あらすじ

第45話は、秦の宮廷内における後継者争いを中心に展開します。

羋月ミーユエ秦王しんおうを見舞い、孟嬴もうえいの見送りであったことを知ります。魏琰ぎえん公子華こうしゅかこそが太子に最もふさわしいと考えています。

羋姝びしゅ甘茂かんも公子盪こうしとうへの指導に感謝し、甘茂かんも公子盪こうしとうを全力で支えることを誓い、樗裏疾しょりしつ公子盪こうしとうを高く評価していることを明かします。樗裏疾しょりしつ秦王しんおうに早期の後継者決定を勧めますが、秦王しんおうはそれが内紛を招くことを懸念しています。

公子盪こうしとうは小鳥を奪おうとして公子稷こうししょくを傷つけますが、公子華こうしゅかが間に入り公子盪こうしとうを諭します。羋月ミーユエ公子華こうしゅかの行動を称賛し、羋姝びしゅはそれを気に留めます。

庭園で、公子盪こうしとうは木球を取り出せず下人に暴力を振るい、秦王しんおうの displeasure を買います。公子稷こうししょくは知恵を使って問題を解決し、秦王しんおうの称賛を得ます。羋姝びしゅは落胆し、自分の努力が裏目に出ていると感じます。

ネタバレ

秦王しんおうが燕の孟嬴もうえいを見送るのを知った羋月ミーユエは、秦王しんおうのもとを訪れた。魏琰ぎえんは群臣が立太子を相談していることを知り、公子華こうしゅかが太子の最有力候補だと確信していた。

一方、羋姝びしゅ甘茂かんもを呼び、公子盪こうしとうへの教育に感謝を述べた。甘茂かんも羋姝びしゅに深い感謝を示し、公子盪こうしとうを支えるため全力を尽くすと誓った。さらに、樗裏疾しょりしつ公子盪こうしとうに目をかけていることを明かし、共に秦王しんおう公子盪こうしとうを推薦する考えを示した。

樗裏疾しょりしつ秦王しんおうに謁見し、他国の失敗例を挙げ、早期の立太子を勧めた。しかし秦王しんおうは、早すぎる立太子は逆に仮逆の機会を与えかねないと考えていた。秦王しんおうの真意を悟った樗裏疾しょりしつは、それ以上何も言わなかった。

公子通こうしつう公子稷こうししょくが小鳥で遊んでいると、公子盪こうしとうが鳥を奪おうと追いかけ回し、公子稷こうししょくを傷つけた。それを見た公子華こうしゅか公子盪こうしとうを止め、叱責した。

羋月ミーユエは庭園で魏琰ぎえん公子華こうしゅかに会い、公子華こうしゅかの正義感に感謝し、称賛した。この場面を通りかかった羋姝びしゅが目撃した。羋姝びしゅ羋月ミーユエを呼び、公子盪こうしとうの行為を謝罪した。羋月ミーユエは気にしていないと答え、羋姝びしゅはさらに関係を修復しようと努め、他者に二人の仲を裂かれることを望まないと語った。

妃嬪たちと秦王しんおうが庭園を散策していると、衛良人えいりょうじんが庭園に流水を引き入れることを提案し、秦王しんおうはそれを許可した。羋姝びしゅ秦王しんおうを裏庭に案内した。そこには、事前に珍珠ちんじゅが手配した公子盪こうしとうと従者が待機しており、秦王しんおうの前で武芸を披露する準備をしていた。

秦王しんおう公子盪こうしとうに兵法の演習をさせたが、木球が穴に落ちて取れなくなった公子盪こうしとうは従者に暴力を振るった。秦王しんおう公子盪こうしとうの凶暴性を見抜き、羋姝びしゅは不快感を覚えた。それを見た公子稷こうししょくは穴に水を注ぐように指示し、木球は水面に浮かび上がった。秦王しんおうは大喜びで公子稷こうししょくを褒め、羋月ミーユエを見直した。羋姝びしゅは計画が裏目に出て、他人の手柄になったと思い、悔しがった。

公子稷こうししょくが馬で戻ってくると、羋月ミーユエの手にある鞭に興味を持った。羋月ミーユエ公子稷こうししょくに玉鞭歌を教えた。

羋姝びしゅ公子盪こうしとうが政務を学ぼうとしないことを叱ったが、公子盪こうしとうは気に留めなかった。羋姝びしゅは頭を抱えた。そこに羋月ミーユエが訪れ、羋姝びしゅは自分の宝玉を羋月ミーユエに贈った。羋月ミーユエはお返しに崖蜜を贈り、羋姝びしゅの頭痛や咳に効くと説明した。羋姝びしゅは感謝した。

女医の摯が羋姝びしゅの頭痛を治療していると、殿内で崖蜜に引き寄せられた殺人蜂を発見した。羋姝びしゅは興味を示したが、摯は殺人蜂に刺されれば助からないと警告した。

第45話の感想

第45話は、公子たちの対照的な性格と、それによって引き起こされる波紋が印象的な回でした。特に、公子盪こうしとうの粗暴さと公子稷こうししょくの賢明さが際立ち、将来の王位継承争いを予感させます。

公子盪こうしとうは、鳥を奪おうとして弟を傷つけ、兵法の演習でも従者に暴力を振るうなど、幼いながらも残忍な一面を見せます。一方、公子稷こうししょくは、兄の粗暴さを冷静に見つめ、機転を利かせて木球を穴から取り出すなど、知性と優しさを感じさせる行動をとります。この二人の対比は、秦の将来を闇示しているかのようです。

また、羋姝びしゅ羋月ミーユエの関係性も注目すべき点です。羋姝びしゅ公子盪こうしとうの行いを謝罪し、羋月ミーユエとの関係修復を図ろうとしますが、内心では公子稷こうししょくの賢さに嫉妬し、不安を抱いている様子が見て取れます。二人の関係は、今後さらに複雑になっていくことが予想されます。

つづく