あらすじ
第四話では、莒姫が自らの命を絶つという壮絶な手段と周到な計らいによって、羋月と芈戎の命が救われました。その後、二人は魏冉、葵姑と共に、先王の陵墓を守る任務に就きました。陵墓での生活の中で、羋月は葵姑と女医の摯の教えを受けながら勉学に励み、度々見舞いに訪れる黄歇との間に深い絆を育んでいきました。
一方、宮中では楚懐王の妃選びが行われ、才知に長け、心優しい鄭袖が楚懐王の寵愛を一身に受けることとなりました。ある日、先王の祭祀の最中に鄭袖が怪我をした際、羋月が治療を施したことがきっかけで、二人の間に縁が生まれました。
その後、羋姝は羋月を訪ね、宮中に戻るよう促しますが、自由を愛する羋月はこれを拒みます。しかし、羋茵が威后に密告したことで、羋月のために取り成した葵姑が罰せられる事態となりました。葵姑の説得、そして屈原と鄭袖の助力もあり、羋月はついに宮中へ戻ることになりますが、羋姝の宮中で下働きをする身分に甘んじることとなりました。
ネタバレ
莒姫は自害した。亀の甲羅に「否」の字を刻み、「妾、先王に問う。羋月、芈戎に会うや否や」と書いた白綾で首を弔ったのだ。翌日、人々は莒姫の死と白綾、そして火鉢で割れた甲羅の「否」の字を発見する。これは莒姫の策略だった。先王の意思だと見せかけ、羋月と芈戎の命を救ったのだ。
先王の死後、羋月、芈戎、魏冉、葵姑の四人は、威后によって王陵に送られた。一方、威后に取り入った羋茵は、宮中に残ることができた。
歳月は流れ、羋月は王陵で自然に囲まれ、葵姑と女医の摯に礼儀作法や医術を学んだ。黄歇も度々訪れ、宮中の書物を届けた。二人は時を共にし、互いに惹かれ合っていった。
宮中では楚懐王の妃選びが行われていた。体臭を持つ楚懐王は蔑まれていたが、鄭袖という女性だけは気にせず、巧みな言葉で楚懐王の心を掴んだ。すぐに鄭袖は妃となり、王子を産んだ。
一年に一度の先王の祭祀の日、皆が王陵を訪れた。鄭袖は祭祀の作法を知らず威后に叱責され、一人で庭を散策していた。
そこで偶然羋月の住まいを見つけ、近くに生えていたイラクサに刺されてしまう。苦しむ鄭袖を羋月が発見し、薬草で治療した。羋月も王女だと知った鄭袖は、いつか恩返しをすると約束した。
羋姝はこっそり祭祀の列を抜け出し、羋月を探していた。そしてついに再会を果たす。二人は喜び、これまでの歳月を語り合った。羋月は羋姝への想いを伝え、羋姝は羋月を宮中に戻そうとするが、羋月は王陵での自由を愛し、留まることを選んだ。
羋茵は二人の再会を目撃し、威后に羋月が羋姝を祭祀から連れ出したと嘘をついた。威后は羋月の元を訪れ、羋月を叱責し、葵姑を杖刑に処した。
羋月は葵姑を思い、悲しみに暮れた。葵姑は、本当に大切な人を守るには宮中に戻るしかないと諭す。羋月はついに葵姑の教えを理解した。屈原が楚懐王に諫言し、鄭袖も楚懐王に頼んだことで、羋月は宮中に戻ることができた。威后は不満だったが、羋月を羋姝の宮で下働きをさせることにした。
第4話の感想
第四話は、羋月の人生における大きな転換点を描いており、様々な感情が交錯するエピソードでした。まず、冒頭の莒姫の自害シーンは衝撃的でした。自らの命を犠牲にしてまで羋月と芈戎を守ろうとする母性愛に胸を打たれました。白綾と亀の甲羅を使った巧妙な計略も印象的で、莒姫の知性と強い意誌を感じさせます。
王陵での羋月の生活は、宮中の 陰謀から離れ、自然の中で伸び伸びと育つ様子が描かれていました。葵姑と摯の温かい愛情に包まれ、医術や礼儀作法を学ぶ羋月は、まさに無実な少女そのもの。黄歇との交流も微笑ましく、二人の純粋な心の触れ合いが見ている側も温かい気持ちにさせてくれます。
つづく