あらすじ
第35話は、黄歇が羋月を咸陽から連れ出そうと計画するも、羋月は生まれてくる子供への心配から躊躇する様子を描いています。黄歇は羋月と子供の安全を守ることを約束し、ついに羋月は出発を決意します。しかし、宮廷を出る準備をしている最中、お腹の子供の胎動を感じ、秦王のことを思い出し、咸陽に残ることを決めます。宮廷の外で待ち続けていた黄歇は、羋月が現れないことを悟り、一人で秦を去ることにします。このことを知った秦王は、黄歇に秦に仕えるよう説得を試みますが、黄歇は故郷に戻り屈原を補佐する決意は固く、秦王もそれ以上引き留めることはしませんでした。そして、二人は酒を酌み交わし、別れを惜しみます。
一方、宮廷に残った羋月は、秦王が戻ってくるまで彼の書簡を整理していました。秦王が戻り、二人は初めて出会った頃のことを語り合い、変わらぬ深い愛情を確認し合います。また、張儀は羋月と黄歇の密会を仕組んだことを否定し、羋月は疑念を抱きます。
ネタバレ
黄歇は咸陽を去ろうとし、羋月にも共に来るよう促した。羋月は腹中の子供を案じ躊躇するが、黄歇は母子ともに一生の安全を保障すると約束し、ついに羋月は承諾した。
玳瑁は侍女から羋月の出奔計画を聞きつけ、羋姝に伝える。羋姝は内心、名残惜しさを感じていた。
葵姑は羋月のために出奔の準備を整えるが、出発間際、羋月は胎動を感じ、秦王のことを思い出し、ついに去ることができなかった。黄歇は宮外で馬車を用意して待ち続けるが、羋月は現れない。黄歇は羋月の最終的な決断を悟り、一人で秦を去ろうとする。
穆監は黄歇を呼び止め、秦王が会いたがっていると伝える。黄歇は秦王に会い、秦に仕えるよう説得されるが、楚に帰り屈原を補佐したいと断る。秦王はそれ以上は求めず、楚王に秦と敵対しないよう伝えることを依頼し、餞別の酒を酌み交わした。
羋月が出奔しなかったことを知り、玳瑁は訝しがり、羋姝は落胆する。
秦王は宮殿に戻り、羋月が自分の書簡を整理しているのを見つける。秦王は羋月に愛情を感じ、二人の出会いを懐かしそうに語り、羋月も感動する。しかし、黄歇との別れを思い出し、複雑な感情に涙を流す。
張儀と偶然出会った羋月は、なぜ四方館で黄歇と会うことになったのかを問いただす。張儀は自分が仕組んだことではないと答え、羋月は疑念を抱く。
秦王は戦の準備のため宮外に滞在し、後宮のことは羋姝に任せる。ちょうどその時、女医の摯が街で暴漢に襲われ、羋姝は付き添いの艾姑姑を羋月の世話に当たらせる。
孟昭氏は庭園で魏琰に会い、魏琰はわざと親しげに話しかける。魏琰は孟昭氏に補血養顔の秘伝の薬があると話し、自分の宮殿に招待する。
玳瑁は羋姝に楚から持ってきた様々な薬が入った百宝箱を渡す。羋姝はその中のある安眠薬を飲み、毎晩ぐっすり眠るようになる。
羋月は艾姑姑が煎じた薬を飲み、夜に激しい腹痛に襲われる。葵姑は艾姑姑を探すが、彼女は行方不明になっている。羋月がもうすぐ出産だと気づいた葵姑は、羋姝の寝宮に助けを求めに行く。玳瑁は羋姝が休んでいると言って取り合わず、葵姑が騒ぎ立てると、縄で縛り付けるよう命じる。
第35話の感想
第35話は、羋月と黄歇の別れ、そして羋月を取り巻く後宮の陰謀が交錯する、波乱に満ちたエピソードでした。黄歇の深い愛情と羋月の揺れる心情が切なく描かれ、二人の別れは視聴者の涙を誘います。特に、黄歇が羋月と子供の安全を約束する場面は、彼の誠実な人柄が表れており、感動的でした。一方、羋月は母としての責任と秦王への想いの間で葛藤し、苦しい決断を迫られます。胎動を感じた瞬間、彼女の表情が変化する描写は、彼女の複雑な心境を雄弁に物語っていました。
しかし、この別れは単なる恋愛劇の終焉ではありません。張儀の不可解な言動や、艾姑姑の突然の失踪など、不穏な出来事が次々と起こり、羋月を狙う陰謀の影が色濃く浮かび上がります。魏琰が孟昭氏に近づく場面や、玳瑁が羋姝に薬を渡す場面は、今後の展開を闇示しており、緊張感が高まります。特に、葵姑が助けを求めても無視されるシーンは、羋月がいかに孤立した状況に置かれているかを痛感させます。
つづく