あらすじ

珍珠ちんじゅ元児げんじから和氏璧かしのへきの匣の情報を聞きつけ、羋姝びしゅに伝えました。一方、羋月ミーユエは書物を読み解き、匣を開ける方法を見つけ出します。そして、匣を開け玉璧を取り出そうとしたその時、羋月ミーユエは匣に仕掛けられていた毒針に刺され、意識を失ってしまうのです。

この知らせを受けた秦王しんおうは、すぐに太医に羋月ミーユエの治療を命じ、事件の徹底的な調査を指示しました。すると魏琰ぎえん秦王しんおうに対し、羋姝びしゅ和氏璧かしのへきの毒針事件に関与している可能性を示唆し、羋姝びしゅへの疑念を抱かせます。秦王しんおうは椒房殿を封鎖し、羋姝びしゅを幽閉しました。

同時に、諸国による連合攻撃の可能性を考慮し、秦王しんおうは国内の軍事準備を強化していきます。

そしてついに、獄中の中行期ちゅうこうきが、和氏璧かしのへき張儀ちょうぎから手に入れたものだと自白します。この言葉は、事件の背後に、より大きな陰謀が隠されていることを闇示していました。

ネタバレ

珍珠ちんじゅ元児げんじから和氏璧かしのへきの匣の情報を得て、羋姝びしゅに匣の上の神獣は開明獣だと教える。羋姝びしゅは喜びつつも、少し後ろめたさを感じる。

羋月ミーユエは書物を読み続け匣の秘密を探る。そこへ秦王しんおうが訪れ、もし羋姝びしゅが先に仕掛けを解いたらどう思うかと尋ねる。羋月ミーユエは、多くの書物を読み知識を得たことが既に大きな収穫だと答える。

羋姝びしゅは腕利きの職人を呼び寄せ匣を開けようとするが、失敗に終わる。珍珠ちんじゅ元児げんじ羋月ミーユエの動向を探らせる。

羋月ミーユエは「山海経」を読み進め、「南」という手がかりを見つける。匣を調べると小さな穴があり、かんざしで回すと開明獣が動き、匣が開く。しかし、玉に触れようとした瞬間、毒針に刺され倒れてしまう。窓の外で様子を見ていた元児げんじは、玉を盗もうとするが同じく毒針に刺され絶命する。

羋月ミーユエは毒で生死の境を彷徨い、秦王しんおうは太医に全力で治療させようとする。羋姝びしゅは自分が玉に触れて毒に侵されたのではないかと不安になり、持参の薬箱から解毒薬をこっそり飲む。

孟昭氏もうしょうし秦王しんおう和氏璧かしのへきの件を調査していると知り、魏琰ぎえんに助けを求める。魏琰ぎえんは、しばらくの間外出せず、誰にもこの件を話さないようにと指示する。

女医・摯は、和氏璧かしのへきの蛇毒は解毒が非常に難しいと診断し、秦王しんおうは激怒。穆監ぼくかん庸芮ようえいに事件の調査を命じる。すぐに容疑者の中行期ちゅうこうき範賈はんかが捕まる。

秦王しんおうは、各国が兵を集め、秦への連合攻撃を企てていることを知る。秦国内では兵糧を集め、兵の募集を強化し、司馬錯しばさく嬴華えいかに軍の訓練と武器の製造を命じる。

魏琰ぎえん秦王しんおうに謁見し、和氏璧かしのへきに毒を盛ったのは宮中の人間だと告げ、羋姝びしゅを犯人に仕立て上げようとする。さらに、羋姝びしゅが解毒薬を飲んだことを密告する。秦王しんおう羋姝びしゅの薬箱を調べ、解毒薬を確認後、羋月ミーユエに解毒薬「回龍丹」を与える。この一件で秦王しんおう羋姝びしゅを疑い、椒房殿を封鎖する。

中行期ちゅうこうきは獄中で、和氏璧かしのへき張儀ちょうぎから受け取ったもので、全て張儀ちょうぎの陰謀だと嘘の証言をする。穆監ぼくかんはこれを秦王しんおうに報告する。

第39話の感想

第39話は、ハラハラドキドキの展開で、息をするのも忘れてしまうほどでした。羋月ミーユエが機転を利かせて和氏璧かしのへきの匣を開けるシーンは、知的な魅力に溢れていて、思わず感嘆の声を漏らしました。しかし、その直後に毒針に倒れるとは…まさに一難去ってまた一難。彼女の聡明さと同時に、宮廷内の危険さを改めて実感させられました。

元児げんじの最期は、あまりにもあっけなく、悲しいものでした。情報を盗もうとしたとはいえ、命を落とすほどの罰とは思えず、宮廷の残酷さを目の当たりにした気がします。

羋姝びしゅの行動も、今回は特に印象的でした。和氏璧かしのへきに触れたことで自分が毒に侵されたと勘違いし、こっそり解毒薬を飲む姿からは、彼女の臆病さと保身が見え隠れしていました。この行動が後に秦王しんおうの疑念を招くことになるわけですが、彼女自身もまさかこのような事態になるとは想像もしていなかったでしょう。

つづく