あらすじ
第13話は、阿麦の軍営での生活の様子と、彼女が直面する様々な試練を描いています。唐紹義が見舞いに訪れ、二人は銀堡城での出来事を振り返ります。唐紹義は過去の自分の行いを悔い、北漠軍に必ず勝利すると決意を新たにします。慣れない軍営での粗末な生活に適応するため、阿麦は体臭を放つ薬草を体に塗り、伍長たちとの摩擦を避けます。商易之が見舞いに来た際、訓練についていけず罰を受ける阿麦の姿を目にしますが、彼女の選択を理解し、辛いながらも受け入れます。その後、体臭のために強制的に体を洗われそうになった阿麦を、商易之が間一髪で助け出します。阿麦に対する商易之の気遣いは伍長の警戒心を呼び起こし、伍長は機会を伺って阿麦を軍営から追い出そうと画策します。しかし、阿麦はどんな困難にも立ち向かう強い意志と自立心を示します。
ネタバレ
夜の冷え込みが厳しい中、阿麦は夜番に立っていた。唐紹義が酒を持って慰問に訪れ、二人は銀堡城での出来事を語り合う。唐紹義はかつての己の浅はかさを悔やみ、北漠軍への雪辱を誓う。
夜番を終え戻ると、伍長が阿麦の寝床の大半を占領していた。上官には逆らえず、男だらけの生活に危機感を覚えた阿麦は、強烈な臭気を放つ薬草を体に塗り、寝具にも染み込ませた。十裏四方まで臭いが漂い、誰も近寄らなくなる作戦だ。案の定、伍長は臭さに耐えかね、阿麦に風通しの良い場所へ寝具を移すよう命じた。これで伍長との距離を保つことに成功する。
阿麦と二蛋の寝床が入れ替わり、今度は二蛋が夜番の晩、阿麦は伍長の寝相の悪さに思わず笑ってしまう。伍長の足が二蛋の胸の上に乗り、二蛋は苦悶の表情を浮かべていた。その光景が面白くて、阿麦は一晩中見張りを続けた。
商易之が見舞いに訪れ、阿麦の訓練の様子を目にする。基本がなっていないと陸剛に叱責され、罰として追加のランニングを命じられた阿麦。商易之は助け舟を出そうとするが、阿麦は毅然とした態度で罰を受け入れる。商易之は何も言えずに立ち去るが、心中は複雑な思いでいっぱいだった。軍師は、特別扱いを受ければ仲間から疎まれ、戦場で孤立してしまうと諭し、商易之は阿麦の真意を理解する。
日々の訓練に加え、兵士たちは頻繁に入浴する。阿麦の臭いに耐えかねた伍長は、部下に命じて阿麦を無理やり風呂場へ連行させる。数人の男たちに担ぎ上げられ、恐怖に慄く阿麦。そこに偶然通りかかった慕白に、商易之からの伝言かどうかを尋ねる。
慕白から報告を受けた商易之は、当初こそ可笑しく思ったものの、阿麦が女であることを思い出し、慌てて駆けつける。間一髪で阿麦を救い出した商易之。夜になり、昼間の出来事を思い出し、阿麦の慌てた表情を思い浮かべて笑みがこぼれる。その晩、商易之は将軍府に戻らず、軍営に泊まることにした。夜更け、薄著の阿麦を心配し、自分の外套を持って阿麦の元へ向かう。
夜番中の阿麦に外套をかけ、軍営での生活の危険性を説く商易之。しかし、阿麦は10歳から江湖を一人で渡り歩き、どんな状況にも対応できると仮論する。
伍長は、阿麦と商易之の親しげな様子を見て警戒心を抱き始める。阿麦の存在が自分の地位を脅かすのではないかと考え、何とかして阿麦を追い出そうと画策する。
第13話の感想
第13話では、阿麦の男装生活における苦労と工夫、そして彼女を取り巻く人間関係が描かれていました。特に印象的だったのは、寝床を伍長に占領された際に、とっさに奇策を用いて危機を回避する機転の良さです。強烈な臭気を放つ薬草を体に塗るという大胆な行動は、阿麦の逞しさとユーモアのセンスを際立たせていました。
また、商易之との関係性も大きな見どころでした。訓練中の阿麦を心配する商易之の優しさと、それをあえて拒否する阿麦の強い意誌が対比的に描かれ、二人の間の複雑な感情が伝わってきました。商易之が阿麦の真意を理解し、彼女の成長を尊重する姿は、二人の絆の深まりを感じさせます。
一方、伍長は阿麦に対して敵対心を抱き始め、今後の展開に波乱を予感させます。阿麦の存在が伍長の地位を脅かすという構図は、今後のストーリーにおける緊張感を高める要素となるでしょう。
つづく