あらすじ
第三十四話は、羋月が黄歇の生存を知り、彼を捜し求める様子を描いています。彼女は女医の摯から黄歇の状況を聞き、宮殿を出て彼を探す決意をします。
一方、張儀は庸芮に黄歇の本当の身分を明かし、庸芮を驚かせます。黄歇は羋月の妊娠を知り咸陽を去ろうとしますが、謎めいた宮女の説得により留まることを決めます。
その後、黄歇は子供を通して「故人」から四方館で会う約束を伝えられ、羋月だと推測します。同じ頃、羋月も四方館へ行くよう示唆する竹簡を受け取り、秦王の許可を得て宮殿を出ます。
実はこれは、孟昭氏が羋月を陥れるために仕掛けた罠でした。彼女は秦王に羋月と黄歇の密会を告げ口しようとしますが、証拠がないため失敗に終わります。
そしてついに、羋月と黄歇は四方館で再会を果たし、互いの積年の想いを語り合います。
ネタバレ
羋月は、見知らぬ宮女から黄歇が生きていること、そして女医・摯が詳細を知っていることを聞き、摯を呼び出して尋問した。摯は事実を語ったが、手紙を焼却したことを羋月に責められた。摯は言い訳をしたものの、羋月は納得せず、黄歇を探しに宮外へ出ようとする。
一方、張儀は庸芮を訪ね、庸芮の家に滞在している公子欠が楚の才子・黄歇であることを告げる。庸芮は驚きを隠せない。
黄歇は摯から、羋月が秦王の子を身ごもっていることを聞き、咸陽を去ろうとする。出発間際、見知らぬ宮女が黄歇を訪ね、咸陽から去らないよう伝える。事情が分からず困惑する黄歇に、宮女は羋月が真実を知っていることを闇示する。黄歇は咸陽に残ることを決意する。翌日、酒場で食事をしていると、子供から15日の未の刻に四方館で待つようにという伝言が届く。黄歇は羋月からの伝言だと確信し、喜びに胸を膨らませる。
羋月は子歇に会うため、秦王に外出の許可を求める。秦王は15日の外出を許可する。休憩中の羋月の元に、見知らぬ宮女が四方館の竹籤を届ける。竹籤には15匹の子羊の絵が描かれていた。羋月はこれが15日未の刻に四方館へ行くようにとの闇示だと理解し、約束の場所へ向かう決意をする。
実は、宮女を使って黄歇と羋月にそれぞれ伝言を送ったのは孟昭氏の策略だった。玳瑁は孟昭氏の企みを全て見抜いていたが、自ら関わることなく静観していた。羋姝もまた、この件を知りながら知らぬふりをしていた。
計画が順調に進んでいると考えた孟昭氏は、15日、羋月を密かに監視する。羋月が宮外へ出たことを確認すると、すぐに秦王に報告するため大殿へ向かう。秦王は臣下と共に国事について話し合っている最中だった。孟昭氏は慌てて割って入り、羋月が黄歇と密会するために宮外へ出たことを告げる。秦王は証拠を出すよう求めるが、孟昭氏は何も示すことができない。王族たちは孟昭氏の言いがかりだと非難し、孟昭氏はすごすごと引き下がる。
羋月は四方館に到著し、ついに黄歇と再会を果たす。黄歇は崖から落ちた後の出来事を語り、羋月もまた、積もる思いを伝える。二人は互いの気持ちを打ち明け、喜びを分かち合う。
第34話の感想
第34話は、羋月と黄歇の切ない再会が描かれ、胸を締め付けられるような感動的なエピソードでした。長い間、死んだと思っていた恋人と再会する喜び、そして互いを思い続ける深い愛情が画面越しにも伝わってきて、思わず涙ぐんでしまいました。
特に印象的だったのは、四方館での再会のシーンです。言葉少なながらも、二人の表情や仕草から、どれほどの喜びと安堵感で満たされているかが伝わってきました。黄歇が崖から落ちた後の出来事を語る場面では、彼の苦難と羋月への変わらぬ愛がひしひしと伝わってきて、胸が痛くなりました。羋月もまた、黄歇への変わらぬ想いを伝え、二人が本当の気持ちを確かめ合うシーンは、この物語の中でも特に美しい場面の一つと言えるでしょう。
つづく