あらすじ
第36話は、馬雪雲が容止の愛を得られず、自暴自棄になり、劉楚玉を監視する者まで差し向ける様子を描いています。容止が公務を執り行っているところに藿璇が見舞いをし、軍隊選抜の厳格な基準について話し合います。沈遇は蘭若との会話の中で劉楚玉への関心を覗かせ、一方、王沢は清越と衝突します。劉楚玉は容止と仲直りするために、沈遇に自分が行方不明になったと伝えるよう仕向け、容止を心配させます。廟会で、劉楚玉は泣いている子供を助け、その後、彼女を狙ったと思われる小屋の倒壊に巻き込まれますが、容止に助けられます。劉楚玉が生きていると知った馬雪雲は激怒しますが、結局は劉楚玉に偽りの謝罪をします。宮中で紅袖と話す劉楚玉は、紅袖が斉太妃に意地悪されていることを知ります。
ネタバレ
馬雪雲は今までの優しさは全て偽りだと開き直り、容止の愛を得られなかった腹いせに、好き勝手に振る舞うと決めた。容止はそんな馬雪雲に呆れ、言葉を交わさず立ち去る。馬雪雲は怒りに任せ、花を踏みつけながら侍女に劉楚玉の監視を厳命する。
書斎では、霍璇が公務中の容止を訪ねていた。拓跋昀 が斉太妃の強引なやり方で釈放されたことを気にかけ、容止を慰め、自分の想いを伝える。しかし、容止は今は政務に集中しており、霍璇に軍の人選は角が立たないように慎重に行うよう忠告するが、霍璇は自分の信念を曲げない。
庭園で、沈遇は清越が楽しそうに食事をしているのを見かけ、声をかけようとするが、蘭若が現れる。誤解を避けるため、沈遇は清越に近づくのは劉楚玉の様子を知るためだと説明する。蘭若は沈遇に自分の本当の気持ちを見つめ直し、誰を支えたいのか考えるよう促す。二人が去った後、王沢が霍璇に会うため塀を乗り越えてくると、偶然清越と鉢合わせる。二人は口論になり、清越は王沢に噛みつき立ち去る。王沢は噛まれた手を眺め、不敵に笑う。
気分が優れない劉楚玉に、蘭若は街の廟会へ誘う。馬雪雲はこの情報を聞きつけ、拓跋昀 に伝える。軟禁中の拓跋昀 は日々仮省しており、楽蘊の明るさに羨望を感じていた。楽蘊のおかげで徐々に心を開きつつあった拓跋昀 は、斉恒から劉楚玉の外出を知らされても、楽蘊を避けることはしなかった。
賑やかな廟会で劉楚玉の気分も晴れやかになる。彼女はふと閃き、沈遇に容止に自分が行方不明になったと伝えるよう頼む。劉楚玉と容止の仲を取り持ちたい沈遇は、容止を騙すことに協力する。劉楚玉の失踪を知った容止は慌てて沈遇と共に捜索を開始する。霍璇と王沢も廟会に来ていた。霍璇は容止を誘おうとしたが、彼が忙しいので諦めていた。そこで偶然、容止らしき姿を見かける。
清越は飴細工の屋台で涎を垂らしているところを王沢に見つかり、からかわれながらも飴を買ってもらう。劉楚玉は廟会を散策中、泣いている子供を見つけ慰めていた。その時、何者かによって屋台の屋根を弔るす縄が切られ、劉楚玉に落下するが、間一髪で容止が助け出す。駆けつけた両親に感謝される劉楚玉。軽傷を負った劉楚玉は、この機に容止に自分のことを心配していることを認めさせようとする。普段は雄弁な容止も劉楚玉に言い負かされ、仕返しに劉楚玉の頬をつねる。劉楚玉は笑っていたが、容止に手を引かれて歩き出した時に足の痛みを訴える。容止は怪我に気づき、仕方なく劉楚玉をおんぶして帰る。劉楚玉は容止の背中でうとうとしていたが、清越の大声で目を覚ます。清越に連れられて屋敷に戻る劉楚玉。王沢は劉楚玉を気遣う容止を見て、沈遇を裏切らないでほしいと願う。
廟会の事故は明らかに劉楚玉を狙ったもので、容止は拓跋昀 の仕業ではないかと疑うが、他に協力者がいる可能性も考える。劉楚玉が無事だと知った馬雪雲は怒り狂い、部屋の物を壊すが、冷静さを取り戻すと劉楚玉に謝罪に向かう。偽りの仮省など見たくもない劉楚玉だったが、雨の中、馬雪雲は劉楚玉の許しを請い続ける。
劉楚玉は紅袖の様子を見に宮殿を訪れる。紅袖は表面上は元気そうにしていたが、劉楚玉に問われると斉太妃から嫌がらせを受けていることを明かす。
第36話の感想
第36話は、様々な登場人物の思惑が交錯し、緊張感と同時にほっこりする場面も散りばめられた、見応えのあるエピソードでした。
まず、馬雪雲の豹変ぶりには驚かされました。これまで見せていた温厚な仮面を脱ぎ捨て、嫉妬と恨みに駆られた姿は、見ていて少し怖くなるほどでした。容止への愛が歪んだ執著へと変化していく過程が丁寧に描かれており、彼女の苦悩が伝わってきました。しかし、その行動はあまりにも身勝手であり、同情はできないと感じました。
一方、劉楚玉と容止の関係には進展が見られました。廟会でのハプニングを通して、容止は劉楚玉への想いを改めて自覚したように見えます。劉楚玉の無邪気さと小悪魔的な振る舞いに翻弄されながらも、彼女を大切に想う気持ちが溢れ出ていました。特に、劉楚玉をおんぶして帰るシーンは、二人の距離が縮まったことを象徴する名場面と言えるでしょう。
つづく