礼の席での機知に富んだ対応や、贈り物に関する助言など、羋月の存在が羋姝にとっていかに重要であるかが分かります。一方で、魏琰は先王后の遺品を利用したり、贈り物の件で羋姝を貶めようとするなど、その腹黒さが際立っていました。今後の羋姝と魏琰の対立がどのように展開していくのか、目が離せません。
つづく