あらすじ
第十七話は、崔衍が手柄を立てて妻を娶りたいと強く願っている様子と、常鈺青がその思いに理解を示す場面から始まります。一方、傷が癒えた阿麦は商易之の近くに配属されます。阿麦は警戒を怠りませんが、商易之は彼女との距離を縮めようと、入浴に誘ったり、一緒に流星群を見ようと誘ったりします。しかし、その最中、二人は北漠軍の待ち伏せを発見します。
すぐに商易之と阿麦は軍師にこのことを報告します。軍師は、阿麦の存在が戦況に影響を与える可能性があると懸念し、商易之に軍事機密を阿麦に漏らしてはならないと釘を刺します。北漠軍の脅威に対抗するため、軍師は平家坳への撤退を決定し、陽動作戦のため少数の部隊を派遣します。その中に、阿麦の所属する第七営も含まれていました。
作戦実行中、第七営は大きな困難に直面し、陸剛は命を落とします。阿麦は残った兵士たちを率いて任務を遂行しようと奮闘します。そして、敵を誘導する中で、阿麦は老朽化した橋から落下してしまいます。しかし、彼女の行動は敵の追撃を遅らせることに成功しました。
ネタバレ
常鈺青の弟、崔衍は手柄を立てて早く嫁を娶りたいと焦っている。常鈺青は兵士が家を構えるのは当然だと肯定するも、自分の好みの女性は崔衍の好みとは違うと話す。
一方、阿麦の足の怪我は癒え、商易之は彼女を自分の天幕近くに配置し、夜番を命じる。夜、商易之は阿麦を呼び、ゆっくり湯浴みをするよう勧めるが、軍営での油断を警戒する阿麦は断る。
翌朝、阿麦は商易之が作った藁の犬を見つける。普段は威風堂々とした将軍の商易之だが、阿麦には細やかな気遣いを見せる。その日、商易之は阿麦と流星群を見に行く。二人きりになれる機会を得て、親密な関係を夢見る商易之だったが、そこで北漠軍の伏兵を発見する。
二人は急いで軍師に報告する。軍師は阿麦の存在に気づき、機密保持の約束を再確認させる。前回の戦闘で自軍が大きな損害を受けたこと、陳起の軍がすぐには追撃してこなかったことから、軍師は阿麦の関与を疑い、改めて彼女を軍事機密から遠ざけるよう商易之に命じる。
北漠軍に位置を知られたため、軍は平家坳へ撤退することに。陽動作戦のため、少数の部隊が敵を引きつける任務につく。険しい峡穀を通るこの任務は危険極まりなく、常鈺青の追撃を受ければほぼ全滅は免れない。第七営がこの任務に就くことを知った阿麦は、密かに部隊に紛れ込む。
夜明け、第七営の兵士たちは阿麦の存在に気づく。隊長陸剛と相談した阿麦は、騎兵中心の常鈺青の軍に対し、歩兵中心の自軍が不利であることを指摘し、馬が動きにくい密林へ敵を誘い込む作戦を提案する。
作戦通り常鈺青の軍を引きつけるが、陸剛の部隊は追いつかれ壊滅する。陸剛からの信号を見た阿麦たちは、彼の死を悟る。陸剛は自分が死んだら阿麦に指揮を託すよう言い残していた。阿麦は悲しみをこらえ、残りの兵を率いて撤退する。
常鈺青の追撃は続き、阿麦たちの部隊は追い詰められる。阿麦は兵士たちを励まし、目標地点まで進むよう促す。その時、北漠軍が迫り、阿麦は殿を務める。橋を渡りきる直前、老朽化した橋から阿麦は落下する。兵士たちは阿麦の名を叫び、北漠軍の接近を阻止するため、橋のロープを切る。
第17話の感想
第17話は、阿麦と商易之の淡いロマンスと、緊迫の戦況が交錯する、非常にドラマチックな展開でした。商易之が阿麦のために藁の犬を作るシーンは、彼の不器用ながらも誠実な愛情が伝わってきて、胸がキュンとしました。流星群を一緒に見る約束も、二人の関係が進展する期待感を感じさせます。しかし、そんな穏やかな時間も束の間、北漠軍の伏兵発見により、物語は一気に緊張感あふれる展開へとシフトします。
阿麦の機転と勇気、そして仲間を思う気持ちは、今回も強く印象に残りました。危険な誘導任務に自ら誌願し、陸剛と共に敵を密林へ誘い込む作戦を立案するなど、彼女の知的な一面が際立っています。陸剛の死を目の当たりにし、悲しみをこらえながら指揮を執る姿には、彼女の強い精神力と責任感を感じました。
一方で、商易之は阿麦への想いを募らせながらも、軍師としての冷静さを保とうと葛藤する様子が描かれています。軍師の忠告を受け入れ、阿麦を軍事機密から遠ざける決断は、彼にとって苦渋の選択だったでしょう。
つづく