あらすじ
第四十五話は、主に劉楚玉と霍璇の競争、そして流杯殿で起きた不可解な事件を描いています。
劉楚玉は孤児の子供たちに軽業を教え、第二回戦に勝利しただけでなく、戦乱で親を失った子供たちに生きる術を与え、人々の心を掴みました。
一方、流杯殿では奇妙な連続死亡事件が発生しました。宮女一人と侍衛二十人が死亡し、いずれも血液が抜き取られた状態で発見され、宮中に恐怖が広がりました。
太后はこの事態を重く見て、腕利きの者を警護に配置しましたが、惨劇を止めることはできませんでした。
そして、流杯殿事件の真相究明が第三回戦の課題として劉楚玉と霍璇に与えられ、劉楚玉は危険を顧みず自ら調査に乗り出すことになります。
ネタバレ
霍璇は顧歓の窮地を救い、養鶏に失敗して貧困に陥った人を支援対象に選びました。一方、劉楚玉は金を盗んだ孤児を連れ帰り、更生させようとします。最初は仮抗的な孤児でしたが、容止の機転によって自分の過ちに気づきます。容止が去った後、劉楚玉は熱心に孤児の教育を始めました。
宮中では、太后が劉楚玉と霍璇の支援対象を知り、侍女の琴姑を摂政王府へ遣わします。琴姑は霍璇を警戒するよう劉楚玉に伝え、太后からの贈り物も渡します。贈り物で競争に勝つよう促しますが、劉楚玉は正々堂々とした手段で勝利することを望み、贈り物を受け取りませんでした。
琴姑は劉楚玉の拒絶に不満を抱き、太后に報告します。太后はできる限りのことをしたと諦め、成り行きを見守るしかありませんでした。10日の期限が過ぎ、霍璇は死んだ鶏を川に流し、貴重な銀龍魚を大量に集めます。劉楚玉は孤児たちに雑技を教え、市場で披露しました。霍璇ほど収入は多くありませんでしたが、劉楚玉の行動は長期的な視点に立っており、戦災孤児たちを救済しました。この行動は皇帝、拓跋弘の目にも留まり、孤児たちの生活は保障されることになります。
こうして劉楚玉はこの勝負に勝利し、霍璇も劉楚玉のやり方の巧みさを認めました。これで両者1勝1敗となり、勝負は最終決戦へ。紅袖は第三戦の課題として、流杯殿の怪異現象の解明を提案します。太后は仮対しますが、劉楚玉と霍璇は同意し、勝負が始まりました。
顧歓は流杯殿で発見された死体を調べ、生前に強い恐怖を感じ、ほぼ同時に血液を吸い取られたと判断します。劉楚玉は沈遇に流杯殿について尋ねますが、沈遇は多くを語りません。容止によると、流杯殿はかつて八皇子の母、故悦夫人の住居だったそうです。
流杯殿の事件は宮中に広まり、悦夫人の亡霊の仕業だと噂されます。太后はこのような噂を厳しく禁じ、20人の高手に流杯殿の警護を命じます。しかし、その夜、20人全員が謎の死を遂げます。
劉楚玉は事件の調査を決意し、夜に流杯殿へ向かおうとしますが、容止に気づかれ、家に閉じ込められてしまいます。劉楚玉と容止が言い争っている最中、沈遇が流杯殿で再び殺人事件が起きたと報告に来ます。霍璇は劉楚玉に軽挙妄動を慎むよう忠告しますが、劉楚玉は真相究明を諦めません。清越と共に再び流杯殿を訪れ、手がかりを探します。そこで、再びあの口の利けない侍女に遭遇するのでした。
第45話の感想
第45話は、劉楚玉と霍璇の知恵比べがクライマックスを迎え、新たな謎が幕を開けるスリリングな展開でした。貧困救済という課題を通して、二人の異なるアプローチが鮮明に描かれています。霍璇は即効性のある方法で成果を上げますが、劉楚玉は長期的な視点に立ち、孤児たちの自立を支援しました。一見地味ながらも、劉楚玉の方法は人々の心を掴み、皇帝の関心までも引く結果となりました。これは、真の慈悲とは何かを問いかける、深いメッセージ性を感じさせるエピソードでした。
そして、物語は流杯殿の怪異現象へと移り、一気にホラーテイストな雰囲気に。次々と起こる不可解な死、囁かれる亡霊の噂…緊迫感は高まり、今後の展開に期待が高まります。特に、沈遇の口数の少なさや、容止が劉楚玉を止めるシーンは、何か重要な秘密が隠されていることを闇示しているようで、非常に気になります。劉楚玉の好奇心と正義感が、彼女を危険な事件へと巻き込んでいく予感がします。果たして、流杯殿に潜む真の恐怖とは一体何なのか?そして、劉楚玉と容止、霍璇の関係は今後どう変化していくのか?続きが待ちきれません。
つづく