あらすじ
第六話では、太后崩御の前に劉子業の皇后が選ばれたものの、彼がこれに不満を抱き、喪の期間中に大殺戮を繰り広げる様子が描かれています。劉楚玉は劉子業の非道な行いに殺意を抱きますが、彼が幼少期に受けた屈辱と、その復讐劇を回想する場面を目の当たりにし、殺すことを思い留まります。そして、劉子業を変えようと決意します。
民心を掴むため、劉楚玉は竹林の宴を企画し、多くの名士を招きます。宴席では、蕭郎君との知恵比べや、鍾年年の騒動への対処を通して、彼女の知性と勇気が発揮されます。同時に、劉楚玉と容止の関係も深まっていきます。一方、公主府では、粉黛の行動が墨香の疑念を招きます。
ネタバレ
太后崩御。臨終の間際に劉子業の皇后を決めていたことを知り、激怒した劉子業は喪の最中にも関わらず狂気じみた振る舞いを見せ、罪もない人々を虐殺する。太后の霊前で一人佇む劉楚玉は、この非道な行いに怒りを覚え、劉子業を罰するべきだと考える。
その夜、雷鳴が轟く中、劉楚玉は劉子業の寝殿に向かい、闇殺を決行しようとする。姉の腕の中で泣きじゃくる劉子業は、亡霊に命を狙われていると叫び声をあげる。剣を手にした劉楚玉だったが、騒ぎを聞きつけた禁軍が駆けつける。劉子業は禁軍を追い払うと、劉楚玉に何故怯えているのかを問われる。幼少期に殷淑儀から受けた虐待、そして自ら復讐を果たした過去を語り、劉子業は恐怖を感じさせる者は誰であろうと排除すると宣言する。劉楚玉に危害を加えるか問われると、劉子業は豹変し、姉は自分にとって最も大切な存在であり、守るべき人だと告げる。劉楚玉は彼の言葉に心を揺さぶられ、闇殺を断念する。
その後、劉楚玉は天如鏡を訪ね、師と容止の因縁について尋ねる。天如鏡は、容止は生まれながらに凶星を宿し、陰険な性格だが、劉楚玉の寵愛を受けて府に留まっていると説明する。先代の天師と容止は契約を交わしており、運命を変えられない限り、府を出てはならないという。天如鏡はその契約を受け継いでいる。劉楚玉は運命論を否定し、運命は自ら切り開くものだと主張する。劉子業の除霊を天如鏡に依頼するが、断られてしまう。
府に戻った劉楚玉は、静かな湖面を眺めながら葛藤する。そこに現れた容止は、心の声に従うよう助言する。劉楚玉は、殺すことができないのであれば、劉子業を変えるべきだと悟る。そして、喩子楚として竹林の宴を催し、権力者たちを取り込もうと計画を始める。
劉子業を変えるため、劉楚玉は劉氏の祖先の物語を語り聞かせ、彼を鼓舞しようと試みる。天如鏡は天理に背く行為だと警告するが、劉楚玉は自らの信念を貫く。劉子業の更生に尽力するあまり、劉楚玉の声は嗄れてしまう。容止は驚き、自ら治療を施す。
竹林の宴は盛大に開催され、多くの名士が集まる。容止は竹林の中で剣舞を披露し、その非凡な才能を見せつける。男装で現れた劉楚玉は、蕭郎君との過去の因縁に決著をつける。名琴・緑綺を巧みに壊すことで、蕭郎君から一目置かれる存在となる。宴の後、建康一の美女・鍾年年が訪れるが、誤解から侮辱されたと感じ、建康を去ると誓う。
一方、公主府では、墨香が粉黛が密かに外部と連絡を取っていることを発見し、疑念を抱く。
第6話の感想
第6話は、劉楚玉の苦悩と葛藤、そして新たな決意が描かれた見応えのあるエピソードでした。暴君と化した劉子業の蛮行を目の当たりにし、復讐心に駆られる劉楚玉。しかし、幼少期のトラウマを抱え、怯える劉子業の姿を目の当たりにしたことで、彼女の心は揺らぎます。闇殺を実行に移す寸前まで迫りながらも、踏みとどまる彼女の複雑な心情が繊細に表現されていました。
特に印象的だったのは、雷鳴轟く夜、劉子業の寝殿で繰り広げられる緊迫のシーンです。復讐か、救済か。劉楚玉の揺れる心情が、張り詰めた空気感を通して伝わってきました。最終的に闇殺を断念した劉楚玉は、劉子業を変えるという新たな道を選びます。この決断は、彼女の人間としての成長を示すと同時に、今後の展開への期待感を高めるものでした。
容止の助言、天如鏡との会話、そして竹林の宴での立ち回り。それぞれのシーンが劉楚玉の決意をより強固なものにしていく過程が丁寧に描かれていました。容止の剣舞や、劉楚玉と蕭郎君のやり取りなど、見どころも多く、飽きさせない展開でした。
つづく