あらすじ
第30話は、劉楚玉が大神官殺害の濡れ衣を著せられ、死刑に直面する場面から始まります。一方、霍璇は司馬鈞の追跡をかわし、天機閣主を人質に取る機転を利かせて脱出、王沢と合流して平城へ戻ります。劉楚玉は処刑されようとするまさにその時、霍璇が駆けつけ真相を明かしたことで九死に一生を得ます。劉楚玉は機知を働かせて自らの潔白を証明し、陰謀を暴きます。
また、誤解と意思疎通の不足から、劉楚玉と容止の関係はぎくしゃくしたものになっていましたが、最終的に劉楚玉の冤罪が晴れるとともに、容止も劉楚玉の重要性を改めて認識します。
ネタバレ
第30話、劉楚玉は祭官に大祭司の元へ連行され、匕首を握らされる。宮中では太后が拓跋弘に劉楚玉の助命嘆願をしていた矢先、大祭司殺害の報せが届く。容止は激怒し、救出策を案じるも、すぐには妙案が浮かばない。
一方、安城で霍璇を捕らえた司馬鈞は、天機閣主と会談中、霍璇の逃亡を知らされる。実は霍璇は司馬鈞の陣営に潜伏しており、隙を見て天機閣主を捕え、匕首で脅迫する。天機閣主は今回の事件が自身の策略だと明かし、大宋への帰順を勧める。霍璇は天機閣主を盾に司馬鈞から解放されるが、馬に巴豆を混ぜられ、逃走は阻まれる。
司馬鈞は霍璇を追跡し、天機閣主を置き去りにした彼女を襲撃する。しかし、殺害したのは天機閣主だった。霍璇は天機閣主の服に著替え、配下を殺害し馬を奪い、王沢と合流、平城へ向かう。
十日後、劉楚玉は処刑台へ送られる。死を覚悟した劉楚玉は容止への想いを胸に秘め、悲しみに暮れる。その時、清越が刑の執行を阻止し、霍璇が司馬鈞から奪った密書を携えて現れる。鮮卑語で書かれた密書は、劉楚玉と司馬鈞が霍璇捕縛に共謀した証拠だとされる。拓跋昀 は劉楚玉の罪を確信するが、霍璇は宋人である劉楚玉と司馬鈞が鮮卑語で連絡を取るはずがないと仮論し、陰謀だと主張する。自身の逃亡や天機閣主の誤殺も仕組まれた可能性を示唆する。
霍璇の一件が解決した後も、拓跋昀 は大祭司殺害の責任を追及する。劉楚玉は必死に訴え、自分を陥れた祭官を告発、祭官の胸にある掌印を証拠として突きつける。祭官は拓跋昀 の配下であったため、拓跋昀 は動揺し、最終的に祭官は自害する。
劉楚玉と大魏の婚姻は天機閣主の策略であり、天如鏡はそれを知らなかった。真相を知った天如鏡は天機閣主に問いただすが、師への敬意からすぐに決別はしない。天機閣主は劉楚玉を大宋へ連れ戻せば全ての行動を止めると提案する。その後、天如鏡は平城で劉楚玉の悪口を言う者たちをこっそりと懲らしめる。
容止の冷たい態度に腹を立てていた劉楚玉は、疑いが晴れても慰められるどころか責められ、深く傷つく。容止が去った後、清越と気分転換に出かける。一方、容止は霍璇の屋敷を訪ね、剣を交える。劉楚玉の無断外出の知らせを受け、容止は慌ててその場を去る。容止の焦る様子を見て、霍璇は劉楚玉の手強さを改めて実感し、王沢と共に出かける。
劉楚玉は天橋の近くで、靴を取って欲しいと頼む老女に出会う。親切に靴を取ってあげた劉楚玉だが、老女は更に靴を履かせて欲しいと言い出す。老女の怪しい視線に気づき、劉楚玉は動きを止める。
第30話の感想
第30話は、劉楚玉にとってまさに波乱万丈の展開でした。大祭司殺害の濡れ衣を著せられ、処刑台まで送られるという絶体絶命の危機。彼女の無実を信じる者も少なく、孤独と恐怖の中で、容止への秘めた想いを募らせる劉楚玉の姿には胸が締め付けられました。
しかし、窮地に立たされた劉楚玉を救ったのは、意外にも霍璇でした。鮮卑語の密書を証拠に劉楚玉の陰謀を暴き、見事な推理で真犯人を炙り出す様は、まさに痛快! 霍璇の知性と行動力、そして劉楚玉への友情が垣間見える感動的なシーンでした。
つづく