あらすじ
第七話では、樗裏疾が靳尚を通じて南后に夜明珠を贈り、南后の後ろ盾を得て楚懐王に秦楚の婚姻を承諾させようとする様子が描かれています。南后は一計を案じ、肥満で粗野な女性を羋姝に仕立て上げ、秦王との面会に臨ませ、この縁談を破談にしようと企みます。しかし、秦王はこの計略を見破っていましたが、それを露わにすることなく、偽物の羋姝との結婚を承諾します。本物の羋姝と羋月は一部始終を目撃し、最終的に羋月が秦王に真相を伝える決意を固めます。その過程で、張儀が黄歇と羋月に発見され、共に秦王に謁見するよう誘われます。
秦王は義渠国内の混乱を知らせる知らせを受け、秦国へ戻って対応することを考え始めます。張儀の献策に対し、秦王はすぐには採用しませんでしたが、その壮大な志に感銘を受け、五国の郢都会盟を破綻させるための猶予として二ヶ月の時間を与えます。
さらに、秦王は屈原への関心を示し、黄歇を通じてその意向を伝えようとしますが、丁重に断られます。
ネタバレ
樗裏疾は靳尚に賄賂を渡し、南后を使って楚懐王に秦楚の縁談を進言させようと画策する。靳尚は樗裏疾に頼まれ、南后に西域の宝である夜明珠を献上し、秦王の求婚を後押しするように仕向ける。楚懐王は五ヶ国の会盟と秦王の求婚のことで頭を悩ませていたが、南后は秦王から贈られた夜明珠で楚懐王の機嫌を取りつつ、ある奇策を提案する。
その策とは、身代わりを使うことだった。楚懐王は体格が良く、体臭のする女性を探し出し、羋姝の替え玉として秦王と会わせる。謁見の場で、偽の羋姝はぎこちない動きと下品な言葉遣いで、廷臣たちの笑いを誘う。しかし、秦王は既に本物の羋姝と一度会っており、楚王の策略を見抜いていた。それにも関わらず、秦王は機転を利かせた発言で場を和ませ、この偽羋姝を娶ると宣言し、楚懐王を驚かせる。
一方、羋姝と羋月は陰から一部始終を見ており、あの日助けてくれたのが秦王だと知る。羋月は謁見での出来事に大笑いするが、羋姝は笑いつつも、秦王が偽物を本物だと勘違いしていることを心配する。熟慮の末、羋姝は羋月に宮廷の外へ出て秦王に真実を伝えるように頼む。
羋月は黄歇と共に秦王のもとへ向かう途中、張儀と出会い、彼の才能を見込んで秦王に引き合わせることにする。
秦王は公孫衍から咸陽より送られた密書を受け取り、義渠国で内紛が勃発し、今が攻め入る好機だと知る。秦王はこの機会を利用して秦へ戻り、義渠国を討伐し、ついでに羋姝への婚儀の支度を整えようと考える。
羋月、黄歇、張儀の三人は秦王に謁見する。秦王は黄歇を通して屈原に、楚では得られない「痛快」さを与えるから自分の臣下になるようにと誘いをかける。黄歇は屈原の代わりに、忠義の心を説き、丁 敬意を表して断る。秦王はその心に感服する。
羋月は秦王に、あの日の女性は本物の羋姝ではないと伝える。秦王はそれを理解し、羋姝が自分の傷の手当てに使った手巾を羋月に託して返却するように頼む。
羋月と黄歇が去った後、張儀は秦王の前で雄弁に語り、秦と楚の現状を分析し、羋姝を娶れば五ヶ国の同盟を崩せると進言する。そして、自分は dafür 尽力する用意があると申し出る。
秦王は張儀の提案にすぐには応じないが、張儀は再び自分の高い誌を語る。秦王はその熱意に心を動かされ、二ヶ月間の期限を与え、五ヶ国の郢都会盟を阻止するように命じる。
第7話の感想
第七話は、策略と陰謀、そして運命的な出会いが交錯する、非常にドラマチックな展開でした。特に印象的だったのは、南后の李代桃僵の計略です。大胆ながらも滑稽なこの策略は、物語に緊張感とユーモアを同時に加えていました。偽物の羋姝の滑稽な演技は、思わず笑ってしまうほどでしたが、同時に羋姝の立場を考えると、複雑な気持ちにもなりました。
秦王の知略と機転にも感嘆させられました。偽物だと見抜いていたにも関わらず、それを逆手に取って楚懐王を出し抜く様子は、まさに王者の風格を感じさせます。羋姝との再会を望む一方で、国益も冷静に見拠えている秦王の立ち振る舞いは、彼のカリスマ性を際立たせていました。
つづく