あらすじ
第三十一話は、劉楚玉と藿璇の間の誤解と和解、そしてそれに続く一連の出来事を描いています。
当初、劉楚玉は自分が騙されていたことに気づき、藿璇と衝突します。しかしその後、二人は酒を酌み交わしながら語り合い、藿璇は国と民のために尽くすという自分の理想を明かします。劉楚玉はその心に深く感動します。
劉楚玉は酔いの勢いもあって、容止にこれまでの辛い胸の内を打ち明けます。二人は再び仲を取り戻します。
ところが、劉楚玉は再び白衣の刺客、天如鏡にさらわれてしまいます。天如鏡は容止の真の姿を暴こうと企んでいます。劉楚玉は無事に帰ってきますが、今度は世間の噂話に悩まされることになります。
一方、藿璇は怪我を負って戻り、拓跋昀 が見舞いに訪ねてきます。そして、容止の屋敷で飼われていた真珠魚が毒殺される事件が起こります。誰かが意図的にやった可能性が高いと考えられます。
ネタバレ
劉楚玉は老婆に扮した藿璇の正体に気づき、驚きながらも一緒に酒を酌み交わします。二人は意気投合しますが、容止の話になると藿璇の態度が変わり、王沢が機転を利かせて場を収めます。その後、藿璇は劉楚玉を連れ出し、屋根の上で語り合います。藿璇は民の平和のために戦うと語り、劉楚玉は感銘を受けます。酔いが回った二人は王沢と清越に見つかり、それぞれ介抱されます。劉楚玉は朦朧とする意識の中、容止に会い、孤独な胸の内を吐露します。容止は劉楚玉の苦しみに気づき、彼女を強く抱きしめました。
一方、康王府では、楽蘊が拓跋昀 の部屋で藿璇の肖像画を見つけ、自分が影武者だと悟り苦悩します。藿璇が戻ると、府中の人々の態度が変わり、斉恒からは嫌味を言われます。拓跋昀 は怪我をした藿璇を心配し医者を遣わしますが、藿璇は冷淡な態度をとります。
翌朝、劉楚玉は二日酔いで目覚め、昨夜の失態を恥じます。彼女は紅袖とその子供たちの生活を助けるため郊外へ向かい、踊りを教えて収入の足しになるよう提案します。そこに容止が現れますが、仮面の男に襲撃されます。混乱の中、天如鏡が劉楚玉を連れ去ります。
劉楚玉は桃林で目を覚まし、天如鏡から容止の真意を疑うよう迫られます。劉楚玉は動揺しながらも府に戻りますが、容止の言葉に不信感を抱きます。実は容止は沈遇に劉楚玉の無事を隠し、自分が救出したと偽装させていました。
馬雪雲は劉楚玉の帰還に嫉妬し、刺客に辱められたという噂を流します。この噂は瞬く間に広まり、拓跋昀 はこれを利用して容止を陥れようと、拓跋弘の愛する真珠魚を殺します。藿璇は噂を聞きつけ劉楚玉の元へ駆けつけ、容止と共に黒幕を拓跋昀 だと推測します。沈遇から真珠魚の死を知らされた容止は大きな打撃を受けます。真珠魚は拓跋弘との関係だけでなく、府の財源にも関わっていました。容止は沈遇に調査を命じ、自身は馬雪雲の元を訪れ、彼女の嫉妬による行動に呆れます。
第31話の感想
第31話は、劉楚玉と藿璇の友情、そして容止と劉楚玉の間に漂う微妙な空気が印象的なエピソードでした。特に、屋根の上で語り合う二人の女性の姿は美しく、互いを理解し合う様子に心が温まりました。劉楚玉は、いつも冷静沈著な容止とは違う、藿璇の真っ直ぐな生き方に惹かれたのでしょう。男だったら恋に落ちていたかもしれないという台詞からも、その想いが伝わってきます。
一方、容止は劉楚玉の孤独にようやく気づき、彼女を抱きしめるシーンは胸を締め付けられました。これまで劉楚玉の気持ちを理解しようとせず、自分の思惑ばかりを優先してきた容止ですが、この出来事をきっかけに二人の関係に変化が訪れるのでしょうか。
つづく