あらすじ
第32話は、容止と馬雪雲の対立が激化する様子を描いています。馬雪雲は劉楚玉の評判を傷つけたため、容止から厳しく叱責され、ついには謹慎処分を受けます。馬中良はこれを不服として容止に詰め寄りますが、容止は断固とした態度を変えず、馬中良の主張を受け入れません。
一方、拓跋昀 は藿璇の歓心を買おうと衣装を贈りますが、拒絶されてしまいます。そして、容止が皆に真珠の魚皮製品を贈ったことを知り、それを容止の策略だと疑います。朝廷では、馬中良が容止を高値で商品を売りさばき、贅沢に遊び暮らしていると非難しますが、容止は魚の養殖池を売却するという巧妙な方法でこの危機を乗り切ります。拓跋昀 は再び容止の罠にはまったことに気づき、深い敗北感を味わいます。
藿璇の冷淡な態度に深く落胆した拓跋昀 は、慰めを求めて楽蘊に近づき、楽蘊は彼への支持を表明します。
さらに、劉楚玉の安全を守るため、容止は沈遇に彼女の行動を監視させ、外出を禁じます。
ネタバレ
容止は馬雪雲を問い詰めるも、彼女は罪を認めようとしない。容止は彼女の言い逃れを許さず、追及の手を緩めない。追い詰められた馬雪雲は、愛を口実に容止の心を動かそうとするが、容止にとっては滑稽な話だった。二人の関係は最初から取引であり、容止は馬中良の後ろ盾を、馬雪雲は栄華富貴を求めていたに過ぎない。今更愛を語る馬雪雲が、劉楚玉の名誉を傷つけたことは、容止自身の面目を失墜させる行為でもあった。馬雪雲は事態の深刻さを理解しておらず、容止の怒りを見て初めて事の重大さに気付く。容止は、愚かな馬雪雲に見切りをつけ、彼女との会話を打ち切る。彼にとって重要なのは権力のみであり、女への情など存在しない。
一方、拓跋昀 は霍璇に贈り物をするが、あっさり壊されてしまう。そこに、容止の屋敷から真珠魚の皮で出来た剣鞘の贈り物が届く。使者は、真珠魚の養殖に成功し、余った皮で剣鞘を作ったと説明する。拓跋昀 は複雑な表情でその場を去り、皇宮の母を訪ねる。母は太后から贈られた真珠魚の皮の帯に腹を立てていた。拓跋昀 は冷笑し、容止の真珠魚養殖の成功に疑念を抱く。もし本当なら、自身の努力は無駄になってしまうからだ。
容止の屋敷では、馬中良が馬雪雲の謹慎解除を要求し、協力を盾に容止を脅迫する。しかし、容止は毅然とした態度で、馬雪雲の行為は罰せられるべきだと主張する。容止の強硬な態度に驚き、馬中良は後悔する時が来ると警告を残す。この一件は拓跋昀 にとって好都合であり、斉恒は興奮気味に報告する。お茶を運んできた楽蘊を見て、拓跋昀 は会話を止め、彼女への好意を示す。
朝廷では、馬中良が容止を真珠魚の皮製品を使った贈収賄で告発する。国事を荒廃させ、国基を揺るがす行為だと糾弾する。容止は冷静に過ちを認め、魚塘を売却すると宣言する。実は、真珠魚は既に全滅しており、容止はこの売却によって問題を隠蔽したのだ。拓跋昀 はこの機会に乗じて魚塘を買い取るが、真珠が偽物だと気づき、容止の策略に気付く。容止は既に死んだ真珠魚を使い、拓跋昀 を欺き、馬中良との争いも仕組まれたものだった。再び敗北感を味わう拓跋昀 は、容止の恐ろしさを改めて知る。
霍璇が容止からの贈り物に喜ぶ姿を見て、拓跋昀 は嫉妬に苦しむ。彼は霍璇に本気で想いを寄せているが、彼女は冷たく突き放す。何度も拒絶されても、拓跋昀 は諦めない。容止は霍璇を愛さない、だからいつか彼女が後悔する日が来ると信じているからだ。
失意の拓跋昀 は楽蘊の元を訪れ、慰めを求める。楽蘊は彼を励まし、皇帝になる夢を葉えるまで側にいると約束する。拓跋昀 は彼女の言葉に深く感動する。一方、容止の屋敷では、劉楚玉が外出を望むが、容止は沈遇に彼女の監視を命じる。この任務に沈遇は頭を抱えるのだった。
第32話の感想
第32話では、容止の冷酷さと計算高さ、そして拓跋昀 の焦燥感が際立っていました。馬雪雲との関係をあっさり切り捨て、利用価値がなくなれば容赦しない容止の態度は、彼の冷酷さを改めて印象付けます。愛を語る馬雪雲に対し、全く動じない姿は、まるで感情のない人形のようです。真珠魚の件でも、巧妙な策略で拓跋昀 を出し抜き、自らの利益を確保する姿は、まさに策士と言えるでしょう。
一方、拓跋昀 は霍璇への想いが葉わず、焦燥感を募らせています。容止からの贈り物に喜ぶ霍璇を見て嫉妬に苦しみ、楽蘊に慰めを求める姿は、どこか哀れにも見えます。容止に何度も敗北し、自信を失っている様子が伝わってきます。それでも諦めずに霍璇への想いを抱き続ける拓跋昀 ですが、彼の恋は成就するのでしょうか。
つづく