あらすじ
劉楚玉公主は、公主府へ戻る途中、駙馬の何戟に兵に囲まれ、皇帝陛下のお召し出しという名目で軟禁されてしまった。天如鏡と越捷飛が香囊の秘密を暴露したことで、劉子業は劉楚玉公主に誤解を抱き、謹慎を命じた。何戟の嫌がらせにも屈しない劉楚玉公主は、容止が仮病を使っていると聞き、行動を起こすことを決意する。彼女は計略をめぐらせ、何戟を毒で昏睡させ、無事に脱出に成功した。
劉楚玉公主は容止に対し、自分が朱雀であり劉楚琇でもあることを明かし、偽らざる想いを伝えた。一方、劉子業は心魔に悩まされ、湘中で天子が出現するという噂を確かめるため、南巡に出ることを決める。天機閣と宮中の勢力は、この機会を利用して劉子業を討とうと密かに企んでいた。不安を感じた劉子業は、劉楚玉公主に宮中への同伴を求める。王意之 は寂然方丈を救い出し、劉楚玉公主に容止の真の目的を見抜いてほしいと告げた。
ネタバレ
劉楚玉が公主府に戻ると、駙馬の何戟が兵を率いて待ち構え、皇帝の召見だと告げる。不穏な空気を感じた劉楚玉は、宮中に入る前に流桑に桓遠へ連絡するよう指示する。劉子業は穏やかな態度で劉楚玉に接するが、突如として香囊の秘密をなぜ隠していたのかと問い詰める。天如鏡と越捷飛が既に全てを話したという。騙されていたことに激怒した子業は、劉楚玉の弁明に耳を貸さず、公主府に軟禁するよう命じる。
宮を出た劉楚玉は天如鏡と出会い、香囊の件を問いただす。天如鏡は天道を守るためだと説明し、かつて劉楚玉に子業を変える機会を与えたが、彼女は失敗したと告げる。香囊の秘密を明かすことで、劉楚玉が子業に及ぼす影響を減らし、天道を変えることを阻止したのだという。劉楚玉は天道にうんざりし、天如鏡とその師が天道のために自分を苦しめていると非難する。また、越捷飛が自分を告発したことに不満を抱くも、彼の立場は理解する。
何戟は劉楚玉に裏切られた恨みから、公主府の警備を利用して彼女を虐げようとする。しかし、劉楚玉は皇帝の実姉であり、たとえ寵を失っても何戟が好き勝手にできる相手ではない。容止は劉楚玉に三つの選択肢を提示する。子業を殺すか、子業を宥めるか、それとも逃げるか。そして、逃げることを勧める。桓遠もまた、劉楚玉にこの場を離れるよう助言する。劉楚玉は劉氏の天下を守る者がなくなることを懸念し、決断をためらう。
夜更け、花錯が劉楚玉に、容止が突然倒れたと知らせる。駆けつけた劉楚玉は、潁川の水でなければ容止を救えないことを知る。劉楚玉は計略を用いて何戟を毒で二時間ほど昏睡させ、その間に潁川へ水を取りに人を送る。
墨香は夜中に容止を訪ね、薬を飲ませると容止は目を覚ます。実は容止は仮病を使い、この機会に劉楚玉を建康から連れ出そうとしていたのだ。墨香は、劉楚玉と子業の特別な関係を理由に、こんなことをする価値はないと不満を漏らす。容止は、これは劉楚玉のせいではないと説明し、墨香に協力を求める。
劉楚玉は容止に別れを告げ、自分が朱雀であり劉楚琇でもあることを明かし、心から容止を愛していると告白する。容止は、劉楚玉の告白か、それとも彼女の正体か、どちらに驚いたのかわからないほど動揺する。
子業は心魔に悩まされ、湘中で天子が出現するという噂を確かめるため、南巡を決意する。天機閣はこの機会を利用して子業を排除しようと企む。華林園で幽霊が出るとの噂が広まり、子業は自ら幽霊退治に乗り出す。同時に、劉彧を猪籠に閉じ込めるよう命じ、劉楚玉を宮中に呼び出す。王意之 は森の中で寂然方丈を救い、以前、寂然が劉楚玉に情報を伝えようとした際に邪魔をしたことを謝罪し、劉楚玉に容止の真の姿を見るよう促す。
第11話の感想
第11話は、劉楚玉を取り巻く状況が大きく変化する重要な回でした。今まで頼りにしてきた天如鏡の裏切り、駙馬の何戟からの嫌がらせ、そして容止の突然の病と、次々と困難が襲いかかります。劉楚玉はこれらの困難に毅然と立ち向かい、冷静な判断力で危機を乗り越えようとする姿が印象的でした。特に、何戟を毒で眠らせて潁川の水を取りに行く機転は見事でした。
また、この回では、劉楚玉と容止の関係にも大きな進展がありました。劉楚玉は自分の正体と想いを容止に告白し、二人の関係は新たな局面を迎えます。容止の仮応が曖昧なため、今後の展開が非常に気になります。一方で、墨香は劉楚玉と容止の関係に否定的であり、この三人の関係がどのように変化していくのかも注目ポイントです。
劉子業の狂気もさらに加速し、南巡を決意することで物語は新たな展開へと動き出します。天機閣の闇躍や、華林園の幽霊騒ぎなど、不穏な要素も多く、今後の波乱を予感させます。王意之 が寂然方丈を助け、劉楚玉に容止の真の姿を見るよう警告するシーンも印象的で、容止の真意が何なのか、ますます謎が深まります。
つづく