あらすじ
第一話では、盛都にやってきた慕白と商易之の物語が描かれます。王府の誕生日祝いの贈り物を買いに出かけた商易之は、市で男装した阿麦に出会います。彼女は一見高麗人参に見えるものを賭けに使い、賭博をしていました。商易之は賭けに負けた後、人参が実は大根だったことに気づき、騙されたと悟り追いかけますが、逃げられてしまいます。
その後、阿麦は「万事通」を探すため、凝翠閣に何度も足を運びます。そこで、暗殺されそうになった商易之を助けます。そのお礼として、商易之は阿麦に王府まで無事に帰るための協力を依頼し、阿麦もまた、この機会を利用して自分の目的である陳起に近づこうとします。しかし、商易之は阿麦が女性であることを見抜き、彼女の真意を疑い始めます。
一方、定南侯は毒を盛られ病に倒れ、商易之に自分の本当の身分と複雑な宮廷闘争の背景を明かします。
ネタバレ
南下盛都城。晴天の朝、城門が開くと同時に、多くの商人が城外へ繰り出し、賑やかな人々の流れの中に、慕白と商易之の颯爽とした姿があった。王府の誕生日祝いの宴が近いので、商易之は贈り物を選ぶため市場に来ていた。
賑やかな場所を求めて市場を歩いていると、商易之は喧騒に惹きつけられた。賭場で、男装した阿麦が大きな朝鮮人参を賭け金に出していた。商易之は宮中でも見たことのない立派な人参に目を奪われ、懐中の金を全て賭けてしまう。しかし、商易之が賭けに負けて騒ぎになっている最中、数人の衛兵が現れ阿麦の屋台を撤去しようとする。商易之はすかさずその隙に千年人参をくすね、慕白に戦利品を見せびらかすが、それは人参ではなく大根だったと気づき、顔色を変えて阿麦を追いかけるが、逃げられてしまう。
まんまと騙された商易之は怒り心頭で、凝翠閣で気を静めようとする。定南侯の世子である商易之は、侯爵と正室の公主ではなく、身分の低い女性との間に生まれた子だった。定南侯は戦功を立て権力を握るも、皇帝の猜疑の的となっていた。出徴名簿に商易之の名が載らないのは、長公主が皇帝に働きかけているためだった。
阿麦は「万事通」を探しており、凝翠閣にいるという噂を聞きつけて何度も訪れていた。偶然にも商易之が何者かに襲われた際、身を挺して彼を守った。凝翠閣の女将、春娘は、阿麦が商易之を無事に送り届けたら「万事通」の居場所を教えるという取引を持ちかける。
阿麦が探しているのは韓懐成の息子、陳起。確かな情報は「万事通」しか知らない。夜、阿麦は手押し車に商易之を乗せて王府へ向かう途中、再び刺客に襲われる。阿麦のおかげで商易之は無傷で済んだ。感謝の印として、商易之は阿麦を侯爵邸に滞在させることにする。
侍女たちを下がらせ、沐浴を始めた阿麦。男装で男たちに紛れて暮らしていたのは、父の仇である陳起を探すためだった。十年前、一族が皆殺しにされるのを目の当たりにし、父を庇った義子の陳起が、父の隙をついて匕首で殺害したのだ。阿麦は復讐を誓っていた。
阿麦の部屋の窓が開いているのに気づいた商易之は、二度も命を救われた恩義を感じ、声をかけようとする。しかし、そこで阿麦が女性であることを知ってしまう。目的を疑うも、命の恩人でもある。ちょうどその時、定南侯の発作を知らせる侍女が来て、話は中断される。
帰邸したばかりの定南侯は毒を盛られ、病に伏していた。皇帝の猜疑心が強まるのを感じ、商易之を呼び、彼の出生の秘密を明かすのだった。
第1話の感想
「華の出陣～麗将・阿麦の仇討」第1話は、軽快なテンポで物語が展開し、あっという間に引き込まれました。冒頭から、男装の麗人・阿麦と、世間知らずのお坊ちゃんといった雰囲気の商易之のコミカルなやり取りが面白く、特に大根を騙されて悔しがる商易之の姿には思わず笑ってしまいました。
阿麦の目的が復讐であることが早々に明かされ、彼女の芯の強さと過去に抱える闇が垣間見えることで、今後の展開への期待が高まります。一方、商易之は一見頼りなさそうに見えますが、阿麦に助けられる中で、何かを感じ取っているような描写もあり、彼の成長にも注目したいところです。
物語の舞台となる盛都城の活気あふれる描写や、凝翠閣での緊迫したシーンなど、映像も美しく、世界観に引き込まれました。また、定南侯を取り巻く政情や、商易之の出生の秘密など、ミステリアスな要素も散りばめられており、今後の展開がますます気になります。
つづく
