あらすじ
第十六話は、花錯が容止の死を受け入れられず、自ら腕を切り落として去っていく様子を描いています。墨香は容止への忠誠心から沈攸之を殺し、宇文雄が容止の遺体を持ち去ろうとするのを阻止します。そして、容止が生前に大魏の未来のために作成した計画書を宇文雄に見せ、容止が自身の死を予期し、馮亭の利益のために犠牲になったことを明らかにします。劉楚玉はこの知らせを聞き、深い悲しみに暮れ、墨香の後を追って去っていきますが、途中で天機閣の人々に拉緻されてしまいます。天如鏡が間一髪で劉楚玉を救出し、天機閣主が陰で事態を操っていた事実を暴きます。
さらに、この回では容止が実は生きており、師兄の観滄海と共に桃林の崖っぷちに姿を現すことが明らかになります。そして、観滄海が容止に噬心毒を盛る衝撃の展開を迎えます。
ネタバレ
第16話、容止の死を受け入れられない花錯は、自らの腕を切り落とし去っていった。忠実な墨香は沈攸之を殺し、劉彧も狙うが失敗。天如鏡は何らかの理由で劉彧を見逃す。容止の遺体を大魏に持ち帰ろうとする宇文雄を墨香は阻止し、容止が生前に記した大魏の10年後の発展計画を見せる。それは、自らの死を予期し、馮亭のために犠牲となる容止の決意の表れだった。深く心を打たれた宇文雄を後に、墨香は容止の遺体と共に姿を消し、墓守となることを決意する。
悲しみに暮れる劉楚玉は墨香の後を追いかけ、桓遠も同行する。追おうとする天如鏡を越捷飛は止める。容止と対立していた越捷飛は、当初は「天道」のためだったが、劉楚玉と出会い心境が変化していた。天如鏡の容止への憎しみには嫉妬も含まれていると指摘するが、天如鏡は否定しつつも、動揺した様子から本心を覗かせる。
天機閣の秘密基地では、閣主と蕭道成が大宋の未来について話し合う。閣主は残忍な劉彧を計画の一部とみなし満足げで、劉楚玉への言及には特別な感情を覗かせる。黄土の丘で、劉楚玉は容止の墓前で思い出に浸る。そこに黒衣の集団が現れ劉楚玉を拉緻、桓遠も襲われ気絶する。駆けつけた天如鏡は目を覚ました桓遠から事情を聞き、すぐさま行動を開始する。
天機閣の秘密基地に連れてこられた劉楚玉は、閣主の追及にも屈しない。そこに天如鏡が現れ劉楚玉を救い、閣主が皆を駒として利用していることを暴つ。天師であり劉彧も一目置く天如鏡は、劉楚玉を守ることができる存在だった。閣主の陰謀を阻止するため、天如鏡は劉楚玉に真の明君を探す協力を求める。
美しい桃林の崖に、容止と彼の師兄である観滄海が現れる。実は容止は生きていたのだ。劉楚玉を喜ばせるため、音の出る石を探してくれるよう観滄海に頼んでいた。容止の行動を理解しきれない観滄海だが、二人の戦いは避けられない。争いの末、観滄海は容止に噬心毒を盛る。それは容止を馮亭の傀儡とするためのものだった。
美しい穀で、白い服の語り部が劉楚玉と容止の物語を語る。しかし、聴衆の望むハッピーエンドに応えるため、宋と魏の縁組という結末を語る。
場面は北魏の皇宮へ。仏教に傾倒する皇帝拓跋弘は摂政王を立てようとし、朝廷内で議論が巻き起こる。中書省侍中趙斉は昌黎王容止を推挙するが、康王拓跋昀 を支持する者もいる。馮亭は宮中で知らせを待ち、拓跋昀 は自信に満ちている。賑やかな市場では、馬丞相の娘、馬雪雲が婿選びの抛繡球を行うが、意中の人を見つけられず投身自殺を図る。その時、容止が現れ彼女を救う。
第16話の感想
怒涛の展開を見せた第16話。容止の死を嘆き悲しむ劉楚玉や墨香、そしてその死の裏に隠された真実と、息つく暇もないほど様々な出来事が詰め込まれていました。
特に印象的だったのは、墨香の容止への忠誠心。主君を失った悲しみと怒りを胸に、沈攸之を殺害し、劉彧への復讐を試みる姿は、彼の深い忠義を示していました。容止が死を覚悟の上で馮亭のために未来を託した計画を知り、静かに墓守となる決心をするシーンは、涙を誘います。
一方、天如鏡の複雑な感情も描かれていました。容止への憎しみ、そして劉楚玉への想いが交錯する彼の心境は、今後の展開を大きく左右しそうです。越捷飛との会話から垣間見える彼の本心は、物語に更なる深みを与えています。
つづく