あらすじ
第八話では、劉子業が新蔡公主に不埒な思いを抱き、偽装死を企てて真相を隠蔽しようと画策する様子が描かれます。一方、天機閣は義陽王の逃亡を成功させますが、これが追っ手を招く結果となります。劉楚玉と容止は行方不明の天如鏡を探している最中、偶然にも義陽王の逃亡を助けることになります。
劉楚玉は朝廷の難題に直面し、様々な方法で解決を試みますが、度々阻まれてしまいます。そこに王意之 が現れ、事態は新たな局面を迎えます。彼は劉楚玉を助けるだけでなく、重大な秘密を解き明かす鍵となる可能性のある手がかりを残していきます。
劉楚玉は次第に、何者かが自身の計画を妨害していることに気づき始め、王意之 が残した手がかりこそが全ての謎を解く鍵だと確信していきます。同時に、容止の行動は劉楚玉の計画に対する複雑な態度を表しており、助けとなる部分もあれば、妨げとなる部分もあることが示唆されます。
ネタバレ
第8話、劉子業は庭園で先帝の義妹である新蔡公主に遭遇し、邪な心を抱く。しかし彼女は既に衛将軍何瑀の息子、何邁の妻だった。己の欲望を満たすため、劉子業は偽の公主の死体を何家に送りつけ、罪を隠蔽しようと企む。
一方、天機閣では囚われた仲間の救出策が話し合われていた。湘東王劉彧は弟の義陽王に脱出の機会を譲る。義陽王の脱出はすぐに発覚し、天機閣の仲間は追手を欺くため陽動作戦を行う。義陽王は混乱に乗じ、偽の公主の死体を運ぶ一行に紛れて城を脱出する。
公主府では、劉楚玉が土地改革の上奏文について容止に意見を求めていた。容止は豪族の土地兼併問題の解決には軍の協力が不可欠だと指摘し、問題は建康城内だけでなく城外の資源にも及んでいると語る。劉楚玉は彼の助言を受け、新たな行動計画を立てる。
程なくして、越捷飛から天如鏡の失踪が報告される。占いの他に何も出来ない天如鏡の失踪に越捷飛は不安を募らせる。雨の中、劉楚玉と容止は天如鏡を探しに出かける。道中、逃亡中の義陽王と彼を助ける蕭道成に遭遇する。義陽王の行動は無謀だと考える劉楚玉だが、彼を助けなければ更なる犠牲者が出ると判断する。
城門近くで沈慶之の捜索隊に遭遇する。容止は機転を利かせ、劉楚玉の髪を乱して痴話喧嘩を装い、追及を逃れる。
劉楚玉は義陽王を東山の麓まで送り届ける。義陽王は潜伏生活を送ると語り、もし彼が封地に戻って仮乱を起こすならば、劉楚玉はそれを阻止すると告げる。
その後、一行は山中で感情の起伏から家出していた天如鏡を見つける。劉楚玉の言葉に心を揺さぶられ、悩んでいたのだ。そこで山に住む王意之 に出会い、彼の小屋で休息する。王意之 は温かい汁物を劉楚玉に振る舞うが、彼女はそれを天如鏡に譲る。蕭道成の琴の音色の中、王意之 と劉楚玉は詩を吟じる。その言葉に何かを感じ取ったのか、天如鏡は持っていた椀を落としてしまう。
翌朝、天如鏡は劉楚玉に協力することを約束する。王意之 が用意した食事を皆が口にする中、容止だけは何も口にせず、警戒を怠らない。
墨香は容止がなぜ劉楚玉に国事を指図するのか理解できないでいたが、容止は彼女に自信を持たせるためだと説明し、実際には裏で妨害工作をしていると明かす。その時、何邁が偽の公主の棺を担ぎ、一族を引き連れて宮門前に現れ、劉子業を妻殺しの罪で訴える。激怒した劉子業は弩で何邁を射殺する。
現場に駆けつけた劉楚玉と天如鏡。この光景を目にした劉楚玉は怒ってその場を去るが、後に考えを改め、劉子業を支持し、潜在的な脅威を取り除くことを決意する。彼女は沈慶之を利用して、将来面倒になりそうな皇族を排除するよう劉子業に進言する。
その後、王意之 が謀仮の疑いをかけられ、一族から追放されたことを知る。それでも楽観的な王意之 は、城外の寺に身を寄せることを劉楚玉に伝える。不安を感じた劉楚玉は寺に向かうが、既に王意之 の姿はなく、手紙だけが残されていた。手紙には奇妙な文字が記されていた。
屋敷に戻ると、手紙が消えており、誰かが自分の計画を妨害していることを確信する。劉楚玉は背後に大きな陰謀が隠されているのではないかと疑い始める。
最後に、劉楚玉は手がかりを求めて建初寺へ向かうが、寺は襲撃され、住職の寂然も行方不明になっていた。花錯は容止に、建初寺襲撃は寂然の逃亡により失敗したと報告する。容止は王意之 が残した手がかりに注目し、何らかの秘密を暴こうとしていると推測する。
第8話の感想
第8話は、陰謀と策略が渦巻く、息詰まる展開でした。劉子業の残虐な本性が露わになり、新蔡公主を犠牲にした冷酷な計略は、彼の狂気を改めて印象付けました。権力に溺れ、欲望のままに振る舞う姿は、まさに暴君そのものです。
一方、天機閣のメンバーの脱出劇は手に汗握る緊迫感がありました。湘東王の自己犠牲と義陽王の脱出、そして仲間たちの連携プレーは、彼らの強い絆を感じさせます。特に、容止の機転と冷静な判断力は、窮地を脱する鍵となりました。偽の公主の死体を運ぶ一行に紛れて城を脱出するシーンは、まさに神業と言えるでしょう。
劉楚玉と容止の関係性も、少しずつ変化を見せています。土地改革について真剣に議論する姿からは、互いに信頼を深めている様子がうかがえます。しかし、容止の真意は依然として謎に包まれており、彼の行動の裏に隠された目的が何なのか、ますます気になります。
つづく