あらすじ
第二十話は、後宮の争いと主要人物たちの動向を中心に展開します。
魏琰と魏少使は、先王后の遺品が自分たちの宮に返送されたことに憤慨し、他の妃嬪たちと結託して対策を練ろうとしますが、唐夫人の妥協、樊少使の言い逃れ、衛良人の冷静な判断など、様々な反応に直面します。
一方、羋姝は穆監を通じて、唐夫人が後宮で低い地位にある理由を知り、実は嬴夫人が大王の信頼を得ていることを知ります。また、嬴夫人と男寵の庸芮との親密な様子からは、特殊な後宮の関係が垣間見えます。
そして、記憶を失った黄歇の生活、羋月と羋姝が嬴駟に符節のことを報告する場面、樗里子がこの件に疑念を抱く様子も描かれています。
最後に、羋月は符節を複製して真相を探ろうとしますが、虢美人の密告によって窮地に陥ります。しかし、穆監が機転を利かせて証拠を隠滅したため、大事には至りませんでした。
この話は、後宮の複雑な人間関係を浮き彫りにするとともに、今後の展開への伏線を張っています。
ネタバレ
先王后の遺品が魏琰と魏少使の元に返され、二人は激怒。他の側室を集め、対抗策を練る。虢美人は「あんな風に私たちを侮辱するなんて、許せない!誰が後宮の主か思い知らせてやらねば」と煽り、他の側室も同調する。魏琰は唐夫人、衛良人、樊少使にも意見を求めるが、唐夫人は諦めた様子で、樊少使は「お腹の子のことで体が辛いので、夫人がどうされるかお任せします」と曖昧に返事をする。一方、衛良人は「後宮は大王のもの。採配を振るうのは大王だけです」と冷静に述べる。
羋姝は穆監に褒美を与え、なぜ唐夫人が後宮を取り仕切れないのか尋ねる。穆監は、唐夫人は太子時代から仕えているものの寵愛を受けておらず、大王が本当に頼りにしているのは嬴夫人だと教える。「長姐如母」という言葉通り、姉弟の仲は非常に深いという。羋姝は嬴夫人を訪ねるべきか尋ねるが、穆監は嬴夫人は静かに暮らすのを好むので、止めておいた方が良いと答える。
嬴夫人のもとへ庸芮が訪ねてくる。嬴夫人は大喜びで迎える。実は庸芮は嬴夫人の寵愛を受けている男だった。嬴夫人は庸芮に梨を食べさせ、「梨を贈っても、あなたとは離れられない。あなたがいるだけで私は幸せなの」と想いを伝える。
崖から落ちた黄歇は水に落ち、養蜂の夫婦に助けられる。目を覚ました黄歇は記憶を失っており、老夫婦から秦で助けられたと聞き、自分は秦人だと勘違いする。自分が誰なのかも全く思い出せない。
羋月は衛良人から、後宮の側室たちは通行証として銅の符節を持っていることを知る。義渠人に襲われた時に同じものを見たことを思い出し、羋姝と共に嬴駟に報告する。樗裏疾は公孫衍と魏琰が義渠王と繋がっているのではないかと疑い、嬴駟は事を荒立てないようにと命じる。
羋月は泥で符節を作り、真犯人を突き止めようとする。虢美人は羋姝に、誰かがこっそり符節を作っていると密告し、車裂きの刑に処すべきだと訴える。羋姝は計略を知らず、虢美人と共に現場へ向かうが、そこは羋月の蕙院だった。羋月は符節を作りながら、義渠王の符節に「魏」の字が刻まれていたことを思い出す。虢美人が到著する寸前、穆監が羋月の作った符節を全て水に落として壊してしまう。羋姝は逆に虢美人を一ヶ月間の謹慎処分にする。
つづく