あらすじ
第19話は、常鈺青が率いる軍隊が平家坳を攻める物語です。 当初、常鈺青は叔父からの手紙で太后が陳起を重用していることを知り、常家軍が圧迫されることを懸念し、叔父の指示に従い南下する軍隊に足止めされているように見せかけ、陳起の勢力を削ごうとしました。 戦闘中、常鈺青は何度も勝利目前で突如撤退し、軍内に疑問を生じさせました。 阿麦は軍師と共に分析した結果、これは敵の時間を稼ぐための策略だと考え、先手を打って攻撃に出ることを決定し、巧妙に偽装工作を施して敵を欺きました。 そしてついに、ある戦闘で阿麦は計略を用いて北漠軍の重要人物である崔衍を捕虜とし、北漠軍内部に不和を生じさせることに成功しました。 これら一連の行動により、南下軍は勝利を収めただけでなく、阿麦は「小戦神」の称号を得ることとなりました。
ネタバレ
常鈺青率いる兵士たちは平家坳への攻撃準備を進めていたが、崔衍が万全の備えをしているところに、常鈺青の元に叔父からの急報が届く。内容は、太后が陳起を重用しており、陳起の勢力が拡大すれば常家軍は圧迫されるため、南下軍に足止めされている状況を偽装し、陳起の南下を阻止せよというものだった。
翌日、常鈺青率いる兵士たちは優勢に進軍し、平家坳の城門に迫っていた。しかし、突如退却の合図が鳴り響き、常鈺青は兵を引き揚げる。この撤退のおかげで、阿麦の部隊は大きな損害を免れた。夜、阿麦と南下軍の指揮官たちは軍議を開き、敵の偽装降伏を疑う。その真意は不明だが、阿麦は敵が追撃してこなかったことから、夜襲も仕掛けてこないだろうと賭ける。
翌朝、常鈺青は再び多くの将兵を率いて攻城戦を仕掛ける。姜成毅という勇猛な将兵は城壁に迫るも、またしても退却命令が下される。この命令に姜成毅は憤慨する。常鈺青はこの噂を聞きつけ、姜成毅を次の攻撃の主将に任命する。二度目の攻城戦でも、南下軍が劣勢に陥ったところで、常鈺青は兵を引き揚げる。兵士たちは戸惑うが、軍令には逆らえず撤退する。
二度にわたる偽装降伏に、軍師と商易之は困惑するが、阿麦は敵の装備を詳しく調べ、内部に問題を抱えていることを見抜く。敵の目的は時間稼ぎだと判断した阿麦は、受身の姿勢ではなく、攻勢に出ることを決意する。阿麦と軍師は、北漠軍を包囲するための作戦を練る。北漠軍が次に攻めてきた際に、容易に撤退できないようにするためだ。
城内の守備兵を減らし、北漠軍に気づかれないよう、阿麦は部下に薪を多く割り、竈を増やすよう指示する。竈の数に変化がなければ、敵は疑わないだろう。また、竹を伐採し、連射可能な弓弩を製作させる。阿麦の計略通り、北漠軍は異変に気づかない。木材伐採部隊が襲撃されるも、被害は軽微で、逆に北漠軍の崔衍を捕虜にすることに成功する。
崔衍が城壁に捕らえられたことを知った常鈺青は、救出に向かう。阿麦は常鈺青に単身での交渉を要求する。危険な状況だが、崔衍のために商易之はこれを受け入れる。商易之が単騎で城内に向かおうとした時、姜成毅が意図的に誤った命令を下し、後続の騎兵隊が攻城を開始してしまう。城壁の兵は少なく、劣勢に立たされるが、商易之が率いる部隊が到著し、北漠軍を挟み撃ちにする。阿麦の軍は勝利を収め、北漠軍の内部崩壊を促すため、崔衍を解放する。南下軍はこの勝利で士気を高め、阿麦は「小戦神」と称えられるようになる。
第19話の感想
第19話は、阿麦の知略と勇猛さが際立つ回でした。敵の偽装降伏を見破り、大胆な作戦で北漠軍を翻弄する姿はまさに「小戦神」の異名にふさわしい活躍でした。
特に印象的だったのは、敵の装備から内部の問題を見抜く洞察力です。二度にわたる不可解な退却命令の裏に隠された意図を、わずかな手がかりから読み解く鋭さは、彼女の優れた戦略眼を証明しています。また、崔衍を捕虜にした後、あえて解放することで北漠軍の内部崩壊を誘導するなど、戦況を有利に進めるための巧妙な駆け引きも見事でした。
一方、常鈺青の苦悩も描かれていました。叔父からの命令と、戦場の現実との間で板挟みになり、難しい判断を迫られる様子は、彼の置かれた複雑な立場を物語っています。姜成毅の行動も今後の展開に影響を与えそうで、目が離せません。
つづく