あらすじ
第三十六話は、羋月が激しい腹痛に襲われ、侍女の香児に女医の摯を呼ぶよう命じる場面から始まります。永巷で香児が大声で助けを求める声が宮中の宦官の耳に入り、ついに秦王のもとにも届きます。
宮殿に戻った秦王は、羋月が早産で苦しんでいるにも関わらず、誰も気に留めていなかったことを知り、激怒します。そして、玳瑁を罰するよう命じました。女医の摯が全力を尽くして治療にあたりますが、太医は母子どちらか一方しか救えないと判断します。しかし、秦王は羋月を救うよう強く指示し、ついに羋月は無事に皇子を出産します。
ところが、薬の残渣を調べたところ、羋月が妊婦に有害な薬草を服用していたことが判明します。秦王は責任者を追及するよう命じ、艾姑が捕らえられます。艾姑は玳瑁に指示されたと自白し、玳瑁は死刑を宣告されます。羋姝は玳瑁のために羋月に助命を嘆願しますが、聞き入れられません。その後、獄中の玳瑁を訪ねると、玳瑁は死の間際まで羋姝に覇星の予言を吹き込みます。
ネタバレ
羋月は激しい腹痛に襲われ、気を失いそうになる。侍女の香児は急いで永巷に女医の摯を呼びに行った。香児の大声は宮中に響き渡り、宦官たちを驚かせた。事の重大さを悟った宦官は、穆監に報告し、最終的に秦王の耳にも入った。
翌日、宮殿に戻った秦王は、羋月が前夜に早産し、羋姝の宮殿の人間が冷淡な対応をしたことを知り、激怒して玳瑁を罰するように命じた。女医の摯は全力を尽くして羋月を治療し、葵姑も側で励ました。しかし、太医は母子のどちらか一方しか救えないと告げた。
秦王が羋月を救うことを決めたその時、羋月は出産中に意識を失った。危険な状況に秦王は産室に押し入ろうとしたが、穆監と羋姝は必死に阻んだ。秦王は中に入れなかったものの、戸の外から必死に羋月の名を呼び続け、ついに羋月は意識を取り戻し、皇子を出産した。秦王は大喜びしたが、羋姝は不安そうな表情を浮かべた。
女医の摯は羋月が以前に服用した薬の残渣を調べ、水蛭が含まれていることを発見した。水蛭は血の巡りを良くする効果があるものの、妊婦には禁忌であった。秦王はこの事実を知り、艾姑の逮捕を命じ、羋姝の職務怠慢を責めた。
羋月は二日後に意識を取り戻し、母子ともに無事だった。捕らえられた艾姑は、玳瑁に指示されたことを白状した。激怒した秦王は、玳瑁を斬首し、見せしめにするよう命じた。
玳瑁が斬首されることを知った羋姝は驚き、慌てて羋月に会いに行き、玳瑁の助命を懇願した。しかし、羋月は悪事を根絶すべきだと主張し、玳瑁の罪は重く、天理にも許されないと、羋姝の願いを拒絶した。羋姝は落胆し、悲しげに去っていった。
羋姝は獄中の玳瑁を訪ねた。玳瑁は羋月母子が無事であることを知り、威后の命を果たせなかったことを嘆き悲しんだ。羋姝は玳瑁の死が近いことを知り、深く悲しんだ。玳瑁は死の間際にも羋姝に覇星の話を吹き込み、気を付けるように言い聞かせた。
秦王は羋月と皇子を訪ね、子供に稷と名付けた。羋月は秦王の前で羋姝を庇い、怒りを向けぬよう頼み、秦王はそれを受け入れた。
第36話の感想
第36話は、息詰まる展開と登場人物たちの複雑な感情が交錯する、非常にドラマチックなエピソードでした。羋月への毒による早産、秦王の怒り、そして玳瑁の処刑と、息つく暇もない出来事が次々と起こり、視聴者を物語に引き込みます。
特に印象的なのは、出産シーンでの秦王の必死の叫びです。産室に入れずとも、戸の外から羋月の名前を叫び続ける姿は、彼の羋月への深い愛情を物語っています。このシーンは、二人の絆の強さを改めて感じさせ、感動的でした。
つづく