あらすじ
第二話は、楚の宮廷で羋月がどのように成長していくかを描いています。再び寵愛を得て懐妊した向氏は、楚威王との絆を深めていきます。同時に、羋月と父王の情愛も日増しに強くなっていきます。しかし、この様子は王后の嫉妬を買い、王后は娘の羋姝を使って王の寵愛を奪おうと画策しますが、失敗に終わります。羋月と羋姝は友情を育みますが、それがかえって王后の羋月への憎しみを深める結果となります。
向氏は王子を出産しますが、王后の策略によって陥れられ、宮廷を追放されてしまいます。数年後、活発で自由奔放な性格に成長した羋月は、黄歇と出会い、深い友情で結ばれます。母の本当の境遇を知った羋月は、楚威王に事の真相を伝え、ついに楚威王は向氏を見つけ出し、魏甲は処刑されます。
ネタバレ
羋月の機転で、向氏は再び楚威王の寵愛を取り戻す。羋月もよく父王に会いに行き、二人の絆は深まっていった。
斉、魏、越の三国が楚に攻め入ろうと画策する。激怒した楚威王は自ら出陣を決意。折しも向氏が再び懐妊したため、威王はこれを吉兆と喜び、向氏を大切に扱った。王妃は王が羋月を可愛がっているのを知り、向氏が娘のおかげで寵愛を得ていると考えた。そこで自分も娘の羋姝を連れて王の気を引こうとする。羋月が威王と殿内にいるところに王妃と羋姝が現れる。羋月は王に可愛がられているが、羋姝は王を恐れて近づこうとしない。そこで羋月は羋姝と一緒に遊ぼうと提案し、王はそれを許した。
羋月と羋姝はすぐに仲良くなり、殿の外で遊ぶ。羋月は羋姝に「来而不往非礼也」を教え、互いに挨拶を交わす。しかし、王妃はこれを生意気で礼儀を知らない行為だとみなし、羋月を叱ろうとするが、王に止められる。王妃は恨みを募らせた。
楚威王が出陣する前日、向氏は男児を出産する。威王は大喜びで、名を戎と名付け、向氏を妃に封じた。威王が出陣した後、後宮の管理は王妃に任された。王妃は再び悪巧みを企て、侍女に命じて王から向氏に贈られた衣装に薬を塗る。向氏の首に発疹ができると、王妃は向氏が恐ろしい病にかかったと言いふらし、宮廷から追い出してしまう。
目を覚ました向氏は、薄闇く汚い小屋の中にいた。そこは宮廷ではなく、身の回りの侍女もいない。そこにいたのは、魏甲と名乗る、髪も服もボロボロのならず者だった。魏甲はここが自分の住処だと告げ、向氏に乱暴を働こうとする。抵抗もむなしく、向氏は屈辱の涙を流すしかなかった…。
それから三年。羋月は美しく成長したが、お姫様らしい振る舞いとは無縁だった。両親の躾けもなく、自由奔放に育った羋月はある日、台所で菓子を盗もうとして、祭祀の供え物を受け取りに来た黄歇と出会う。菓子を盗んだ羋月を料理人が追いかけるが、黄歇が料理人の足をひっかけて転ばせてくれたおかげで、羋月は逃げることができた。
こうして羋月と黄歇は知り合う。羋月は「弱いものいじめは許せない」という黄歇の男気に感謝し、黄歇は羋月が鞭に袋をつけるという機転の良さに感心する。二人は親友となり、黄歇の紹介で羋月は彼の師である屈原に師事することになる。
羋月と黄歇は庭園で投壺遊びをしている人々を見つけ、参加する。しかし、他の姫君たちは羋月と一緒に遊びたがらず、羋月が勝っても認めようとしない。羋月は鞭を使って石を斉の公主の娘に投げつけ、公主は怒る。そこに羋姝が現れ、羋月をかばう。
羋月は母親のいない寂しさを嘆き、毎日母親を恋しがっていた。葵姑は羋月を哀れに思い、宮廷の外にある向氏の住処へ連れて行く。そこでは向氏は魏甲の子を産み、長年虐待に耐えていた。羋月には何もしてあげることができず、葵姑と共にその場を後にするしかなかった。
徐州の戦いで大勝利を収めた楚威王は、ついに帰還する。王妃から向氏が病で亡くなったと聞かされた威王は悲しみに暮れる。一人で酒を飲んでいたところに羋月と再会する。羋月から母親が生きていることを聞かされた威王は、すぐに捜索を命じる。兵士たちは魏甲の住処を見つけ、魏甲を殺し、向氏を宮廷に連れ戻した。
第2話 感想
第二話は、波乱万丈な展開で、羋月の人生における最初の試練が描かれています。まだ幼い羋月ですが、その中で見せる賢さや機転、そして母親への深い愛情が印象的でした。
特に、遊びを通して羋姝とすぐに仲良くなる場面は、羋月の天真爛漫さと社交性の高さを示しています。一方で、王妃の策略によって母・向氏が宮廷から追放されるという悲劇は、羋月の幼い心に大きな影を落とすことになります。
向氏が魏甲という男に虐待されるという残酷な描写は、見ていて胸が痛みました。当時の女性の弱さ、そして権力闘争の残酷さを改めて感じさせられます。それでも、向氏は生き延び、再会を果たすという希望も描かれており、今後の展開に期待を持たせてくれます。
つづく