あらすじ

第8話は物語の大きな転換点となるいくつかの出来事を描いています。

まず、羋月ミーユエ秦王しんおうから託されたハンカチを羋姝びしゅに渡します。羋姝びしゅはそれが自分の使っていたものではなく、秦王しんおうの名前が刺繍されていることに気づき、それが秦王しんおうの愛の証だと理解し、二人はついに結ばれます。

次に、張儀ちょうぎはかつて葵姑きこ一家に命を救われた恩に報いるため、魏冉ぎえんが欲しがっていた宝剣の購入を手伝うことにします。彼は楚王そおうに「玉女論」を献上し、巧みな弁舌を振るうことで、各国から美女を集める役目を任命され、多額の報酬を得ることに成功します。同時に、南后なんごうから賄賂を受け取り、楚王そおうの前で彼女の立場を守る手助けもしました。

また、南后なんごうと威后の間で夜明珠を巡る争いが起こり、羋茵びいんが夜明珠を盗み、羋月ミーユエに罪をなすりつける場面も描かれています。

最後に、黄歇こうあつが真相に気づき、羋月ミーユエの疑いを晴らそうと動き出します。

ネタバレ

羋月ミーユエ秦王しんおうから預かった手巾を羋姝びしゅに渡しました。羋姝びしゅはそれが自分の使ったものではなく、秦王しんおう嬴駟えいしの名が刺繍されているのに気づき、それが彼の愛の証だと理解します。二人はついに想いを通わせ、正式に結ばれました。

魏冉ぎえんは立派な剣に目を奪われますが、家計は苦しく、買うお金がありません。葵姑きこ一家に命を救われた恩義に報いるため、張儀ちょうぎは翌日、楚王そおうから百金を得ると言い、魏冉ぎえんにその剣を買ってやると約束します。

翌日、張儀ちょうぎ楚王そおうに自作の「玉女論」を献上します。それは天下の美女についての美辞麗句を並べた論考で、楚王そおうは大いに喜びます。張儀ちょうぎはさらに、各国の美女の魅力はそれぞれ違うと語り、好色な楚王そおうの心理を巧みに利用し、各国を巡って美女を集め、後宮に迎え入れるよう進言します。楚王そおうはこの提案を受け入れ、千金を張儀ちょうぎに与えました。

南后なんごう張儀ちょうぎが各国へ美女探しに行くことを盗み聞きし、自分の地位を守るため、彼に多額の賄賂を渡し、二度と戻ってくる必要はないと闇に告げます。張儀ちょうぎは金を受け取り、翌日、南后なんごう楚王そおうの前で芝居を打ち、南后なんごうこそが天下一の美女だと楚王そおうに信じ込ませます。こうして金を得ると同時に、楚王そおう南后なんごうの両方から気に入られるという、一石二鳥の計略を成功させました。

威后に夜明珠を取られた南后なんごうは、怒りを募らせていました。一方、威后は姫君たちを集め、高唐台でその宝珠を披露します。皆が去った後、羋茵びいんがこっそりと戻り、夜明珠を盗んで持ち帰ります。

南后なんごう楚王そおうに夜明珠を取られたと訴え、楚王そおうは取り返すと約束します。しかし、威后が宝珠を取ろうとした時には、既に無くなっていました。この知らせを聞いた南后なんごうは威后の元へ行き、紛失は嘘だと決めつけ、激しい口論となります。

羋茵びいんは威后の元へ見舞いに行き、夜明珠を返そうとしますが、扉の外でこの口論を聞き、罰せられるのを恐れて引き返します。帰り道、羋月ミーユエ羋姝びしゅが使った針仕事籠を持った緑蘿に出会い、イヤリングを落としたと嘘をつき、探すのを手伝わせます。そして、緑蘿が見ていない隙に、夜明珠を羋月ミーユエの籠に忍ばせます。

羋茵びいんは威后の元へ行き、羋月ミーユエが夜明珠を盗んだと告げ口します。威后は激怒し、羋月ミーユエを厳しく問い詰め、両足を切り落とすと脅します。黄歇こうあつは事情を知り、羋茵びいんの仕業だと確信します。羋茵びいんから真相を聞き出した後、黄歇こうあつは太子に助けを求め、楚王そおうと威后に再調査をさせるよう頼みます。

第8話の感想

第8話は、愛と陰謀が複雑に絡み合い、物語の緊張感を高めるエピソードでした。羋月ミーユエ秦王しんおうの恋がついに実を結び、二人の仲睦まじい様子は微笑ましいものでした。しかし、その幸せとは裏腹に、宮廷内では陰謀が渦巻いています。

特に印象的だったのは、張儀ちょうぎの策略です。彼は巧みな話術と機転で楚王そおう南后なんごうを手玉に取り、自らの利益を追求していきます。彼の知略は確かに見事ですが、その狡猾さには一抹の不安も感じさせます。今後、彼がどのような形で物語に関わっていくのか、目が離せません。

一方、羋茵びいんの悪行はますますエスカレートしています。夜明珠を盗み、それを羋月ミーユエに罪をなすりつける卑劣な行為は、彼女の嫉妬深さと残酷さを改めて浮き彫りにしました。羋月ミーユエに対する憎悪は、彼女自身を破滅へと導くことになるのでしょうか。

つづく