あらすじ
第12話は、復讐のため北漠へ向かう阿麦の物語です。出発前、阿麦は商易之に別れを告げます。商易之の告白に対し、阿麦は過去の悲しみからそれを断り、自分の本当の身分と家族の悲劇を明かしました。真実を知った商易之は、阿麦を支える決意をさらに固め、多くの物資を用意するだけでなく、出発の際には愛情のこもったキスを送りました。
阿麦が出発して間もなく、北漠軍が靖陽関を占領したという知らせが届きます。そして、その首謀者は、彼女の父の仇である陳起でした。復讐のため、阿麦は商易之の反対を押し切り、男装して軍隊に入隊し、戦場へ赴く決意を固めます。軍営では、二蛋と親しくなり、過酷な軍事訓練に励み、戦場で陳起と決着をつける日を待ち望みます。
一方、皇帝は太子が捕らえられたことに激怒しますが、前線からの勝利の知らせによって、その怒りは一時的に鎮まります。また、豫州での武術大会での活躍が皇帝の目に留まった商易之は、潜在的な脅威となることを防ぐため、都に呼び戻され、軟禁状態に置かれます。
ネタバレ
阿麦は北漠へ旅立つことになり、出発前に商易之に別れを告げ、徐秀児の面倒を見るよう頼んだ。商易之は阿麦に留まるよう説得し、想いを告白する。驚いた阿麦は話を遮り、自分の本名は韓麦穂で、盛国公の娘であることを明かす。幼馴染である義兄の陳起に両親を殺され、復讐を誓って生きてきたのだと。
阿麦は靖陽関経由で北漠へ向かう予定だったが、出発前日に唐紹義率いる北漠軍が靖陽関を陥落させたという知らせが届く。徐秀児は手作りの靴を阿麦に贈り、別れを惜しんだ。
早朝、阿麦が出発しようとすると、既に商易之が門口で待っていた。彼は闇器、防寒用の狐裘、匕首、夜行衣、布地、装飾品など、旅に必要な品々を用意していた。阿麦はその心遣いに感謝し、再会を期して彼にキスをした。
出発後間もなく、北漠軍が靖陽関を製圧し、その指揮官が陳起であることを知る。復讐心で燃える阿麦は、兵士不足の北漠軍に誌願する。商易之は女性の従軍を禁じる律法を理由に仮対するが、阿麦の強い意誌に折れ、承諾する。慕白に見送られ、阿麦は軍営に入った。そこで二蛋という心優しい兵士と出会い、互いに支え合う友人となる。
陳起を討つため、阿麦は厳しい訓練に没頭する。つらい時は両親の最期を思い出し、奮起する。常鈺青は阿麦の入隊を知り喜び、慕白も常鈺青の存在が阿麦の助けになると考えた。
皇帝は太子の捕縛を知り激怒するが、前線の戦況報告により、太子への追及は一時中断される。商易之の豫州での活躍を知った皇帝は、彼を危険視し、林宰相の進言を受け入れ、商易之を都に呼び戻し、軟禁するよう命じた。
第12話の感想
第12話では、阿麦の復讐への強い決意と、それを支える周囲の人々の想いが交錯する展開に心を掴まれました。両親を殺されたという過去を背負いながらも、前を向き、北漠へと旅立つ阿麦の姿は、まさに「麗将」の風格を感じさせます。特に、商易之への想いを断ち切り、復讐という大きな目標に向かって突き進む彼女の覚悟は、見ている側にも緊張感と同時に、応援したいという気持ちを抱かせました。
商易之の阿麦への告白は、切なくも美しいシーンでした。阿麦の旅立ちを少しでも安全なものにしようと、様々な品々を用意する彼の姿からは、深い愛情が感じられます。しかし、阿麦の心には復讐という大きな存在があり、二人の想いはすれ違ってしまう。このもどかしさが、物語に深みを与えていると言えるでしょう。
また、徐秀児や慕白、そして新たに仲間となった二蛋など、阿麦を取り巻く人々の存在も印象的です。それぞれが阿麦を思い、それぞれの形で彼女を支えようとする姿は、温かさを感じさせます。特に、臆病ながらも阿麦を助けようとする二蛋との友情は、今後の展開において重要な役割を果たしていくのではないでしょうか。
つづく