あらすじ

第35話は、拓跋昀 タクハツ・ユンが河灯の中に容止ロン・ジーフウ太后を倒す鍵となる証拠を見つけ、すぐさま行動を起こそうとする場面から始まります。しかし、紅袖コウシュウに皇帝が既に就寝していることを理由に阻まれます。拓跋昀 タクハツ・ユンは京兆尹の秦原が寝返ったと勘違いし、先走って行動を起こし、秦原が敵に殺されたように見せかけます。

翌日、拓跋昀 タクハツ・ユンは朝廷で証拠らしきものを用いて容止ロン・ジーを反逆者だと糾弾しようとしますが、羌族の客商を誤って捕らえたため、逆に羌族の使臣から訴えられてしまい、結果、謹慎処分を受けてしまいます。紅袖コウシュウは自分が容止ロン・ジーの手下であることを認め、拓跋昀 タクハツ・ユンの行動をわざと妨害したと明かします。

容止ロン・ジー劉楚玉リュウ・チュユウに、河灯のすり替え、紅袖コウシュウによる拓跋昀 タクハツ・ユンの妨害、秦原の一件など、全てが拓跋昀 タクハツ・ユンを暴走させるための自分の計略であったことを説明します。劉楚玉リュウ・チュユウはこれに激怒し、容止ロン・ジーが自分を操り、何も知らされていなかったことに不満を爆発させます。

一方、馬雪雲バ・セツウンは、父・馬中良バ・チュウリョウの態度によってますます気が荒くなり、侍女を打ち殺してしまうほどでした。容止ロン・ジーは彼女の心を落ち着かせようと試みます。

ネタバレ

拓跋昀 タクハツ・ユンは、容止ロン・ジーフウ太后を陥れる証拠を河灯で見つけ、急ぎ拓跋弘タクバツ・コウに謁見しようとしました。セイ太妃が助力しますが、紅袖コウシュウに阻まれます。紅袖コウシュウは、拓跋弘タクバツ・コウが就寝中で面会謝絶だと伝え、御前龍林軍を盾にセイ太妃を退かせました。セイ太妃は不満ながらも引き下がり、拓跋昀 タクハツ・ユンに即時行動を促します。

一方、拓跋昀 タクハツ・ユンは京兆尹の秦原が容止ロン・ジーに寝返り、今夜会合するとの情報を得ます。拓跋昀 タクハツ・ユンは秦原に先回りし、弁明も聞かず、仇討ちに見せかけて殺害します。

翌日、藿璇カクセンは気が進まないながらも羌族使臣の要請で出廷します。朝議で、拓跋昀 タクハツ・ユンは河灯から入手したという「劉楚玉リュウ・チュユウと大宋の間者の連絡名簿」と「平城の布防図」を証拠に、容止ロン・ジーを仮逆者だと告発します。しかし、藿璇カクセンが証人を求めたところ、羌族使臣が拓跋昀 タクハツ・ユンによる羌族商人の虐殺を訴えます。拓跋昀 タクハツ・ユンは計られたと気づきますが、後の祭りです。結局、拓跋弘タクバツ・コウは羌族との交渉権を容止ロン・ジーに委ね、拓跋昀 タクハツ・ユンを謹慎処分にします。

セイ太妃は事の顛末を聞き、紅袖コウシュウを問い詰めます。紅袖コウシュウ容止ロン・ジーの手先であることを認め、昨夜わざと拓跋昀 タクハツ・ユンを阻んだと白状しますが、セイ太妃にはどうすることもできません。

劉楚玉リュウ・チュユウ容止ロン・ジーが一緒に河灯を流してくれなかったことに腹を立て、彼を驚かそうと企みます。朝議後、藿璇カクセン容止ロン・ジーに真相を尋ねます。容止ロン・ジー劉楚玉リュウ・チュユウの河灯のすり替え、紅袖コウシュウへの指示、秦原の裏切り工作など、全て自分の仕組んだことだと認めます。それを聞いた劉楚玉リュウ・チュユウ容止ロン・ジーを問い詰め、自分を道具のように使ったことに怒りを露わにします。容止ロン・ジーは手段は残酷だが現実だと開き直ります。劉楚玉リュウ・チュユウはそれを受け入れられず、怒って出て行きます。

沈遇シン・グウは、これらの計画は以前から立てられていたと説明しようとしますが、劉楚玉リュウ・チュユウは納得しません。劉楚玉リュウ・チュユウは宮廷闘争の残酷さは理解しているものの、自分が蚊帳の外に置かれていたことに不満を抱いています。沈遇シン・グウ劉楚玉リュウ・チュユウの怒りの理由が分からず、清越セイエイに助けを求めますが、清越セイエイ劉楚玉リュウ・チュユウの味方です。機嫌の悪い清越セイエイは、道に迷った王沢オウタクにまで冷たく当たります。チョウ長史が現れ、王沢オウタクを正しい方向へ案内します。

蘭若ランジャク容止ロン・ジーが作った劉楚玉リュウ・チュユウそっくりの皮影人形を持って謝罪に訪れます。

康王府は封鎖され、拓跋昀 タクハツ・ユンは再び大きな打撃を受けます。楽蘊ラクウンは彼に寄り添い、励まします。拓跋昀 タクハツ・ユンセイ太妃に拓跋弘タクバツ・コウへの嘆願を頼みます。

馬雪雲バ・セツウン劉楚玉リュウ・チュユウ容止ロン・ジーの喧嘩を知り、容止ロン・ジーは sonunda二人の相性が悪いと気づくはずだと考えます。馬中良バ・チュウリョウは見舞いに来ますが、馬雪雲バ・セツウンは自分が父親に利用されてきたと思い、復讐を誓います。

馬中良バ・チュウリョウは帰り際に容止ロン・ジーと会い、馬雪雲バ・セツウンのことを頼みます。最近、馬雪雲バ・セツウンは情緒不安定で、侍女を殺してしまうほどで、屋敷では「馬側妃は気が狂った」と噂されています。容止ロン・ジー馬雪雲バ・セツウンと話し、人生には愛以外にも価値のあるものがあると諭します。

第35話の感想

第35話は、容止ロン・ジーの冷酷さと計算高さ、そして劉楚玉リュウ・チュユウの怒りと葛藤が際立つエピソードでした。拓跋昀 タクハツ・ユンの失脚は、容止ロン・ジーが周到に準備した計略によるもので、その巧妙さと非情さは見ている側も息を呑むほどでした。河灯のすり替え、紅袖コウシュウの利用、秦原の裏切り工作…すべてが容止ロン・ジーの手のひらの上で踊らされていたことが明らかになり、彼の恐ろしさを改めて実感させられます。

特に印象的だったのは、劉楚玉リュウ・チュユウ容止ロン・ジーの対立です。これまで、互いに惹かれ合いながらも、どこかで線を引いていた二人の関係が、今回の事件をきっかけに大きく揺らぎました。容止ロン・ジー劉楚玉リュウ・チュユウを利用したことを認め、悪びれる様子もなく現実だと主張しますが、劉楚玉リュウ・チュユウはそれを受け入れることができません。彼女の怒りは、単に自分が騙されたことへの憤りではなく、容止ロン・ジーの冷酷なやり方に対する失望と嫌悪感も含まれているように感じられました。

この二人の対立は、今後の物語の展開を大きく左右する重要なポイントとなるでしょう。劉楚玉リュウ・チュユウ容止ロン・ジーのやり方を受け入れることができるのか、それとも二人の関係は完全に破綻してしまうのか。今後の展開から目が離せません。

つづく